◉情報収集と選別のコツ


さて、ではこれから、プロフェッショナルの投資家に学ぶ「情報収集」と、「選別のコツ」を書いていきます。

まずは、情報収集です。これは現代社会においては非常に興味深いテーマです。マーケットだけではなく、ビジネス、プライベートのシーンでも、できる人ほど工夫を続けていると思います。
投資においては、専用の情報端末が存在します。例えばトムソン・ロイター、ブルーム・バーグ、ファクトセットやクイックなどですね。通信社としてよく知られているこれらの企業ですが、ほとんどの機関投資家ないしは商社や専門業者は、これら情報ベンダーの「専用端末」があります。そこで見られる情報量は圧倒的です。プロ向けなので当然と言えば当然ですね。しかし、こういうベンダーとの契約は月10万円前後しますので、なかなか一般の個人投資家にとっては難しいです。

情報がマーケットという線上における「武器」と仮定すると、機関投資家は大砲やマシンガンを、個人投資家は小さな銃や刀を持っているようなものです。個人投資家が圧倒的に不利だということは間違いありません。だからこそ、勝てる投資家は、情報収集を工夫するのです。


◉情報の種類


多くの勝てる投資家が、投資情報収集の基礎としてインターネットを使用しているのは当然の事実でしょう。
実際に、私が取材し、親交を持ってきた多くの勝てる投資家が日経新聞すら購読していませんでした。その代わり、比較的高齢な方でも、パソコンのスキルが非常に高かった印象があります。

ある投資家の方がおっしゃられていた情報収集のコツがあります。それは、「情報の種類を見極める」ということです。情報には、一時情報、二次情報、三次情報があり、それぞれを伝える最適な媒体が存在します。
一時情報とは自分が実際に見て経験した情報です。次に二次情報とは、自分が別の誰かから聞いた話です。ある意味、ネットもここに含まれます。ツイッターやその他のSNSからの情報、またその他の記銘記事であっても二次情報です。そして、三次情報とは情報元が誰か分からないというもの。これはもはや、投資に世界においては情報といえないかもしれません。
スピード感のある情報処理を求められる個人投資家は、このような情報の性質を知り、知ったうえでスクリーニングし、活用しています。

また、グローバルな視野を得るためには、自分とは離れた視点を持つ人とコミュニケーションをとり続けることが条件となります。海外に住んだり、外国に友人を持ったりして、生の情報を得ている投資家も多かったです。

こうして、多様なソースから色々なものを見聞きして、そして、時に失敗もして、その情報抽出力を高めていく。この努力と経験が同時に必要なのでしょう。

ZUUonline編集部