投資の神様で有名なウォーレン・バフェットに勝るとも劣らない人物として米国をはじめ、世界の金融業界で今も注目される存在のピーター・リンチ。彼自身が運用したファンドの資産をわずか13年間で777倍にしたという伝説だけではなく、典型的な長期投資派として大きな成功を収めているということでも有名な存在だ。

同氏は自著で13に及ぶ投資銘柄選択の視点を公開しているが、その5つ目にあたるのが「機関投資家が保有しておらず、アナリストがフォローしていない会社」だ。今回はその内容について見ていくことにする。この視点もまさにピーター・リンチならではの長期投資のための目線ということになる。

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機関投資家が保有しておらず、アナリストがフォローしていない会社とは?

最近では新規のIPO案件になる株式でも、大型IPOならば機関投資家が最初から十分に注目する銘柄が増えているが、それ以外の新興銘柄などは必ずしも機関投資家が狙いを定めてこないケースも多い。また、アナリストがカバーしていない企業は意外に多いのだ。

一方で、国内外を含め、機関投資家がすでに株を保有していたいり、ある程度、すでに社会的に認知されている企業もある。しかし、そうした企業への投資では遅すぎるとリンチは指摘する。長期投資で花咲くためには、もっと早い段階から目をつけて財務状況をつぶさにチェックしておくことの重要さを強く示唆している。

新興株に多いリンチ好みの銘柄

ピーター・リンチの全盛期には新興市場というものがなかったので、通常の株式市場で目立たぬ銘柄をひそかにチェックしてリストアップしていたようだ。

現代であれば米国ならNASDAQ、日本ならマザースのような、機関投資家が買いに走らない、しかもアナリストがまともにフォローしていない企業の中にこそ本当のお宝が眠っている可能性があるというわけだ。

国内の株式市場でも新興市場から東証1部に鞍替えして、いきなり有望銘柄として機関投資家に注目される企業があるが、そうした早い段階で種をまくことをピーター・リンチは教えてくれている。

リンチが目をつける銘柄はじっくり長く持てる有望銘柄

ただし、新興市場に目をつけるといってもピーター・リンチは長期投資派の尖兵のような存在だから、しっかりとした財務状況の裏づけをとって投資に臨んでいる。

単に目立たないだけではなく、しっかりとした財務状況の裏づけがある企業をフィルタリングしているところに特徴がある。ある意味で俯瞰から見るだけではなく、個別企業の業況に入り込んでいることがわかる。

一過性のものとして見るのではなく継続して見続けること

早くから有望銘柄を探して投資していくということは、その後の成長プロセスについてもしっかり把握することが重要となる。ピーター・リンチのすばらしいところは、こうした地道なプロセスをしっかりと積み上げていることだ。

長期投資で着実に利益を上げている投資家が今も存在している点を見逃すことはできない。ピーター・リンチの投資法は選択の視点もさることながら、それを選び出し継続して株式を保有していく点に注目すべきだ。まさにこのプロセスこそが、ピーター・リンチ流の投資手法の結晶といえる。 (ZUU online 編集部)


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