つみたてNISA(積立NISA)はどのくらい儲かるの?利益のシミュレーションと知っておきたいこと
(画像=ZUU online編集部)

つみたてNISA(積立NISA)によって得られる利益は「投資金額」「運用期間」「商品リターン」の3つの要素によって決定します。例えば、毎月2万円を5年間積立した場合、年利3.0%ならおよそ9万円、年利7.0%でも23万円の運用益が得られます。基本的に運用が長期になるほど、複利効果で利益に利息がつき、さらなる運用益が見込みやすくなります。

つみたてNISAは、長期運用に適していると金融庁が判断した216本(2022年11月29日時点)の金融商品に限定されており、投資経験がない初心者や余裕資金が多くない人でも気軽に始めることができます。投資で得た利益には基本的におよそ20%の税金がかかりますが、つみたてNISAで得た利益は最長20年間にわたり非課税です。今回は、つみたてNISAの利益についてシミュレーションもしながら詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 利益は何で決める?
  • 実際にどれくらいの利益が出るのかシミュレーション
  • 商品を買うタイミング
  • 商品を売るタイミング
  • 利益を考える際の注意点

目次

  1. そもそも利益は何で決まる?大きく儲けるために必要なもの
  2. 実際にどれくらいの利益が出るのかシミュレーション
  3. いつ始めるべき?商品を買うタイミング
  4. どれくらい利益が出たら売るべき?売り抜けるタイミング
  5. 利益を考える際の注意点を考える

そもそも利益は何で決まる?大きく儲けるために必要なもの

そもそも利益は何で決まる?大きく儲けるために必要なもの

つみたてNISAの利益は大きく3つの要素から算出することができます。

  • 積立金額 × 運用年数 × 投資商品のリターン

積立する額

金融商品の利益を左右するひとつめの要素は、積立額です。つみたてNISAに充てられる額は、年間40万円で1ヵ月に換算すると3万3,333円までです。積立額が大きいほど投資元本も大きくなり、投資利益も大きくなります。

運用する年数

積立額のほかに、運用年数も大きく影響します。つみたてNISAは、長期投資に適した商品に限定されているのが特徴です。分配金をすぐに受け取らず運用を続けていくことで、利子にも利子がつき利益が増えていく複利効果が得られます。運用年数が長ければ長いほど複利効果が大きくなるでしょう。非課税になる期間は最長20年間のため、20年間を目途に運用するのがおすすめです。

投資する商品のリターン

リターンとは、資産運用で得られる利益です。つみたてNISAの場合、運用益がリターンになるでしょう。商品の種類や積立方法によってもリターンは異なるため、どれだけの利益が得られるかは一概には言えません。参考として、1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行った場合の結果を金融庁が算出しています。

その結果によると、保有期間が5年の場合、最大で12~14%のリターンを得ているものもあれば、-6~-8%のリターン(元本割れ)となっているものもあります。しかし、20年間保有した場合の収益率は、2~8%のリターンに収まることがわかりました。

保有期間5年と20年の場合のリターン
引用:つみたてNISAについて - 金融庁

リターンが2%あれば、例えば毎月1万円を20年間積み立てたとして、20年後には54.8万円の利益が出ます。この利益から、一般的な投資であれば20.135%の税金がかかり、実際に受け取れる額は少なくなりますが、NISAやつみたてNISAの場合利益をそのまま受け取ることができます。

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実際にどれくらいの利益が出るのかシミュレーション

実際にどれくらいの利益が出るのかシミュレーション

つみたてNISAでどれのくらいの売却益を得られるのか、実際にシミュレーションしてみましょう。なお、シミュレーション結果は運用成果を保証するものではなく、場合によっては元本割れになる可能性もあります。

毎月5,000円を10年積み立てた場合

モデル1:家計に余裕がなく、あまり投資に余剰資金を回せない若い世代

<毎月5,000円を10年間(合計60万円)積み立てたときのシミュレーション>

毎月5,000円を10年間積み立てたときのシミュレーション(年利3.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利3.0%の場合 9万8,707円 69万8,707円
毎月5,000円を10年間積み立てたときのシミュレーション(年利5.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利5.0%の場合 17万6,411円 77万6,411円
毎月5,000円を10年間積み立てたときのシミュレーション(年利7.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利7.0%の場合 26万5,424円 86万5,424円
引用:資産運用シミュレーション - 金融庁

毎月の投資額は、NISA口座を開設する金融機関によっても異なりますが、100円や1,000円単位で設定可能です。シミュレーション結果を見ると、月5,000円とそう大きな額ではないものの、長期にわたって運用することで、年利3.0%でもおよそ10万円、年利7.0%なら26万円の運用益を得られることがわかります。

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毎月2万円を5年積み立てた場合

モデル2:長期にわたる運用は考えていない人

<毎月2万円を5年間(合計120万円)積み立てたときのシミュレーション>

毎月20,000円を5年間積み立てたときのシミュレーション(年利3.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利3.0%の場合 9万2,934円 129万2,934円
毎月20,000円を5年間積み立てたときのシミュレーション(年利5.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利5.0%の場合 16万122円 136万122円
毎月20,000円を5年間積み立てたときのシミュレーション(年利7.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利7.0%の場合 23万1,858円 143万1,858円
引用:資産運用シミュレーション - 金融庁

5年間の積立の場合、年利3.0%ならおよそ9万円、年利7.0%でも23万円の運用益が得られます。さらに運用が長期になると、複利効果で利益に利益がつき、さらなる運用益が見込めますが、5年間の運用でもそれなりの運用益になるでしょう。

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毎月3万3000円を20年積み立てた場合

モデル3:非課税枠を最大限に利用したい人

<毎月3万3,000円を20年間(合計792万円)積み立てたときのシミュレーション>

毎月3万3,000円を20年間積み立てたときのシミュレーション(年利3.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利3.0%の場合 291万3,966円 1,083万3,966円
毎月3万3,000円を20年間積み立てたときのシミュレーション(年利5.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利3.0%の場合 564万4,111円 1,356万4,111円
毎月3万3,000円を20年間積み立てたときのシミュレーション(年利7.0%の場合)
運用益 最終積立金額
年利3.0%の場合 927万580円 1,719万580円
引用:資産運用シミュレーション - 金融庁

このモデルの場合、20年間で年利3.0%でも290万円、年利7.0%なら927万円の利益を出せるというシミュレーション結果となりました。つみたてNISAの利益は非課税のため、額面通りの運用益を受け取れることになります。もちろん、今から20年後もシミュレーション結果通りの利益が出るとは限りませんが、積立額と積立期間が長いと、得られる利益も大きくなることがわかります。

つみたてNISAのおすすめ証券会社ランキング

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いつ始めるべき?商品を買うタイミング

これからつみたてNISAを始めようと考えている場合、いつ開始するのが最適なのかということは気になる点だと思います。

「今後の株式市場はどうなるの?」「購入してから下がったらいやだ」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

結論からいえば、はやく開始したほうがつみたてNISAのメリットを活かせます。その理由は以下の2点です。

  • 年間の非課税枠が決まっている
  • 長期で投資するほうがリスクを軽減できる

つみたてNISAの年間非課税投資枠は40万円で、未使用分があっても翌年に繰越しはできません。そのため、多くの非課税投資枠を使うには早めに開始したほうがいいわけです。(証券会社ごとに方法は異なりますが、年の途中から開始した場合は増額して年間非課税投資枠を使い切ることもできます。)

また、購入した後に価格が下がるのが気になる方も、長期でつみたてることによりリスクを下げることができます。

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どれくらい利益が出たら売るべき?売り抜けるタイミング

どれくらい利益が出たら売るべき?売り抜けるタイミング

積み立てたお金を使うためには、投資していた商品を売却する工程を踏まなくてはなりません。では、どんなタイミングで売るべきなのでしょうか。

売るべき明確な金額はない

利益が出たという判断ができるのは、元本よりも積立額が上回ったときです。つみたてNISAは、好きなタイミングでいつでも売却できます。どのくらい利益が出たら売却すればいいのか悩むこともあるかもしれませんが、売るべき明確なタイミングはありません。ベストなタイミングは、各自の積立プランや家計などによっても大きく左右されます。運用益と合わせて、状況等も踏まえながら売却するタイミングを検討しましょう。

焦って売らないようにしよう

つみたてNISAは投資のため、大きく値下がりしてしまうこともあります。下がったタイミングで焦ってしまい売却してしまう人もいますが、おすすめしません。投資初心者の場合、下落したことでさらに大きな損害になることを懸念し焦ってしまいますが、大きな値下がりは社会情勢などによる一時的なケースもあります。最近では新型コロナウイルス感染症の流行により株価が下落しましたが、現在の株価は流行前よりも上昇した商品も少なくありません。

基本的には、お金の必要なイベントに合わせて売却を検討し始めるのがいいでしょう。ちょうどいいときに必ずしも利益が出ているとは限らないため、引き出したいタイミングの数年前から相場の状況をチェックしておき、利益が出ているときを見計らって売却するのがベストです。

非課税枠は決まっているため注意

これまで保有していた投資信託を売却し、新しい投資信託を購入することをスイッチングといい、投資の手段のひとつとしてよく使用されます。しかしつみたてNISAでは、スイッチングはおすすめしません。なぜなら、1年間の非課税投資枠である40万円は売却しても復活せず、追加で投資信託を購入する場合には追加で非課税枠を使うことになってしまうためです。非課税で投資できる額は多ければ多いほど有利になるのがつみたてNISAの特徴のため、非課税枠を消費するスイッチングはしない方がいいでしょう。

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利益を考える際の注意点を考える

利益を考える際の注意点を考える

リスクやコストなど、つみたてNISAの利益を考えるにあたり把握しておくべきポイントも解説します。

リターンが大きいほどリスクも大きい傾向がある

どんな金融商品にも、リスクとリターンがあります。金融商品のリスクとは、リターンの幅のことです。リターンの振れ幅が大きい金融商品をリスクが大きいと表現します。金融商品のリスクには、信用や価格変動、為替変動、国の情勢など、さまざまな要素がありますが、理解しておくべきは、リスクとリターンは比例するということ。リスクを最小限に抑えようとすると得られるリターンも小さくなり、高いリターンを狙うとリスクも大きくなります。リスクが低くリターンは大きい金融商品はないため、リスクとリターンを踏まえつつ、目的に合った金融商品を選ぶことが大切です。

運用手数料がコストとしてかかる

金融商品には、信託報酬という運用手数料がかかります。信託報酬とは投資信託を運用するための手数料です。投資信託は運用会社が銘柄の選定や売買を代行してくれており、当然ながら人件費や調査費、システムの費用といったものがかかっています。信託報酬は、それらをまかなうための費用です。つみたてNISAを利用している間、運用している資産から毎日信託報酬が差し引かれています。ただし、投資にかかるコストが抑えられているつみたてNISAの場合、信託報酬に上限が設けられており、負担が大きくなりすぎないのも特徴です。

つみたてNISAの信託報酬の上限

インデックス型投資信託(国内資産)…年0.50%以下
インデックス型投資信託(海外資産)…年0.75%以下
アクティブ型投資信託(国内資産)…年1.0%以下
アクティブ型投資信託(海外資産)…年1.50%以下
   出典:つみたてNISAについて   

つみたてNISAに利用できる金融商品は、一般的な投資信託よりもコストが低く抑えられており、年率0.10%以下のものもあります。

つみたてNISAの場合売買手数料はかからない

つみたてNISAでかかる手数料は信託報酬のみで、買付時や売却時には手数料はかかりません。また、つみたてNISAの信託報酬には上限があることに加え、同じ金融商品であれば、どの金融機関で運用しても一律です。つまり、つみたてNISAにかかる手数料は金融機関ではなく選択する投資信託により変わるということ。基本的に金融機関による違いはありません。

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非課税なので税金はかからない

つみたてNISAの大きなメリットは、運用益に税金がかからない点です。一般的に株式投資や投資信託などの資産運用で利益を得た場合、出た利益に対して20.135%の税金がかかります。

50万円の売却益が生じた場合の例
<課税口座>
50万円―(50万円×20.135%)=39万8,425円
<つみたてNISA口座>
50万円そのまま受け取ることができる

上記のように、同じだけの運用益があっても、税金がかかるか否かによって、受け取ることができる額には大きく差があります。つみたてNISAで得られる利益にも上限はなく、課税期間が終わるまでに得た運用益は、すべて非課税で受け取ることが可能です。

課税口座とNISA口座の両方で資産運用を行う場合、課税口座でリスクが比較的少ない商品を運用し、NISA口座でハイリスクハイリターンが狙える商品を運用すると、非課税のメリットが得られやすくなるでしょう。

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非課税なので損益通算もできない

特定口座や一般口座で投資をしている場合、複数の口座の利益と損失を合算する損益通算という仕組みを活用することができます。ひとつの金融商品で50万円の利益が出て、また別の金融商品で50万円の損失があった場合、相殺されて運用利益はなしとして税金を計算するのが損失通算の仕組みです。

ただし、損益通算が自動で行われるのは特定口座のみで、同じ口座内で同年中(1/1~12/31 受渡日ベース)に売買したもののみとなります。一般口座や他社口座との損益通算は確定申告をする必要があるので注意してください。

また、損益通算してもマイナスになる場合は翌年以降に損失を繰り越し、翌年の利益から損失を差し引く繰越控除という仕組みもあります。繰越控除ができるのは、最大3年間です。

しかし、つみたてNISAの場合、確定申告の対象外となっているため、売買損失はないものとなり、損益通算も繰越控除もできません

<AとBの2つの金融商品を運用しているときの例>
同年にAが-30万円の損失、Bが+20万円の利益が確定した場合

  1. 両方とも課税口座
    損益通算することで損益が10万円となり、税金はかからない
    損失は翌年以降の利益と相殺可能
  2. AはつみたてNISA、Bは課税口座
    損益通算できないため、損益が10万円となり、2万315円の税金がかかる
  3. 両方ともつみたてNISA
    損益は-10万円だが、税金はつみたてNISAのためかからない
    しかし、翌年以降の利益と相殺することはできない

損益通算や繰越控除といった仕組みを利用できないというつみたてNISAのデメリットも、事前に把握しておきましょう。

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