不動産投資というと、「投資金額が大きい」、「初心者には向いていない」といったイメージがあるのではないだろうか。

しかし、不動産投資の中にも少額で出来る方法はたくさん存在しており、やり方によっては大きく収益を上げることが可能だ。

少額から始める不動産投資の例を紹介し、資金が少なくても不労所得が得られる投資スタイルを紹介します。

不動産投資における少額とは?

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(画像=Thampapon / Shutterstock.com)

不動産投資には数千万円から数億円が必要な投資資金とされており、不動産投資では一般的に1千万円以下が「少額投資」と言われている。

インターネットや金融インフラが普及した結果、敷居の高いものであった不動産投資は、1万円から始められる手軽な投資へと変わりつつあるのだ。

では1万円から出来る投資といったら何を思い浮かべるだろうか。

少額からできる投資といえば、FXやバイナリーオプション、仮想通貨といった部類が人気の金融商品だ。

共通するのは「投資」ではなく「投機」という部分なのだが、「ハイレバレッジな取引」や「値動きが激しい」といったハイリスクハイリターンな取引となることから、なかなか資産を増やすのは難しい。

このような少額から投資できる金融商品(投機)とは一線を画す形で流行っているのが、少額から取引できる不動産投資である。値動きが激しい取引に比べて、不動産投資は安定しているのが魅力だ。

本来であれば不動産投資には平均数百万円以上の資金が必要だが、「共同出資」や「フルローン」、「不動産投資信託」といった形で、不動産投資にかかるコストが低下したことから、1万円という少額からでも投資できるようになったのだ。

以上の事から、通常の不動産投資では1千万円以下を、金融インフラやインターネットを使用した場合は1万円付近を「少額投資」と呼ぶことが出来るだろう。

1万円から始める不動産投資の手法を紹介

インターネットや金融インフラが発展したおかげで、少額から不動産投資が行えるようになったのだが、少額不動産投資を行ったことのない人とってはイメージがつきにくいだろう。

具体的に「少額不動産投資でどのように稼いでいくのか」その手法を見ると、

・クラウドファウンディング
・ソーシャルレンディング
・ローン借り入れ
・REIT

この4種類が代表的なものだ。それぞれの不動産少額投資の特徴をみていこう。

クラウドファウンディング

クラウドファンディングとは、インターネット上で出資者を募り案件に興味をもった方が出資できるという仕組みだ。

もともと何か事業を行いたい人と出資したい人でのマッチングサービスとして使われていたクラウドファンディングを不動産投資に生かした結果、少額で不動産投資を行えるようになった。

クラウドファンディングは細かく分類すると以下の4種類になる。

・寄付型クラウドファンディング
・投資型クラウドファンディング
・融資型クラウドファンディング
・購入型クラウドファンディング

「寄付型クラウドファンディング」と「投資型クラウドファンディング」は、少額不動産投資ではなく何か新しい事業を行いたい人が資金を調達する方法だ。

「融資型クラウドファンディング」は別名「ソーシャルレンディング」ともいい、後述する。

最後に残った「購入型クラウドファンディング」が少額不動産投資におけるクラウドファンディングとなる。

投資家たちが物件や利回りといった情報確認し購入したい分だけ購入する。

集まった金額が不動産の購入金額に届けば、みんなで不動産を所有できるという仕組みだ。

一人で不動産を購入すると全リスクを負わなければいけないためみんなで購入できるクラウドファンディング形式はリスクヘッジができるのがメリットだ。

しかし良い案件があまりでていないもしくはクラウドファンディングを提供している会社が不正を働いていたといったケースがあり、利益が少なかったり配当金がでねかったりというリスクもある。

ソーシャルレンディング

クラウドファンディングの所で記載したが、「ソーシャルレンディング」は融資型クラウドファンディングだ。

購入型のクラウドファンディングでは自身が不動産の所有者であったが、ソーシャルレンディングでは「企業」に投資家が貸し付けを行う。

ソーシャルレンディング先の企業は「年利3%から年利4%」といった具体的な利率を提示し、投資家の判断基準とする。

集めた資金を使って不動産事業全般を行い収益を得ることで、投資家に還元する仕組みだ。

購入型のクラウドファンディングでは物件を選定する必要があったが、ソーシャルレンディングでは、利率の良い企業を見つけて投資するだけでよいため、初心者から人気があるクラウドファンディングの一つとなった。

しかし、スルガ銀行の問題から発展したTATERU(ソーシャルレンディング企業)の顧客通帳改ざん問題や配当の支払い遅延問題など、ソーシャルレンディングには問題も多い。

ローン借り入れ

通常の不動産投資では頭金を入れてローンを組んで投資する形が多いのだが、フルローンという形をとることで、1万円から不動産投資を少額で行うことが可能だ。

自己資金を必要としないフルローンなため「自己資金が圧迫されない」というメリットに注目が行きがちだが、借り入れが大きくなるということは返済額も増加してしまうため、最終的に赤字になってしまう危険性もはらんでいる。

最近では、銀行の無茶な融資が問題となり、フルローンが組みにくくなっているという点も着目しなければならない。

REIT

REITは正式名称、不動産投資信託という。

REITの仕組みは、投資家が不動産投資法人に投資したお金を運用することで収益を上げ、分配金を還元する形だ。

不動産投資のプロに任せるため不動産に対する知識が少ない初心者でも投資ができたり、不動産投資会社の中でリスクヘッジしたりしてくれるのがメリットである。

しかし、プロに任せるということは、分配金から運用料をひかれたり、不動産投資会社そのもののが倒産してしまったりする本来の不動産投資には発生しないリスクが出てくる。

また「自分で物件を管理したい」と考えて不動産投資を始めた人にとっては物足りないものとなるため、あくまでも自分の時間を使わずに不動産投資を簡単に行いたい人向けだ。

少額から不動産投資を始めるメリット・デメリット

少額の不動産投資で得られるメリット

少額の不動産投資(1千万円以下の不動産投資)で得られるメリットとして代表的なものは次の4点だ。

・少額なのでその分リスクを抑えた不動産投資が可能
・いきなり本番の投資ではなく、「練習」として不動産投資をが可能
・副業という形で始めることが出来るため、専業として不動産投資をしなくても良い
・相場よりも少額で投資できたら、その分、高い利回りが期待出来る
・サラリーマンであれば少額不動産投資をおこなうことで節税が可能
・損益通算を行うことによって節税をすることが可能

いくら不動産投資を勉強したとしても、実際に不動産投資を行わなければ得られるものは少ない。

1千万円以下という少額から不動産投資をすることで実際の経験を積むことは非常に大切だ。

また最初から「不動産投資家として活動していく」という方ではなく、サラリーマンをしながら不動産投資を行っていくという方もいるだろう。

最初から1千万円以上に資金を使用して不動産投資を行い、投資結果が気になりすぐて本業が疎かになってしまっては元も子もない。

不動産投資はその性質上、時間がかかる性質なため自分が投資可能な範囲で資金を捻出することが大切だ。

「相場よりも少額で投資できたら、その分、高い利回りが期待出来る」こちらに関しては、少額から不動産投資をする際だけでなく、不動産投資全体で必ず考えなければいいけない項目となる。

投資の基本として、相場よりも安く仕入れて高く売るという考え方は利益を上げる際には重要なため、余裕があるのであれば少額からの不動産投資でなくとも考えていきたいところだ。

1万円からの不動産投資に関するメリットについても見てみよう。

前述した1万円から出来る少額不動産投資では、不動産投資に対する知識がなかったとしても簡単に投資ができるのがメリットだ。

また、副業を考えているサラリーマンにとっては、1万円という少額から始めることが出来るので、メンタル面の負担が少なく、遊びの延長線上で投資が出来ることもメリットといえる。

本来不動産投資は大金を使用するためリスクヘッジを行うのが非常に難しい。

例えばだが都内の国内不動産や地域の国内不動産、海外の不動産、マンション、アパートといった形でリスクヘッジしようと考えたらお金がいくらあっても足りないだろう。

しかし「クラウドファウンディング」や「ソーシャルレンディング」、「REIT」といった金融商品は大まかな仕組みとして一つの不動産をみんなで分けて所有するといった方法をとるためリスクを大幅に減らす事が可能だ。

リスクヘッジの他にも1万円から出来る不動産投資には「時間がかからない」といった魅力がある。

不動産投資をしようと考えたら真っ先にやらなければいけないのが「分析」だ。

取得単価や相場の計算、出口戦略、空き家対策、住居人の対応、節税といった様々な要因にたいして考えを馳せないといけないのだ。

専業で不動産投資をしているのならば良いがサラリーマンをやりながら副業として活動するとなると時間的にも精神的にも非常にきつい。

そういった方は「クラウドファウンディング」や「ソーシャルレンディング」、「REIT」をつかうことにより良い意味で「何も考えることがなく」不動産投資をすることができるので時間や精神面で安定することができる。

以上のように少額から始める不動産投資といっても様々なパターンがあるため自分にあったメリットから行う投資方法を選んでいこう。

少額の不動産投資で生じるデメリット

少額の不動産投資(1千万円以下の不動産投資)におけるデメリットとして代表的なものは次の2点だ。

・少額からの不動産物件は数が少ないため投資対象が限られてしまう
・築年数が古いものがメインとなってしまうため新築に比べて受けが悪い
・手数料が高いものは資金を余計にとられてしまうため運用効率が悪くなる

通常は1千万円越えの資金で不動産投資を行うため、物件の種類も価格が高いほうが多い。

投資対象が限られたとしても、しっかり利回りの良い不動産を探していくことが重要だ。

不動産の価値は新築のほうが当然高い。

従って、少額からの不動産投資で購入できる不動産はどうしても古い物件になってしまうことは否めない。

物件として最低限の部分が損傷していないか確認するのは必須といえるだろう。

メリットと同じく、1万円から出来る不動産投資のデメリットについても解説する。

不動産投資が少額で出来るようになったことから、FXといった金融商品と同様の枠で不動産投資を考える人が増加している。

しかし、分割や投資信託といった形で金融商品の中身が複雑になったり、分かりにくくなったりすることで、よく考えず雰囲気で少額不動産投資を行ってしまう人も出てきた。

雰囲気で投資してしまった人に待ち受けるのが、「損失」や「詐欺」。

少額不動産投資が出来るようになったからといって、すべてが儲かる金融商品ではないため、各金融商品の利回りの確認や分析は必要なのは変わらないという部分を失念すると、1万円といえど、損失してしまう可能性は高いだろう。

また、一番気をつけなければいけないのは「手数料」だ。

手数料は通常不動産投資では発生しないコストとなってしまうため、長期でみるとどうしても手数料分、収益が落ちてしまうことは避けられない。

複利運用という仕組みがあり運用益を更に運用の原資とすることで比例的に資産を増加させるのではなく指数的に資産を増加させる仕組みだ。

この複利運用をする際に「手数料」が大きな障害となってしまう。

例えば100万円原資年利10%で年間の利益が10万円だったとしよう。

手数料が0の場合は次年度から110万円原資で年間の利益が11万円となるが、手数料が5万円だと10.5万円が年間の利益となる。

1年の差だと5千円しか変わらないが10年や20年といった長期間になると数十万円や数百万円といった大きな差が発生してしまう。

「自身が本業で忙しく、不動産の勉強が出来ない」「リスクヘッジがメインで不動産投資にはそこまで興味がない」といった場合は大丈夫だが、自身で勉強していく気があるなら、現物の不動産投資も検討しておこう。

少額の不動産投資で利益を上げる施策とは

少額からの不動産投資は通常の不動産投資よりも扱う金額が少ないことから、利益の幅はどうしても低くなってしまう。

しかし、金額という面を他の部分でカバーすることで少額の不動産投資でも利益を上げることが可能だ。

少額の不動産投資で利益を上げる施策として代表的なものは以下の二つ。それぞれ解説していこう。

・資産価値を上昇させる
・付加価値を提供する

資産価値を上昇させる

不動産の資産価値を高めるには「リノベーション」がオススメだ。

大前提だが、汚い物件や、今にも倒壊しそうな物件には誰も住みたいと考えない。

しかし、古い物件だったとしても、内装をきれいにリノベーションしていたら「古い物件」が味となって資産価値が上昇する可能性がある。

注意しなければいけないのは、いくらリノベーションしたとしても、人があまり居住しない地域だと、資産価値を上げることは難しいため立地条件が良いことが前提だ。

またリノベーションやリフォームを行った場合は、老朽化が解消されたことから固定資産税が高くなってしまう場合もある。

税金面も含めて、リノベーションを行ったほうが最終的に利益が残るのか、やらずに運用したほうが良いのか、しっかり分析しなければいけない。

付加価値を提供する

少額の不動産投資で利益を上げる二つ目の施策が「付加価値を提供する」ことだ。

付加価値を提供するということは、自分が購入した不動産の価値以外の部分で価値を作らなければいけない。

実際にどういった例があるかというと「物件の間取りを変える」といった方法がある。

物件の間取りにも流行り廃りが存在しており、20年前であれば2DKが主流だったが、今では1LDKといった間取りが好まれる。

2DKの物件を1LDKにすることで、今までとは違う顧客にリーチできれば、付加価値が発生したことになる。

また物件のシェアハウス化も付加価値を付ける良い例だ。

シェアハウスには物件としての価値だけでなく、住人どおしの交流といった付加価値を創造できる。

多少古い物件だったとしても、補うだけのパワーを秘めている事も事実だ。

しかし、付加価値をつける際に気を付けなければいいけない部分もある。

それは時代をしっかり読んだ付加価値を付けていかないと、逆に資産価値を下げてしまうこともある。

今の時代に求められているものはなんなのか、ニーズ把握を徹底することが求められる。

少額の不動産投資をシミュレーションする

少額からの不動産投資におけるメリットやデメリット、利益をどう上げたら良いのかといった点を解説してきたが、実際に不動産投資をした場合どの様な結果となるのか。

投資をする際は実際いくらの利益が上がる可能性があるかシミュレーションするのはとても大切な作業。

ここでは少額の不動産投資を行うとどのような結果となるのか、シミュレーションする。

不動産投資における支出
・ローンの返済
・管理、修繕金
・保証手数料
不動産投資における収入
・賃料
少額からの不動産投資の例
販売価格 1,000万円
頭金 200万円
ローン 800万円

今回の例で仮に30年間で償還される場合で、賃料が6万円とする。

収入例
賃料6万円×12か月=72万円
支出例
・ローン返済(利率3%の場合) 4141979円(30年)
・管理、修繕金6万円(年額)
・保証手数料5万円(年額)

今回の収入例と支出例から、年間利益は471934円である。

最初の自己資金が200万円のため、年利23%の利益をだすことが可能だ。

また、30年間で償還が完了した後はローン返済がなくなるため、最終的に年利30%に上げることができる。

30年という長い間では、物件の資産価値の低下や大規模修繕の必要性など、その他の要因も必要になってくるため、投資初期段階で計算することが重要だ。

少額の不動産投資

少額から不動産投資に取り組んで不労所得を獲得しよう

今回は少額から不動産投資に取り組む方法やメリット、デメリット、実際に少額不動産投資を行った際にどの様に利益を上げていくかといった部分を解説した。

少額で不動産投資を行うことが出来るようになったが、通常の不動産投資を行うやり方と同じく最初に分析を行うことが重要だ。

少額といえども1万円から投資可能な「クラウドファウンディング」や「ソーシャルレンディング」、「REIT」は副業に最適、1千万円以下の不動産投資は収益UPの施策を自分でとらなければいけない結果となった。

確かにどちらも「不労所得」ではあるが1万円から投資可能なものは「お金はかかるものの収益性が低い」、1千万円以下の不動産投資は「最初に時間や労力がかかるものの収益性が高い」という特徴をそれぞれもっている。

どちらを選択するかは個人の職業や資産状況、時間的余裕などによって異なってくるため自分に最適なものを選択することが重要だ。

また少額から始める不動産投資ではローンを活用するももが多いため頭金を多く入れるタイプと違ってリスクは高い。

しかし物件を短期的に売買することによってわらしべ長者的に資産を増やすことも可能だし、企業がテナントに入り長年契約してくれるのなら長期での安定収入が見込める。

こちらもどちらのスキームを選択するかは個人によって様々である。素早くかせぎたいのなら前者、じっくり不労所得を得たいのなら後者だ。

いずれの形にしろ少額で不動産投資を行うのだから通常の不動産投資とは違った目線を持たなければならない。

1千万円以下の少額からの不動産投資ではただ単に不動産収入を上げることだけでなく、自分が所有している物件の「資産価値」や「付加価値」を上手く上げながら、投資を行うことで、うまく利益を上げてみてはいかがだろうか。