本記事は、内藤誼人氏の著書『「なまけもの」のやる気スイッチ』(総合法令出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

目標
(画像=Smile Studio AP / stock.adobe.com)

目標は1週間ごとがベスト

元日とか、自分の誕生日のような特別な日に、私たちは頑張って努力をしようという気持ちになります。

これをアメリカにあるペンシルベニア大学のヘンチェン・ダイは、「フレッシュ・スタート効果」と名づけました。

特別な日には、自然にモチベーションが上がるのです。

これを活かさない手はありません。

といっても、元日や誕生日や結婚記念日は1年に1回しかありませんので、特別な日をもっと増やしたほうがいいでしょう。

一番いいのは週ごとの目標を立てることです。

毎週月曜日に新しいスタートを切ると決めておけば、毎週頑張ることができます。

毎週月曜日を自分にとっての特別な日としておけば、月曜日がくるたびにフレッシュ・スタート効果が起きます。

週ごとのスケジュールで行動するようにすると、そのうちに月曜日になるたび、自然とやる気が出てくるようになります。。「さて、今週も頑張ろう」というフレッシュな気持ちが、心に湧いてくるのです。

前の週に目標達成に失敗したとしても、週末にはいったんすべてをリセットしましょう。

すべてを忘れ、月曜日にはまた新たに目標を立てるのです。

取り組むべき課題が非常に大きい場合、1週間ではとても達成できないことがあるかもしれません。

こんなときには、まず大きな目標を、週ごとにクリアできるくらいの小さな目標に分割してみてください。どんなに大きな目標もいくつかの小さな目標に分割し、1週間単位でひとつずつ取り組めるようにしておきましょう。

1週間を目安に小さな目標、1か月を目安に中くらいの目標、半年から1年をかけて大きな目標、というように分割するのがよいと思います。

目標を立てるのがヘタな人は、大きな目標しか立てないのが悪いのです。大きな目標をいきなり達成するのはムリですから、できるだけ分割して、1週間でクリアできる小さな目標に変えていくのがコツです。

毎週月曜日は自分にとってのフレッシュ・スタートの日です。

月曜日にはダラダラしてしまう人も多いと思うのですが、フレッシュ・スタートの日と決めておくと、月曜日から絶好調で仕事に取り組むことができるでしょう。

ポイント
目標を立てるなら一週間がベスト
週ごとに目標を立てるとやる気がキープできる

テンションが上がる音楽を聴く

テレビで国際大会の中継を見ると、水泳選手でも、体操の選手でも、フィギュアスケートの選手でも、試合前には選手たちがイヤホンでお気に入りの曲を聴いている姿を見ることができます。

選手たちは、「この曲を聴くとテンションが上がってくる」という自分なりの曲を選定し、試合前にそういう曲を聴いて、気分を盛り上げたり、あるいは不安を払拭したりしようとしているのだと思われます。

この方法は、アスリートだけでなく、私たちのような一般人にも役に立ちます。

自分なりのテンションを上がる曲を選び、仕事をするときにその曲を聴くのです。アスリートがやっていることからもわかる通り、この方法はとても効果的です。

イギリスにあるキングストン大学のレイチェル・ハレットは、ジムや公園をジョギングしている50人(平均43歳)にお願いして、そのうちの半分の人には、6か月間、運動は何でもいいので、運動前に自分のモチベーションを上げる曲を聴いてもらいました。曲は自分で好きなものを選んでよいということにしました。残りの半分の人には何も求めませんでした。こちらは比較のためのコントロール群です。

『「なまけもの」のやる気スイッチ』より引用
(画像=『「なまけもの」のやる気スイッチ』より引用)

6か月の間、週ごとに自分の運動についての測定をしてもらったところ、上の表②の通り結果が得られました。

大好きな音楽を聴くと、運動しようというモチベーションが高まるということがよくわかります。

運動をするのは苦しいと思うのですが、それでも好きな音楽を聴いていると、たくさん運動しようという気持ちが生まれるのです。

テンションを上げるという目的からすれば、しっとりとしたバラード曲よりも、アップテンポの陽気な曲のほうがよいと思いますが、もちろんどんなジャンルの曲でもかまいません。

自分なりに「この曲を聴くと、いっぺんにテンションが上がる」という曲を選ぶといいです。「これから大切な商談がある」というときには、大好きな曲を聴きながら相手先の会社に向かいましょう。そのほうがモチベーションも上がって、商談がうまくいく可能性がアップします。

ポイント
テンションの上がる曲を選んでおく
やる気を出したいときにその曲を聴く
「なまけもの」のやる気スイッチ
内藤 誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。
社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。
趣味は釣りとガーデニング。
著書に、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』『世界最先端の研究が教えるすごい心理学』『世界最先端の研究が教えるもっとすごい心理学』(以上、総合法令出版)など多数。
その数は200冊を超える。

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