この記事は2022年1月28日にSBI証券で公開された「<乱高下の東京市場>株価下落の好決算銘柄に買い好機?」を一部編集し、転載したものです。

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SBI株価下落の好決算銘柄にチャンスあり?
(画像=PIXTA)

日経平均株価が下落基調だ。1月5日(水)の終値(年内高値)から、1月27日(木)の終値までの下落率は10.8%に達し、調整局面に入った可能性がある。重要な下値メドに到達するなど、値ごろ感がでてきたことから、1月28日(金)は反発したが、インフレ高進や金利上昇に対する市場の懸念は続いており油断は禁物だ。

上場企業の決算発表が本格化。今回は、株価が下落したものの、好業績が確認され、上昇基調が期待できそうな銘柄をピックアップしてみた。

目次

  1. 1. 大荒れの東京市場
    1. 1.1. 日経平均は安値水準に
    2. 1.2. FOMCの方針は市場予想を上回る?
    3. 1.3. 日経平均の下値メド
  2. 2. 株価下落後に好決算を発表した銘柄は?
    1. 2.1. 注目すべき3つのテクニカル指標
    2. 2.2. 銘柄をスクリーニングしてみた

1. 大荒れの東京市場

1.1. 日経平均は安値水準に

日経平均株価は1月27日(木)の取引時間中に、前日比966円下げる場面がみられた。終値は2万6,170円30銭(前日比841円3銭安)となり、2020年11月24日(火)以来の安値水準になった。

年初からの株価下落の要因は、米国を中心にインフレ進行や金利上昇への懸念が強まってきたためだ。さらに、米国時間1月26日(水)に結果が発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の内容や、パウエルFRB議長の会見が「タカ派的」との印象が強い内容だったため、翌27日(木)も東京株式市場は大荒れだった。

1.2. FOMCの方針は市場予想を上回る?

FOMCは今回「予定通り量的緩和を3月上旬に終わらせ、政策金利は据え置く」とした。しかし、次回3月の会合では利上げに踏み切る方針であることを示唆。これについては、市場予想の通りだった。

ただし、労働市場の強さやインフレに対するFRB(米連邦準備制度理事会)の警戒感は相当に強い、という印象を受けた。

これまで、年内の利上げ回数について、FOMCメンバーは3回、市場は4回を予想していた。しかし、FOMCは市場の予想を「追認」したような内容であるうえ、市場の一部にある「1回につき0.5%の利上げがありえる」という見方を否定していないぶん、市場よりもタカ派になったといえる。さらに、資産について「大幅に圧縮する必要がある」という見方を示した。

つまり、FRBによる利上げの回数や幅は、ともに市場予想を上回る可能性がでてきたということだ。

1.3. 日経平均の下値メド

1月27日(木)の株価急落で、日経平均株価は以下のような下値メドに到達した。

2万6,449円:1月5日(水)の取引時間中、2万9,388円(高値)から10%下落した水準
2万6,284円:25日移動平均線から−7%の乖離

1月27日(木)時点で、日経平均株価のRSIは「売られ過ぎ」の目安である30%を下回り、24.62%まで低下してきた。翌28日(金)は反発。上記の下値メドに到達するなど、値ごろ感がでてきたことが要因かもしれない。しかし、市場のインフレ高進や金利上昇に対する懸念は続いており、依然、油断は禁物だ。

2. 株価下落後に好決算を発表した銘柄は?

2.1. 注目すべき3つのテクニカル指標

株価が大きく下がり「下げ過ぎ」を示唆した時、次の3つのテクニカル指標が当面の「底値」になることが多い。

1:日経平均株価が25日移動平均線から−7〜−8%の乖離
2:RSIが「下げ過ぎ」を示唆する30%未満まで低下
3:騰落レシオ(25日)が70%未満まで低下

今回の下落局面では、1と2は満たしたといえる。3については、日経平均株価が101.8%と、水準に達していない。3は25日間の「値上がり銘柄数合計」を「値下がり銘柄数合計」で割って求められる。

騰落レシオが「下げ過ぎ」を示唆する70%未満に達していないということは、日々の値下がり銘柄数が依然として高水準を維持し続けるリスクがあることを示唆している。

つまり、日経平均株価が当面の「底値」に達した可能性はあるものの、銘柄の選別には引き続き注意を払うべきだ。東京株式市場では決算発表シーズンが本格化してくる。決算発表前の銘柄にリスクを取るよりも、決算発表で好業績が確認された銘柄を中心に投資対象を検討する方が、堅実だろう。

2.2. 銘柄をスクリーニングしてみた

そこで、次の条件で銘柄をスクリーニングをしてみた。

● 東証1部上場銘柄
● 時価総額1,000億円以上
● 3月決算銘柄
● 1月27日(木)までに2022年度3期第3四半期決算を発表
● 同四半期の営業利益が事前の市場コンセンサスを上回っている
● 同四半期(累計)営業増益率が通期の会社予想営業増益率を10%超上回っている
● 1月5日(水)〜1月27日(木)の株価下落率が10%超え

下に掲載する2つの図表にある銘柄は、上記すべての条件を満たしている。掲載の順番は、営業増益率が高い順となっており、ここでは、これらについて「株価は下落したものの、好業績が確認され、今後上昇基調が期待できそうな銘柄」であると考える。

株価が1/5(水)から10%超下落したものの、好決算が確認され、株価上昇が期待できそうな銘柄 株価が1/5(水)から10%超下落したものの、好決算が確認され、株価上昇が期待できそうな銘柄
(画像=SBI証券)
「図表1」の銘柄の主要指標
(画像=SBI証券)

▽当記事の内容について、著者が動画で詳しい解説を行っています。あわせてご視聴ください

鈴木 英之
鈴木 英之
SBI証券 投資情報部長
・出身:東京(下町)生まれ埼玉育ち
・趣味:ハロプロの応援と旅行(乗り鉄)
・特技:どこでもいつでも寝れます
・好きな食べ物:サイゼリヤのごはん
・好きな場所:秋葉原(末広町)
ラジオNIKKEI(月曜日)、中部経済新聞(水曜日)、ストックボイス(木曜日)、ダイヤモンドZAIなど、定期的な寄稿も多数