がん,乳がん,ステージ4
(写真=PIXTA)

乳がんを患っているタレント・キャスターの小林麻央さんのブログが話題を集めている。最近もがんが「ステージ4」であることを表明してニュースになった。

がんなどの難病にはその進行度合いによってステージと呼ばれる段階があるが、ステージ4とは一体、どの程度深刻なのだろうか。

小林麻央さんの病状について

小林さんの乳がんについては、2016年6月9日の夫・市川海老蔵さんが記者会見をしたことで世間に知られることとなった。

この時点ですでに闘病生活が1年8カ月を迎えているとのことだった。つまり、もうすでに2年近くも闘病生活を続けている計算になる。

最近では小林真央さんは自身のオフィシャルブログ「KOKORO.」を公開し始めて、その日々について綴っている。その中のエントリ「心の声」では自身がステージ4であることを明かしています。

がんの進行度とステージ

がんはその進行度合いに応じてステージと呼ばれる段階が設けられている。ステージはアラビア数字の「0」から「4」まであり、数字が大きくなるほど進行度合いは深刻だと言える。ステージ毎の違いは以下の通りだ。

・ステージ0:がん細胞が粘膜内にあり、リンパ節には移転していない
・ステージ1:がん腫瘍が少し広がり筋肉層まで届いているが、リンパ節には移転していない
・ステージ2:がん腫瘍が筋肉層を超えている、またはリンパ節に転移し始めている
・ステージ3:がん腫瘍が広がり始めており、リンパ節転移もみられる
・ステージ4:がん腫瘍が離れた臓器へ転移している

なおこれはがんの種類によって異なるため、あくまで目安として欲しい。小林さんはこの中で「ステージ4」にいる。早い段階でがんについては明らかになっていたが、進行度が早くがん転移が進んでしまったようだ。

がん治療はステージ毎に異なる。数字が大きくなるほど治療は難しくなり、生存確率も低くなってしまう可能性もある。そこでどのような治療が行われているのかについて見ていくこととしよう。

がん治療の3つの手法

現在の医療現場ではがん治療のために主として3つの治療法が用いられている。それが「抗がん剤」「放射線治療」「手術」だ。

抗がん剤治療とは抗がん剤を服用して、がん細胞を死滅させたり、増殖を抑えたりする治療法だ。全身に作用するため、手術などで治すことができないがんに対しても有効な手段として用いられることが多い。

抗がん剤治療は全身に影響を与えるため、正常な細胞にも悪影響を与えるケースがある。いわゆる、副作用だ。それによって手足のしびれや、脱毛などが見られることもある。

次に放射線治療とはがん細胞に対して放射線を当てることでがん細胞を死滅させることができる治療だ。局所療法として用いられており、体に負担を掛けずに治療をすることが可能になっている。

だが、放射線治療は必ずしも全てのがんに有効という訳ではない。また患部周辺の正常な細胞にも少なからず影響が出てしまい、かゆみや倦怠感などの副作用が生じる場合もある。

3つ目に手術がある。これはその名の通りがん腫瘍を摘出して、それ以上の転移を防ぐ内容だ。完全にがんを取り除くことができれば、がんから回復することもできる。

一方で患者には負担がかかるため、年齢や体力などにも手術の成否に影響を与えることになりかねない。また患部を摘出するため、その臓器の機能が失われることも珍しくない。

このように現在では根治、延命、緩和のどれかを目的として3つの手法がとられることになっている。

主な抗がん剤メーカーは?

がん治療に使われる抗がん剤の製薬メーカーでトップ3が「中外製薬」「アストラゼネカ」「ノバルティス」が挙げられる。

中外製薬 <4519> は国内で最もシェアが高い製薬会社だ。ラインアップも充実しており、2007年に承認された「アバスチン」や、「ハーセプチン」などが有名である。とにかく抗がん剤領域では群を抜いて強いメーカーで、革新的な医薬品の開発をして医療に貢献している。

続いてはアストラゼネカだ。こちらも抗がん剤領域で高いシェアを誇っている製薬会社である。肺がん剤で有名な「イレッサ」を開発している。英国に本社を置いており、ヨーロッパでも強いメーカーである。

最後にノバルティス・ファーマである。こちらは世界中へ医薬品を提供するグローバル製薬メーカーである。「グリベック」などの商品で有名な企業。スイスに本社があり、国際的にも強い製薬会社である。

このほかにも武田製薬や大鵬製薬、ファイザー社などもあるが、抗がん剤領域で強いのは先述の3社である。

真偽のほどは確かではないが、日本人はがんになりやすいという声もある。その分、がん医療が発展してきた。ビジネスパーソンの方々は、自身の健康に気をつけて仕事に励んでもらいたい。そして小林さんの回復を祈るばかりである。(吉田昌弘、ライター)

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