②承継者(子供)の教育費


ドクターになる理由を医学部の学生に聞けば「親が医師だから」という理由が50%以上といわれています。ということは子供は医学部に入学すると考えておくべきです。また、先述のとおり、医師家系が多く、それを絶やさないということも先代ドクター達の遺志であるはずです。
ということは子供に医学部に入学させる資金が必要になってきます。

では、ドクターの万が一の場合を踏まえて、日ごろ、この教育資金にはどのように対策していけばいいのでしょうか。

まず、小学校入学から研修医期間を終えるまでどれくらいのお金が必要なのかを考えてみましょう。
全て私学として、大学の医学部に入学・卒業(研修医期間含む)までの学費が約3300万円、それまでの小学校から高校卒業までに1000万円。そして塾や予備校の学費(年間約100万円)を入れると5000万円以上は必要と考えられます。

それを効率よく準備するとすれば終身死亡保険でしょう。
例えばドクターに終身で死亡保障をかけます。死亡すればその保険金から教育費も先に述べた相続対策や借入金の返済にも充てることができます。
そして、万が一のことが起きなければ、解約返戻金を使って学費に充てることができます。解約しなくとも契約者貸し付けを使えば保障を途切れることなく必要な資金を使えます。もっとも、私の経験では契約者貸し付けを使われるような、資力がひっ迫しているドクターは、今までにいなかったということを付け加えておきます。


③引退後の生活に必要な金額


ドクター夫婦の老後の資金で必要な額を聞くと一カ月50万円超と一般家庭の36万円と比べ大きくなっています。

医師会の年金制度もありその額を前提で、算出します。これについてはもともと大きな資産がありますから、特に老後に必要な資金のための準備ということはそれほど必要ではないのかもしれません。

ドクターという仕事は、国民の健康を守るという、大きな責任とプレッシャーを感じるしごとです。それは事業会社のオーナーが持つプレッシャーと遜色の無いものでしょう。また、これほど自分自身の仕事に対して専門性を必要とされ、なおかつ追及していかねばならない仕事はないのではないでしょうか。加えて、日々大変な忙しさに身を置いています。

そして、こういったことから、ドクターには自分や家族の財産について如何に保全し承継し、また運用していくかということまで考える余裕が殆どないと言っていいでしょう。
ドクターの財産に対する要望をスムーズに遂行し達成させるためには、いかにより良い税理士や銀行の営業マン、そして生命保険の営業マンといった金融コンサルタントに恵まれるかということに尽きるかと思います。

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富裕層のための保険講座vol2『主な生命保険とその特徴』
富裕層のための保険講座vol3『法人における保険加入の方法とメリット』
富裕層のための保険講座vol4『事業と家族を守るために富裕層の加入すべき保険の考え方』
富裕層のための保険講座vol5『3大オーナーの一角、ドクター保険の世界』
富裕層のための保険講座vol6「個人年金保険の種類と活用方法」
富裕層のための保険講座vol7「同じような保障でも保険会社で違う保険料金の仕組み」
富裕層のための保険講座vol8「生命保険の加入(販売)チャネルの比較とまとめ」
富裕層のための保険講座vol9「超優秀な営業マンの見分け方」
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BY NAD

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