厚生年金,加入条件
(写真=PIXTA)

厚生年金は、どのようなものなのか正確に理解しているだろうか。厚生年金は給与から天引きされていることは知っているという方も多いだろう。しかし、その保険料を支払うことで、どのようなメリットがあるのか説明できる人は少ない。今回は、厚生年金加入の要件から、メリット、デメリットを解説していく。


厚生年金とは

厚生年金とは、国民年金と同様「公的年金」の一つである。その他、公務員などが加入する共済年金を入れて、これら3つが公的年金と呼ばれている。

それ以外の年金制度は「私的年金」と呼ばれ、区別されている。公的年金は加入の義務のある年金制度であり。国民年金は20歳以上60歳未満の国民全員が一律の保険料を納める。

一方、厚生年金は加入の義務のあるものではあるが、それは「会社に勤める場合に」加入する義務を負うものである。つまり、こちらは全国民ではなく厚生年金に加入する要件を満たしているものの加入が義務付けられているということである。

社会保険と聞くと、まず健康保険を連想する方も多いかもしれないが、厚生年金も社会保険の一つである。毎月の給与から、所得に応じた保険料が天引きされる。

厚生年金の加入条件を満たす基準は

まず、勤務先が社会保険の加入義務のある事業所かどうかという基準がある。「常に5人以上の従業員が勤務している事業所であること」「国や地方公共団体、法人であり、常時雇用されている従業員がいること」の二つを満たしている場合には、「強制適用事業所」と呼ばれ、社会保険の加入が義務付けられている。

あなたが、これらの要件を満たした事業所で勤務している場合には、厚生年金に加入することとなる。つまり、会社に勤めるサラリーマンであれば、通常はこれらに該当するため加入条件を満たしているということだ。

それに加え、週の勤務時間、雇用期間によっても加入要件がある。パートやアルバイトの場合を考えてみよう。昨年2016年10月に社会保険の加入対象が拡大されたことは記憶に新しいだろう。

従来は週30時間以上の勤務を行っているものが対象であったが、今回の改正により週20時間以上勤務するもので、ひと月8万8000円以上の賃金が支払われている場合に社会保険の対象となった。ただし、学生や雇用保険が1年未満の場合、現在75歳以上、勤務先の会社の従業員数が500人以下の場合は対象外である。

厚生年金に加入するメリット

厚生年金に入るとどのようなメリットがあるか、考えたことがあるだろうか。今まで配偶者の扶養として勤務時間や収入を調整していた方もいるだろう。たしかに、今回の改正はそうした働き方を見直さなければならない、厄介なものと思う方もいるかもしれない。しかし、厚生年金のメリットはかなり大きいということを忘れてはいけない。

厚生年金の保険料は、事業所と折半となっているという点が何と言っても最大のメリットであろう。つまり、会社で勤務をしている期間は保険料の面で優遇されているのだ。加えて、その保険料には国民年金の納付も行われているので、自身の老後に支給される年金額が増えることになるのだ。

厚生年金のメリットはそれだけではない。老後に受け取る年金を老齢年金と呼ぶ。実は、それだけが年金ではないのだ。遺族年金、障害基礎年金という言葉を聞いたことがあるだろうか。

遺族年金とは、被保険者が亡くなった際に配偶者や子どもに対し支払われる年金である。国民年金のみに加入している方は、自身の子どもと子どものいる配偶者のみである。つまり、子どものいない配偶者には支給されず、子どもが18歳になって初めての3月31日を迎えると支給は停止してしまう。対して厚生年金は、対象が配偶者、子どもに加え孫や親、祖父母までが対象なのだ。加えて、支給停止もない。

障害年金は、被保険者が障害を負ってしまった場合に支給される年金である。こちらも、国民年金が障害1級、2級であることが支給要件なのに対し、厚生年金では3級の場合でも支給される。

厚生年金に加入するデメリット

では、厚生年金にはデメリットはないのだろうか。

今まで扶養の範囲内で勤務していたパートの人が保険料を納めることになった場合、上記メリットはもちろんあるが、手取り金額としては減少することが考えられる。自身の将来設計を考えながら、働き方を見直す必要があるだろう。

また、厚生年金の支給額の計算方法が難解であることもデメリットと言えるかもしれない。国民年金は加入期間が、その支給金額に影響を与える。厚生年金は、それに加え給与や賞与の金額が影響してくる。計算式も複雑であり、個人が自身の正確な支給額を算出するのは難しい。

忘れがちな申請に注意

受給を開始する際に、絶対に忘れてはいけないものがある。それは、申請だ。今まで年金を納めてきても、申請をしなければ年金は一切支払われないのだ。支給の年齢が近づくと、日本年金機構から書類が送られてくる。そこに記載されている内容が、自身の年金手帳などの記録と一致しているか、まず確認してほしい。そして、必ず申請を行う。今まで長い間納めてきた保険料を無駄にしないためにも、日頃から自身の加入期間を確認しておき、時期が来たらすぐに申請を知ることを覚えておこう。

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