(本記事は、horishinの著書『ズボラでも絶対できる 不労所得生活!』ぱる出版の中から一部を抜粋・編集しています)

労働は美徳という考えを捨てる

ビジネスマン
(画像=PIXTA)

日本の税収では、労働者(法人含める)から得られる「所得課税」と、モノ・サービスの消費に係る「消費課税」が全体の86%を占めます。

ということは、あなたのような一生懸命汗水たらして働いているサラリーマンが日本を支えているわけです。給与から無意識のうちに天引きで税金を取られるサラリーマンは、格好の税収源となるのです。

この天引きを可能としているのが、「源泉徴収」です。私たちサラリーマンは、毎月の給与から、所得税や住民税などが差し引かれます。そして、「年末調整」で払いすぎた税金が戻ってくるため、表面上は税金の煩わしい手続から解放してくれる便利な制度に見えます。

一方、アメリカでは、サラリーマンであろうと自営業者であろうと、全国民が確定申告をするので、「アメリカ人は税金に対する意識が高い」という話を聞いたことはないでしょうか?実はそのアメリカでも、給料から税金の源泉徴収はされています。でも、アメリカでは、源泉徴収で払いすぎた税金を取り戻すには、「確定申告」する必要があります。

日本では、申告に代わる簡易な制度として勤務先である会社が「年末調整」をやってくれますよね。マイホームを買ったとか、医療費が多くかかったとか、特別な事情がない限り、確定申告をする必要がほとんどありません。

そういった日本特有の「源泉徴収+年末調整」という制度が、私たちから税金の仕組みを知る意欲を阻害しているのです。

日本でも、全員が毎年確定申告をする必要があったとしたら、税金の仕組みをもっと知りたいと思うし、納税額も自覚するようになるはずです。

かくいう私も、サラリーマン時代で不動産投資を経験していない頃は、源泉徴収票を見ても、手取り額しか気にせず、「たくさん引かれているな〜」くらいの意識しかありませんでした。

ずっとサラリーマンをしてきたあなたは、どうでしょうか?自分の支払っている税金額を詳細に把握していますか?

単刀直入に言うと、ちゃんと把握している人は、ほんの一握りではないでしょうか?

仮に把握していたとしても、「税金を取り返す」という意識を持っているでしょうか?私はぶっちゃけ、「NO」という人が、9割以上占めると思っています。この現状は、税金を徴収する側である国にとっては、好都合としか言いようがありません。税金を漏れなく、しかも多めに徴収できるわけですから。

そういう裏事情がある中、税金に関心がないサラリーマンが日本からいなくなったとしたら、日本という国は成り立たなくなってしまいますよね。

間違いなく日本は、税金に無関心で勤勉なあなたの「労働」に支えられているわけです。

そういった背景から、日本では「労働することが美徳」という思想が、幼少期から教育を通じて植え付けられています。

あなたも、学校教育で「働くことはすばらしい」と、無意識のうちに教わってきました。みんなと同じように真面目に授業に参加し、みんなと同じように宿題を期日までに提出します。

そうです。「集団行動」の美徳化です。みんなと同じように行動することが、教育現場では褒められます。少しでも他の子と違うようなことをしようものなら、否定が待っています。

その「集団行動」の美徳化の延長線上に、「労働」の美徳化があります。みんなが就職するから。みんなが働くから。みんながサラリーマンになるから。

面白い説があります。「ルールを守るドイツ人。みんながやっているからといって合わせる日本人」です。

ドイツ人はルールに従って行動します。

一方、日本人はルールに従っているようで、実はルールを守ろうとしているのではなく、「周りと同じようにしなきゃ!」という心理で動いている場合が多いと言われています。

例えば、「あの薬よく聞くんだよね〜」と聞けば、「みんなが良いって言っているのだから、いいんだよね!」と、何も調べずに良いものだと決めつけるのが日本人。一方、ドイツ人の場合は、周りが良いと言っていても調べます。

さらに例を挙げると、吸ってはいけないのに路上でタバコを吸う人がいたとしましょう。

ドイツ人なら、「ここで吸ってはいけないルールとなっているので違う場所で吸ってください」と言いますが、日本人の場合は「誰もここで吸ってませんよ?」みたいな感じの言い方になります。

日本人の「みんな意識」の最たるフレーズがあります。「赤信号、みんなで渡ればこわくない」(笑)。このフレーズ、あなたも聞いたことがありませんか?

「みんな○○するから、私も○○する」。これは一種の洗脳です。その洗脳状態では、「みんなが労働するなかで、私は労働しない」となると、周りから白い目で見られる気がしませんか?つまりあなたは、「労働しないことは悪いことだ」と、洗脳されているのです。

GWなど休暇が長すぎると、「なんか働かなきゃいけない」と思いませんか。あるいは、長期休暇明けの仕事は、気が重くないでしょうか。

欧米人であれば、長期休暇でリフレッシュして、「リフレッシュしたし、さあ仕事をがんばろう!」となります。

一方、日本人であれば「なんか働いていないと落ち着かない」、あるいは「連休明けの仕事は気が重い」という人が多いですよね。

この状況を見ると、「本当は労働したくないのに、労働=美徳という潜在意識の中でもがいている日本人」が見てとれます。

まさに、「労働=美徳」という洗脳からきている罪悪感ですよね。

難しい計算式などは割愛しますが、不労所得の鉄板である「不動産所得」と「株の配当所得」は、世界的に見ても日本は税金が優遇されています。

1億円超の日本における株の売却益に対する税金は約20%で、フランス60%、アメリカ約30%、イギリス約28%と、先進国の中でかなり低い水準です(各国最高税率を記載)。

不動産所得に関しても、法人を活用すれば、優遇は他国を圧倒しています。

ということは、多くの人が不労所得生活に移行してしまうと、日本の税収を支える労働者が相対的に少なくなり、税収が大きく低下してしまいます。

それでは、日本政府としては大いに困るというわけです。「できれば不労所得者は少なくしたい」のが実情でしょう。

ここまで述べた背景から、「不労所得=悪いこと・ずるいこと」とイメージが付くのは国策であり、仕方がないことですよね。

中小企業診断士という資格柄か、私は経営者と関わる機会が多いのですが、経営者も同じように「労働=美徳」というような洗脳を、社員に対して常日頃行っています。

それはそうですよね。従業員に安い給与でたくさん働いて欲しいのが経営者の考えですから。

「働き者はすばらしい」と、よく働く(サービス残業をする)社員をほめ讃えて洗脳します。

かつて私も、まんまとこの罠にはまっていました。毎日のように終電近くまで残業して、土日も家で資料作り......。サービス残業が当たり前のような状態でしたし、社内の雰囲気も、サービス残業して当然でしょうという空気でした。

長時間働く、プライベートを犠牲にできる人がすごい!と言わんばかりでしたね。

しかし、頑張っても頑張っても、給与が大きく変わることはないですし、上司が変われば評価はコロコロ変わるため、肉体的・精神的な辛さが増していくだけでした。

このように、日本政府や会社と利益相反するため、世間的なイメージはあまり良くない不労所得ですが、本書を手に取ったあなたは、不労所得生活に対する願望が少なからずあると思います。

「労働=美徳」という、日本政府や会社にとって都合の良い洗脳を、まずは外しましょう。

ここまで読み進んでいるあなたであれば、洗脳は外れかけているかもしれません。でも、事あるごとに、この洗脳と社会が、あなたを不労所得生活から遠ざけようと働きます。

皮算用の話で潜在意識の話をしましたが、「労働=美徳」が無意識に刷り込まれています。

この刷り込みは、あなただけではなく、義務教育を受けた全国民に対して行われています。

不労所得のための行動をしようとすると、

・同僚から飲み会の誘いがきてしまった
・有給休暇を取ろうとしたら上司に嫌味を言われた
・家族に相談したら意味もなく怖いからと止められた

などなど、外野という社会から邪魔が入ります。

毎日同じことを繰り返している人は、まだ見ぬ未来に歩もうとする人を心から祝福し、肯定的に見ようとはしません。

表面上は祝福していたとしても、心の底では「どうせ失敗するのに」「むしろ失敗しろ」と思っているだけです。

自分の属する組織や社会での過去の小さい栄光に満足して、新しいことに否定的な人をよく見ます。理由は、「現状のままでいることが楽」だからです。

会社の上司・先輩が、過去の仕事の武勇伝を語ったり、友人が女性にモテたと自慢する話を聞いたりしたことはないでしょうか?

その上司・先輩に対して、あなたが進もうとする未来の不労所得の話をしたらどうなるでしょうか?

間違いなく、否定・敵視されるでしょう。「労働=美徳」の洗脳は、現状維持を肯定し、あなたを会社から抜け出させないための仕組みでもあるのです。

また、あなた自身が、あなたを止めるケースもあります。

・友だちが減りそうだな
・毎日の生活リズムを変えたくないな
・なんとなく怖くなった

と、「労働=美徳」の洗脳を外そうとしても、潜在意識が邪魔をします。

実際には、

・友だちが減りそうだな⇒新たな不労所得を目指す友だちができる
・毎日の生活リズムを変えたくないな⇒変わらないどころか、時間にゆとりのある生活になる
・なんとなく怖くなった⇒やってみると全く怖くなかった

となるわけですが、現状をどうしても維持したくなるのが人間の脳のメカニズムですので、仕方ありません。

なかなか洗脳が外せない人は、不労所得生活をしている自分を想像して、ノートや紙に書いてみましょう。あなたは、毎日のスケジュールでどんなことをしているでしょうか?

「不労所得=悪いこと・ずるいこと」から「不労所得=良いこと・誰でもできること」に、脳内変換しましょう。

あなたは、日本政府や会社のために、命を削りながら労働する生活をしたいですか?

それとも、自分らしく自由な生活をしたいですか?

ズボラでも絶対できる 不労所得生活!
horishin(ホリシン)
「The Cash Academy」代表。1980年、和歌山県生まれ。大学院修了後、日系大手シンクタンクに入社。数回の転職を経て独立し、現在に至る。2014年より、区分不動産投資をスタートし、2015年からは1棟不動産投資へシフト。2018年現在、8棟106戸+区分5戸=計111戸の物件(約10億円の資産)を所有するに至る。「精神的にも物質的にも豊かな人生」を目指し、不動産を中心とする複数のストックビジネスを実現・拡大すべく活動している。
【投資ポートフォリオ】国内区分不動産、国内1棟不動産、海外積立、ヘッジファンド、仮想通貨、ベンチャー事業など。
【保有資格】弁理士、中小企業診断士。

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