(本記事は、長倉 顕太の著書『GIG WORK(ギグワーク)』すばる舎の中から一部を抜粋・編集しています)

人生における4つの資源

投資時間
(画像=PIXTA)

前章で現在地と目的地について詳しく書いた。そこでオレが強く主張したのが、現在地の重要性。なぜなら、多くの本とかが目的地を重視していたからだ。そこを理解した上で具体的に何をすればいいかをこの章では書いていく。

念のため、ここまでの内容を整理しておく。

・経済構造が変わり、働き方も変わり、資本家でも労働者でもないギグワーカーを目指そう
・ギグワーカーでも下請け的な存在ではなく上位を狙うためにコンテンツを支配する側になろう
・大きな目標を持つのではなく、今できることを大事にして「つながり」をつくっていこう

簡単に言えば、この3つに集約される。じゃあ、具体的にどうすればいいかを書いていくが、まずは人生の資源について確認しよう。なぜなら、戦略の基本は持っている資源をどこに投資するかということだからだ。だから、オレは現在地の確認が重要だと書くわけだ。

自己資源には、お金、能力、時間、人脈があると思っている。お金は預金も含めて自己裁量できる金額、能力は人に役立つスキル、時間は自由に使える時間、人脈はコネクションになる。自己資源は当然、人によって持っている数量が違ってくる。

たとえば、実家がお金持ちで働いてない人であれば、お金、時間は豊富だけど、能力はゼロということもあるだろうし、若いうちはお金、能力、人脈はないけど時間だけはある場合もあるだろう。

ここでお金、能力、時間、人脈について、それぞれの特徴をあげておくが、これらをどう配分していくかというポートフォリオ作りが人生戦略そのものになってくる。本書で言うポートフォリオは、金融資産のポートフォリオと同じように資産配分のことを指す。

・お金

お金は基本的には最後についてくるものと考えよう。もちろん、最初の段階から生活できる程度のお金は必要にはなってくる。ただ、お金にフォーカスしすぎるのは良くない。ここで間違えてはいけないのは、お金は目的ではなく、あくまでも手段であるということだ。

よく「月収100万円にしたいです」という若者に会うことがあるが、これはお金が目的になってしまっている典型だ。限られたお金をどこに投資するかが重要になってくるわけだが、最初は自己投資に使うしかない。大したお金がないのに、金融商品なんかに投資する人がいるが本当に無意味だ。

そんなお金があるなら自分の経験、勉強に投資していくのが定石だ。先日も「FX自動売買システムを購入しました」みたいなことを言ってきた若者に対してオレは「そんな金があるなら世界一周でもしろ」と伝えたところだ。まずは自己投資しかないし、自己投資をどこにするかが問題なわけだ。

・能力

ここで残酷なことを言わせてもらえば、能力が向上することは期待しないほうがいい。たとえば、IQは遺伝だ。身長以上に遺伝率が高いと言われている。つまり、親がIQが低ければ、子供のIQが低い可能性が高いということ。これはIQが低いからダメというわけでなく、IQは低いけど運動能力が高い場合もあり、人それぞれ生まれ持った能力が違うということを認識するべきだということ。

能力で重要なのは、自分の能力を知ること。自分の能力を知らないでいれば、身長が低いのにバスケットボールの選手を目指すことになってしまうことになりかねない。一緒に仕事もしたことあるK-1チャンピオンで株式トレーダーである久保優太さんも「自分は身体能力は高くないから、誰よりも相手の研究をしている」という。さらに彼は株式トレードに関しても「自分は3000万円の運用が適しているので、どんなに資産が増えても毎年1月になったら一度3000万円に戻してからスタートする」というくらい自分の能力を理解し、そのルールを徹底している。だから、結果が出ているのだろう。

多くの人は3000万円が3億円になれば、そのまま3億円の運用をしてしまい、人によってはあるとき全財産を失ったなんて話もよく聞く。能力についてはアップさせるとかではなく、重要なのは自分の能力を知ることだ。

・時間

資源の中で何よりも大切なものが時間とも言える。それは、誰もが1日24時間で平等に与えられているし、お金は取り返せても時間は取り戻せないからだ。当然、お金よりもはるかに重要なものになるし、若者が唯一持っている資源とも言える。それも若ければ若いほど残された時間も多いわけで、 年齢によって戦略が大きく変わってくる。

オレがよく「会社をやめろ」と言うのは、会社のせいで時間がなくなってしまっている場合だ。ブラック企業と言われるような毎日朝から夜中まで働かされる環境では、人生戦略は立たないからだ。まずは、自分に裁量権のある時間を確保すること。

そして、時間ははるかにお金よりも貴重なわけで、お金で買える時間はどんどん買うこと。時間を買うとはどういうことかといえば、家事代行なんかも該当する。家事代行にお金を払うことによって、その空いた時間を自己投資などに使えるからである。少し語弊があるかもしれないが、借金も時間を買うためなら大いに活用するべきだ。1年間で学費100万円の学校があるとして、1年後にお金を貯めてからよりも、100万円借金して1年早く入学したほうが戦略上は有効だからだ。これは1年間の時間を買ったことになる。

・人脈

ここまでお金、能力、時間について書いてきたが、人生を大きく変えるのは人脈だ。正直、人脈という言い方は嫌いだが、わかりやすいのでこの表現のままでいく。人脈というよりは出会いなわけだが、先の3つの資源は最終的には人脈のために投資すると考える。つまり、良い出会い、良い人脈のために持てる資源を投入するというのが人生戦略上重要だということ。

これはよく考えればわかることで、何かやろうと思いお金が必要な場合、何か専門的なスキルが必要な場合、時間がない場合は、それぞれ出資してくれる人、スキルを持っている人、時間を使ってくれる人が身近にいれば解決する可能性が出てくる。人脈があればすべてをカバーすることになるわけで、であるならば他の3つの資源は人脈拡大のために使うということが戦略上は有効だ。

そして、オレ自身もそうであったが、人生のステージが上がるときには必ず上の人に引っ張り上げてもらわないと無理だ。 そういった出会いからチャンスがもたらされる。

会社なんか辞めてしまえ!

お金、能力、時間、人脈の4つのうち、時間以外の3つは人それぞれ違う。だから、一概にこうしろとは言いづらい。ただ、時間については1日24時間はすべての人間に平等だ。だから、まず大切なのは、貴重な自己資源である時間をどこに投資するかだ。もっと言えば、睡眠時間なども考えるとなると、おそらく1日で投資に回せる時間は16時間くらいだと考えたほうがいい。

オレが「会社を辞めてしまえ」って言ってる最大の理由は時間の無駄が多いからだし、自分で時間をコントロールできなくなるからだ。通勤、会議、飲み会を排除するだけでだいぶ投資に回せる時間が増えるはずだ。これらだけでなく、大半の時間や人間関係すら会社に取られかねない。何がまずいかというと、それが日常になっていき、その異常さに気づかなくなり、ただただ時間が過ぎていく。自己資源の中で一番重要である時間が無駄に過ぎていくってのは、毎秒1万円が出ていくよりもまずい状況だ。

オレみたいに海外に住んでいると、日本人が同じような人間ばかりなのに異様さを感じる。東京に来たことある人ならわかるだろうが、朝の通勤時間帯の品川駅で高輪口から港南口へ向かう人の流れは外国人の見せ物になっているみたいだ。同じようなスーツを着た人たちが同じ方向に動いていく。これって異常なんだよ。人ってそれぞれなわけだから、同じような人間がやたら多い社会っておかしいんだよね。

でも、前述したようにそんな生き方を当たり前のように受け入れ、何も感じることができなくされてしまっている。だって、無理やり合わない型にはめ込まれているようなもんなんだから、無理やり感じないようにしてないと頭おかしくなるでしょ。まあ、どっちも頭おかしいとも言えるが、あなたはどっちを選びたい?

あと会議も無駄だ。飲み会も同じようなものかもしれないが、無駄に集まって話す機会はなるべく減らしたほうがいい。会議や打ち合わせなんて、なんとなく責任をとりたくないやつらの集まりになりがちだし、そのときのメンバーによるポジショントーク合戦で適当な結論が出るだけ。だったら、誰かが責任を持って決めたほうがよほど時間の短縮になるし、責任の所在も明確になっていい。

時間の無駄遣いをなくせ

先ほど書いたように、通勤、会議、飲み会もそうだが、まずは無駄な時間を徹底的になくしたい。じゃあ、どういう時間を無駄と言うのか。ずばり、他人に支配されている時間だと思っている。会社員の場合は、起きている時間の大半は他人に支配されるわけで無駄だらけだ。

とくに、オレたち日本人は「みんなと同じことをする」という教育を受けているがゆえに、赤信号みんなで渡れば怖くない精神が強い。その結果、群れたがる人が多い。だから、 オレは群れないようにするべきだと言いたい。オレの好きな言葉に寺山修司の、

 「弱いから群れるのではない。群れるから弱いのだ」

というのがあるが、まさにそのとおりだと思う。他人に奪われる時間を徹底的に排除するためにやってほしいことを挙げておく。

・電話に出ない

他人からかかってくる電話ほど迷惑なものはない。ということは、あなたもかけないようにしたほうがいい。

・会社を辞める

先ほど書いたとおりだ。通勤、会議、飲み会など無駄の宝庫だ。会社は働く場所、働く人、働く時間も選べない地獄とも言える。

・同窓会に出ない

過去に生きるのはやめよう。未来に生きようと思えば、過去の人たちと群れるほど無駄なことはない。飲み会に行くかどうかの基準は、そこに知らない人がいるかどうかだ。

・平日休みにする

土日、お盆、正月といった多くの人と休みをずらす。こういった日はどこも混むからだ。こういうときこそこもるべきだ。

・移動はタクシー

タクシーの中はあらゆることができる。少し寝ることもできるし。自分一人になれ、他人に時間を奪われることはない。

GIG WORK(ギグワーク)
長倉 顕太(ながくら・けんた)
1973年東京生まれ、学習院大学卒。28歳のときに出版社に拾われ、編集者としてベストセラーを連発。その後、10年間で手がけた書籍は1000万部以上に。現在は独立し、サンフランシスコと東京を拠点に、コンテンツ(書籍、電子書籍、オウンドメディア)のプロデュースおよび、これらを活用したマーケティングを個人や企業にコンサルティングのほか、教育事業(若者コミュニティ運営、インターナショナルスクール事業、人財育成会社経営)に携わる。
ベストセラー作家から上場企業まで手がける。著者に『親は100%間違っている』(光文社)、『超一流の二流をめざせ!』(サンマーク出版)など多数。

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