Feel free to use this image just link to www.rentvine.com

今回から、株式会社における種類株式制度の戦略的活用法をご説明させていただきます。対象は、主として非上場の会社の社長様ですが、会社の法務部などでもご利用できる内容かと思います。
会社様のご発展に少しでも役立てば幸いに存じます。

【参考 オーナー企業のための事業承継】

オーナー企業のための事業承継vol1「事業承継の必要性と円滑化のための法制度とは?」
オーナー企業のための事業承継vol2「後継者選びのポイントとは?」
オーナー企業のための事業承継vol3「後継者選びのポイントは?その2」
オーナー企業のための事業承継vol4「建設業界に学ぶ許認可事業の事業承継って?」
オーナー企業のための事業承継vol5「会社の現状を把握するポイントとは?」
オーナー企業のための事業承継vol6「企業の事業承継の際の法律上の問題点とは?
オーナー企業のための事業承継vol7「家族の絆を守る後継者以外への配慮とは?」
オーナー企業のための事業承継vol8「後継者の適性・選定のポイント」
オーナー企業のための事業承継vol9「種類株式を使った事業承継?」
オーナー企業のための事業承継vol10「贈与税の注意点って?」
オーナー企業のための事業承継vol11「代表者の個人保証・担保提供の問題って?」
オーナー企業のための事業承継vol12「生命保険を利用した資金対策」
オーナー企業のための事業承継vol13「MBOという手法の活用」
オーナー企業のための事業承継vol14「M&Aによる第三者への事業承継」
オーナー企業のための事業承継vol15「M&A時のデュ-デリジェンスの意義とポイント」
オーナー企業のための事業承継vol16「様々な公的融資の制度」


◉種類株式の意味


まず、前提として、株式会社における株式の意味からご説明します。
株式とは会社に対する出資の割合を意味します。例えば1株5万円の評価額の株について50万円を出資し、10株保有していれば、10個の出資者としての地位を持つこととなります。100万円出資して20株保有していれば、20個の地位を持ちます。

出資者としての地位は、もともとの会社(合名会社など)では、「1人何口」などの形で細分化されていませんでした。1人は1人でした。しかし、株式会社制度のもとでは出資者としての地位を細分化して個数に分けました。そして出資に応じて株主として多くの地位を持つという技術をもたらしたのです。これが株式会社の大きな特徴です。
そして出資者は、出資した以上、利益が出れば利益の還元を受けることができたり(剰余金の配当)株主総会において発言をすることができることになります(議決権)。

このように株式を保有することは会社に対する利益分配請求権や議決権などの権限を持つこととなります。
その他にも、一定数以上の株式を保有する株主の場合には、自ら株主総会を招集する権限や、株主総会の議題や議案を提出する権限から、会社の解散を求める権限までが存在します。このように株式は会社に対する出資者として会社経営の根幹を握る権限が与えられることとなります。

そして株式は、外国の利用法などを参考にしてさらに技術的に発展しました。具体的には株式でも、権利内容を異なるものとすることで経営を戦略的にすすめることができるように改良されたのです。その改良内容は平成18年の会社法施行によって実現しました。つまり、株式の内容として特別な内容を持った株式を発行することができるようになりました。これが種類株式です。