日本生命は2019年3月、築50年と老朽化が進む大阪市の日本生命淀屋橋ビルを建て替え、高さ約123メートルの超高層ビルとする計画を発表しました。2022年の竣工を予定しているこのビルは、淀屋橋エリアでは最も高いビルとなる見込みです。背景には、2025年の開催が決定した大阪万博に伴うオフィス需要の増加があるようです。

BCP対策にも配慮した最新の賃貸オフィスとして活用

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(画像=zhu difeng/Shutterstock.com)

オフィスビルの延床面積は5万1,500平方メートルで、既存のビルより9割ほど広くなります。地上25階地下1階で、地上階は賃貸オフィスとしてテナントの募集を開始し、地下には商業施設も入居するそうです。

また、昨今のBCP(事業継続計画)への関心の高まりを反映し、制振構造を採用。主要設備を2階に配して防潮対策を高めるなど安全面にも配慮しています。
京阪電鉄や地下鉄御堂筋線に隣接する交通至便な立地で、建て替え後は地下道と接続し、地下鉄淀屋橋駅直結となります。

大阪ではオフィス需要がひっ迫、19年は供給ゼロ

近年、大阪など関西圏のオフィス需要は高止まりを続けています。オフィス仲介の三鬼商事によると、2019年3月の大阪中心部のオフィス空室率は2.45%。

東京や名古屋などでもオフィス市場は活況を呈していますが、大阪ではもはや「空き室がないために引っ越しができない」という状況にまで陥っているといいます。

ザイマックス総研の調査によると、2019年と2021年には大阪エリアでのオフィス供給はゼロ。外国人観光客の増加でオフィスよりもホテル建設が重視されていることと万博効果もあいまって、ますます需要がひっ迫する見通しです。
日本生命も2018年11月の決算会見で、大阪のオフィス空室率の低下について言及。「歴史的に低い水準」だと述べています。

生保は大手デベにも引けをとらない大地主

日本生命は、実は大地主としての側面も持っています。近畿2府4県で60棟のオフィスビルを所有するほか、投資戦略として都市部のオフィスや物流施設の獲得にも乗り出しており、賃貸用ビルの保有数は合計で274棟。不動産残高は1兆6,119億円(うち、賃貸用は1兆82億円)、入居するテナントは3,000社に上ります。2017年度末の同社の資産ポートフォリオのうち不動産が占める割合は2.5%で、賃料収入という形で長期的に安定的な収益が得られることから、不動産経営に取り組んでいると述べています。

今回の大阪・淀屋橋の自社ビル建て替えも、既存の資産ポートフォリオを活用しつつ、リノベーションによって賃貸オフィスとしての魅力を増してテナント誘致を推進するということと考えられます。

このように、自社ビルは、自身で利用するために所有するだけでなく、上手くその資産を活用して、賃料収入を安定的・長期的に得て財務基盤を強くするというメリットがあります。(提供:自社ビルのススメ


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