近年大変な猛暑がやってくる日本の夏ですが、気温が上昇すればエアコンがフル稼働することになり、電気代も馬鹿になりません。空調管理を適切に行い、電気代を節約することは、CO2削減を通じ地球温暖化対策に貢献することにもつながります。今回は、オフィスでの効果的な節電方法について、今一度確認していきましょう。
意外と見落としがち!効果的な節電方法
一般的なオフィスビルでは、空調だけで電力消費量の約48%を占めています。(オフィスの専有部分だけでは28%)このことから空調の見直しが、照明、OA機器と並んで大きな節電のポイントであることがわかります。
それでは、具体的な節電対策ですが、ここでは設定温度や空調フィルターの清掃、サーキュレーターの併用といったよく知られた方策は省き、意外と見落としがちな方策について見ていきます。
・過剰な換気は控える
夏場の外気は気温が高いので、換気をし過ぎると空調の効率は下がります。ただし、オフィスビル内の空気環境についても基準があり、CO2濃度は「建築物環境衛生管理基準」で1,000ppm以下と決まっています。基準は守った上で、在室者が少ない場合は換気を控え目にしたほうが良いでしょう。
・残熱利用による運転時間の短縮
空調設備内に残っている「冷気」を利用します。終業時刻より15~30分早めに空調を停止することで消費電力の削減が可能です。
・分散起動
空調を朝の涼しい時間帯から順次起動するなど、分散して起動することにより、空調起動時のピーク電力の上昇を抑制できます。
・ナイトパージ
夜間や早朝時に低温の外気を取り入れることで、ビルコンクリート躯体や居室に蓄積された熱気を除去できます。
インバーターなしのエアコンは買い替えがお得
古いエアコンの場合は、思い切って最新のエアコンに交換したほうが、電気代が安くなる場合もあります。目安として15年以上前のものであれば、買い替えを検討しても良いかもしれません。
この15年で何が進歩したのかというと、「インバーターの導入」です。インバーターとは直流電流を交流電流に変換する回路のことですが、周波数を変えることでモーターの回転数を自由に変えられるようになります。つまり、インバーターによるモーター制御で、消費電力を大幅に節約できるようになったのです。
専門家にエネルギー診断をしてもらおう
効率的な節電・省エネを実現するため、専門業者にエネルギー診断をしてもらう方法もあります。いわゆるESCO(Energy Service Company)事業者に依頼するという方法です。
また、中小企業限定ですが、公的サポートを利用する方法もあります。一般財団法人省エネルギーセンターでは、中小企業等の省エネ・節電の推進をサポートするため、「節電診断」「省エネ診断」「講師派遣(省エネ・節電説明会)」の無料サービスを実施しています。
(参照:一般財団法人省エネルギーセンター「省エネ無料診断 申込書ダウンロード」)
電気代の節約は固定費の削減に結びつき、企業の財務改善に直結します。そればかりか、節電・省エネに積極的な環境配慮型の経営姿勢は、企業ブランディングの向上にも結びつくでしょう。(提供:自社ビルのススメ)
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