正午過ぎのオフィス街でよく見られる光景が飲食店前の大行列です。多くの企業が昼休み時間を12~13時ごろに設定しているため、どうしてもその時間に大勢のオフィスワーカーが飲食店に集中してしまうという事態は今も昔も変わりません。このような飲食店の争奪戦にあぶれて思うように昼食ができなかった人たちを「ランチ難民」と呼びます。
ランチ難民問題は以前に指摘されてから、なかなか解決されていないのが現実です。しかしこのランチ難民問題が「労働生産性の低下を招いている」とし積極的に問題解決に乗り出している企業が増えているのです。
時代は「健康経営」へ
「働き方改革」の一環として「健康経営」が意識される時代です。飲食店で「○○定食」というようなメニューを頼むのであれば栄養バランスの取れた食事が摂取できます。しかし多忙なオフィスワーカーはコンビニ食やファーストフードを自席で食べざるを得ないという場合も多いでしょう。それではどうしても野菜が不足しがちになりますし栄養バランスは悪くなってしまいます。
もしこのような食事が毎日続くようであれば体調を崩す可能性も否めません。それは、企業にとっても非常に由々しき問題です。
社員食堂があれば良いのだが……
2017年に株式会社ネットマーケティングが男女約240人を対象に行った「出勤日のランチ事情に関するアンケート調査」によれば出勤日のランチは「外食派」が4割以上でした。さらに興味深いことに「転職先に選ぶなら低価格で充実した社員食堂が社内にある職場が良い」という回答が約5割にも上りました。ビジネスパーソンの多くが社員食堂を求めていることが分かります。
シリコンバレーのGoogle本社には多くの社員食堂があり社員だけでなく訪問客も無料で食事ができることは有名です。しかしかなりのコストがかかっていることは言うまでもありません。「社員食堂を用意したいけどコストが気になる」と悩まれる企業も多いことでしょう。社員食堂の設置ともなれば、まず一定のスペースが必要です。
また初期費用として厨房設備の工事、水道・ガス・電気の引き込み工事、食堂スペースの工事などの費用がかかります。そればかりではなく、ランニングコストも人件費、水道光熱水費等々膨大にかかります。そこで登場したのがオフィス向けのランチ(社食)宅配サービスです。
ランチ宅配サービスという方法
「社員食堂の自社設置」という大きな負担を背負わず、ほぼ同様のサービスを受けられるのがランチ(社食)宅配サービスのメリットです。サービスは各社さまざまですが企業側は一定のスペースさえ確保できれば問題ありません。メリットはコスト面、栄養面だけでなく宅配サービスの開始以降、「ランチタイムが社内コミュニケーションの活性化につながった」という報告もあるといいます。
さらに社員満足度が向上することによって「仕事のパフォーマンス向上」「人材の定着率向上」が期待されているのです。これまでも「仕出し弁当」のようなサービスはありました。しかし最近のランチ宅配サービスはさらにきめ細かいサービスが可能で柔軟なワークスタイルに対応可能なものになっています。
おすすめランチ宅配サービス5選
・1 オフィスおかん
「食の福利厚生」をうたい文句に急成長を遂げているのが「オフィスおかん」です。2019年2月現在全国で約1,500社が利用しています。惣菜の常備型で企業側が用意するものは電子レンジだけです。管理栄養士が監修した健康的なお惣菜が1品100円から食べられます。
お腹いっぱい食べても300~400円で済むようです。初期費用は無料。月額利用料金の中に配送費、サービス開発費、冷蔵庫のレンタル費用、資材費などが含まれており申し込みから最短1週間でスタートできます。
・2 OFFICE DE YASAI
「OFFICE DE YASAI」はその名の通りオフィスで新鮮な野菜が食べられることを基本コンセプトにしています。サラダやフルーツ、無添加や国産食材にこだわった惣菜など健康的な食事が特長です。
新鮮な野菜が食べられる「オフィスでやさい」プランとお惣菜の「オフィスでごはん」プランがあり冷蔵庫・電子レンジが貸与されます。配達員が週に2回、商品の補充・回収、週金額の回収(現金決済の場合)、冷蔵庫メンテナンスを行うので導入企業の手間はかかりません。
・3 シャショクル
お弁当宅配サービスでは業界最大規模の商品数を誇る「シャショクル」では、ヘルシーなお弁当、ボリュームのあるお弁当と企業の要望に合わせたお弁当の宅配が可能です。有名店・人気店のお弁当もラインナップにあります。
選択できるプランは販売スタッフが接客することでロス買取なし、固定費が無料(条件あり)の「対面販売プラン」と月額5万円、ロス買取ありの「無人販売プラン」の2つです。
・4 Fit Food Biz Lite
企業向けに「置き弁当」という独特のサービスを展開しているのが「Fit Food Biz Lite」です。徹底的に健康にこだわり「500キロカロリー台」「糖質量60グラム以下」「塩分2グラム前後」「国産肉・国産米使用」「添加物不使用」を貫いています。さらに導入までにその企業で試食会&健康セミナーを実施するという徹底ぶりです。
素材にこだわることで、お弁当でも4日間日持ちする「置き弁当」というモデルが可能になるといいます。お弁当は従業員負担(1食税込み500円)、サービス利用料金は企業負担です。
・5 CLOUDMEAL
バーチャル社員食堂を標榜するのが「CLOUDMEAL(クラウドミール)」。600以上のレストランと提携しており前日夜までに注文を受ければ翌日指定時間・指定場所に配達するという仕組みです。
初期・月額費用はすべて無料で1食税込み500円~。5名から注文ができます。ランチだけでなく朝食やフルーツ、ランチミーティング用の接待用弁当なども取りそろえています。支払いは月末にまとめて行うシステムです。
まとめ
このように導入企業には大きな負担なく社員の要望に応えることができるランチの宅配サービスは、かなりコスト・パフォーマンスの良いサービスといえるのではないでしょうか。「ランチ難民問題」を感じている場合は、前向きに検討してみるのもよいでしょう。(提供:自社ビルのススメ)
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