オフィスの印象を大きく変えるカラーコーディネート。従来、オフィスといえば無機質なイメージが強かったですが、最近は1日の大半を過ごすオフィスの居心地をよりよくするため、さまざまなカラーリングを取り入れる例も出てきています。オフィスのリノベーションを検討する場合は、色がもたらす心理的効果やイメージを考慮しながら決めていくべきでしょう。

カラーコーディネートの基本を押さえよう

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(画像=Kalakutskiy Mikhail/Shutterstock.com)

カラーコーディネートの基本は3色までとされています。多くても5色までにまとめることで、雑然とした印象にならず、すっきりとまとまる傾向にあるからです。そのため、基本の配色として、以下の3パターンを押さえておくとよいでしょう。

・部屋の70%を占めるベースカラー:床や天井、壁など
・部屋のイメージを決める25%のメインカラー:ソファやカーテン、キャビネットといった占有面積が大きな家具など
・差し色となる5%のアクセントカラー:置物やモチーフなど

色系統の違いによる心理的効果

次に、色系統による心理的効果を見てみましょう。

1.ブルー系
青系統の色は、落ち着きや集中をもたらす効果があるとされており、空間を広く見せる効果もあるといわれています。ただ、インテリア全てを青色にしてしまうと寒々しい印象になってしまいますので、青のパーテーションやソファなど、メインカラーとして部分的に取り入れるのがおすすめです。
会議室などに青系の家具を取り入れると、気持ちを落ち着かせて冷静な判断をもたらす効果が期待できます。

2.黒やグレー系
オフィスのイメージといえば、グレーや黒といった堅い色使いが真っ先に想起されるかもしれません。こうした色合いは落ち着きと調和をもたらしますので、応接スペースなどの落ち着いた対応が求められるエリアに向いているでしょう。ただし、調和ばかり求めていては創造力が生まれませんので、グレーをベースカラーにしつつ、アクセントカラーやメインカラーで、赤やオレンジといった刺激的な色を加えてみてはいかがでしょうか。

3.グリーン系
自然の中にいると落ち着きや安らぎを感じられるように、グリーンには癒し効果があるとされています。そのため、リフレッシュスペースなどでパソコンを眺めて疲れた目を休めたい場合や、ゆったりとくつろいで創造的なアイディアを出したい場合などに、グリーンを取り入れるとよいでしょう。
観葉植物などでアクセント的に取り入れるほか、最近はIT系の先進的なオフィスなどを中心に、床に人工芝を敷いたり、壁を一面植物で覆ったりなど、グリーンを前面に押し出したオフィスインテリアが見られます。

4.赤・オレンジ系
赤は刺激や興奮を呼び覚ます色とされています。創造的なアイディアを生み出したい場合には、ミーティングスペースや執務エリアにメインカラーやアクセントカラーとして取り入れるとよいでしょう。一方、オレンジ色は明るさや陽気さを想起させます。エントランスやリフレッシュスペースなどに取り入れると、心がなごんで会話も弾みやすくなるでしょう。

5.ピンク・イエロー系
かわいらしいイメージを持つピンクやイエローは、人の心をなごませる効果があるとされています。ミーティングスペースやリフレッシュエリアで、アクセントカラーとして取り入れると、やさしいイメージを持つ空間に仕上がるでしょう。ただ、淡い色合いは手垢などで汚れが目立ちやすいので、メンテナンスには気を配る必要があります。

6.茶色系
グレー系と同様に、茶色には調和や落ち着きをもたらす効果があるとされています。そのため、最近はウッド系のナチュラルな色合いを取り入れたカフェ風の内装のオフィスも増えています。ナチュラルテイストの家具と共に、ほっこりとしたイメージを取り入れたい場合におすすめです。また、ダークブラウンは高級感をもたらす効果もあるので、応接スペースやエントランスなど、人目につくエリアに取り入れてみるのもよいでしょう。

コーポレートカラーを意識してブランド構築

カラーコーディネートは、働く人の心理に影響を与えるだけでなく、会社のイメージ作りにも大切です。たとえば、コーポレートカラーがある場合はオフィスのインテリアにも取り入れることで、ブランドづくりにも役立つはずです。
今回ご紹介した「色系統の違いによる心理効果」をうまく活用すれば、よりリラックスした状態でモチベーション高く業務に臨める人が増えるかもしれません。また、社内の人だけでなく、来客に対しても「居心地の良さ」を提供することができれば、今以上に商談などがスムーズに進められるようになるでしょう。
来客に対して「居心地の良いオフィス」「仕事に集中できそうなオフィス」というイメージを与えることは、自社のブランディングにも影響するはずです。
ぜひこの機会にコーポレートカラーの活用をはじめ、オフィスのカラーコーディネートを検討してみてはいかがでしょうか。(提供:自社ビルのススメ

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