会社としての信用力向上のために、あるいは賃料コストの見直しのために自社ビルの取得を考えたとき、どのようなポイントで物件を選ぶべきでしょうか。最も重視すべきは立地です。立地のよい場所に自社ビルを取得することは、財務基盤を強化し、企業の持続的な成長を実現することにつながります。
建物は変えられるが立地は変えられない
不動産の価値は何で決まるでしょうか。土地の広さや形状、建物の構造・規模・築年数・管理状態など、いろいろな要素があります。そのなかでも最も大切な要素は、間違いなく「立地」です。建物は、購入後にリノベーションしたり建て替えたりできますし、管理状態も改善することはできます。しかし、立地は変更できせません。
どの駅から何分の場所にあり、交通利便性はどうなのか、周辺にはどのような施設があるのか、どの用途地域に属しているのか……といったものを含めた立地の要素が不動産の価値のほとんどを決定付けるといえるでしょう。
オフィス移転は経営戦略とも密接につながる
個人的な好みの入る余地が大きいマイホームと異なり、オフィスを選ぶ際にはなおさら立地選びが重要です。当然ながら駅に近いかどうかは、従業員の通勤や営業担当者の外回りの利便性につながります。また、駅からビルまでの道のりも大事です。たとえば、ゴミゴミとした路地を通るようなら、来客者や採用に応募してきた求職者もいい印象を持ってはくれないでしょう。
会社といっても業態はさまざまで、社内での業務がメインの会社もあれば、自動車を使い社外での業務がメインという会社もあります。自社の業務に合わせて、最適な立地を選ぶべきということは言うまでもありません。ただし、オフィスビルを借りるのではなく、自社オフィスビルを取得するという場合には、もう一つ忘れてはいけない視点があります。それは、そのオフィスビルの不動産としての資産価値の高さです。具体的には、希少性の高い大都市の中心部にある不動産を選ぶことです。
自社ビルの資産価値は事業継続につながる
なぜ、自社ビルを取得する際には資産価値が重要なのでしょうか?それは取得した不動産が会社の財務基盤を左右することになるからです。自社ビルは、BSの「資産の部」に記入される固定資産です。立地がよく、資産価値の高い自社ビルを取得すれば、BSにおける資産の部が強化されます。もちろん、銀行から融資を受けて購入した場合には、その分だけ負債の額も増えるので、全体で見れば財務状況に大きな変化はありません。しかし、返済を続けていくうちに負債が減り、資産が厚くなるため、BS全体がどんどん改善されていきます。
一方で、「自社ビルなどの固定資産よりも、現預金などの流動資産を多く持っている方が安全」という考え方もあるかもしれません。しかし、これからの時代はそうとも言い切れないでしょう。政府と日銀は2%のインフレ目標を掲げ金融緩和を続けており、実際に物価は上昇しています。インフレ環境のなか、現金を持っておくことは資産を目減りさせることになる懸念があります。不動産であればインフレとともにその価値は高まります。以上のようなことから、自社ビルを持つことは会社自体の価値を高め、事業を継続するために重要な武器といえるでしょう。だからこそ、BSの強化につながるような資産価値が高く、立地のよい自社ビルを選ぶ必要があるのです。(提供:自社ビルのススメ)
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