つみたてNISAにおすすめの証券会社の選び方
つみたてNISAを検討している方が、証券会社を選ぶ際に注目したいポイントは以下の3点です。
- 取扱商品数の豊富さ
- 信託報酬が低く、運用実績がいい投資信託を扱っているか
- クレカ積立のポイント還元率
また、つみたてNISAで扱う投資信託の売買手数料はすべて無料です。そのため、証券会社による売買手数料の差はありません。
1. 取扱商品数の豊富さ
まだ購入する投資商品が決まっていない方は、選択肢を最初から狭めないためにも、つみたてNISAで多くの投資信託を扱っている証券会社を選ぶことを検討してください。
つみたてNSIA対応の投資信託を1本しか扱っていない証券会社もあれば、180本以上扱っている証券会社もあり、その差は歴然です。
2. 信託報酬が低く、運用実績がいい投資信託を取り扱っているか
信託報酬の低さ
信託報酬が低い投資信託を多く取り扱っているかも重要なポイントです。
つみたてNISAで購入できる投資信託は売買手数料がかかりませんが、投資信託を保有している限り信託報酬(運営手数料)が発生し続けます。
信託報酬は、投資信託の種類によって異なります。「信託報酬が年率0.5%の投資信託」と「信託報酬が年率0.1%の投資信託」を80万円保有する場合では、前者は年間4,000円の手数料が発生するのに対して、後者は年間800円の手数料しか発生しません。
過去の運用実績
過去の運用成績は、投資信託を選ぶ際の重要な指標です。将来を完全に予測はできませんが、過去の運用実績が変わることはないので、分析ができます。
運用実績の良し悪しを評価する際の参考としては代表的な指標は、モーニングスター株式会社が算出する「モーニングスターレーティング」です。リターンとリスクの両方の観点からモーニングスター株式会社が星1~5で評価している指標で、星5は最も高い評価を意味します。
3.ポイント還元率
つみたて投資によるポイント還元率の高さも検討してみてください。当社がつみたてNISA利用者に実施したアンケートでは、つみたてNSAを始める際に気にすべきだったポイント2位は「クレジットカード積立によるポイント還元率」です。
特定のクレジットカードを使えば、つみたてNISAで購入した投資信託の金額の5%のポイントが貯まる証券会社もあります。毎月3万円つみたてれば、1500円のポイント還元が受けられます。
つみたてNISAに関するアンケート結果
Q1. つみたてNISAで使用している証券会社は?
つみたてNISAを利用している証券会社 |
|
回答数 |
% |
楽天証券 |
143 |
56.52% |
SBI証券 |
65 |
25.69% |
野村證券 |
13 |
5.14% |
SMBC日興証券 |
7 |
2.77% |
松井証券 |
5 |
1.98% |
大和証券 |
5 |
1.98% |
マネックス証券 |
3 |
1.19% |
LINE証券 |
3 |
1.19% |
auカブコム証券 |
3 |
1.19% |
その他 |
2 |
0.79% |
DMM株 |
1 |
0.40% |
PayPay証券 |
1 |
0.40% |
岡三オンライン証券 |
1 |
0.40% |
みずほ証券 |
1 |
0.40% |
Q2. つみたてNISAの証券会社を選んだ理由は?
つみたてNISAの証券会社を選んだ理由(複数回答) |
|
回答数 |
% |
買付手数料の安さ |
110 |
43.5 |
取扱商品数の豊富さ |
79 |
31.2 |
最低積立金額の低さ |
39 |
15.4 |
積立頻度 |
34 |
13.4 |
クレジットカード積立によるポイント還元率 |
91 |
36 |
ポイント投資が可能か否か |
55 |
21.7 |
口座開設キャンペーン |
41 |
16.2 |
その他 |
12 |
4.7 |
Q3. つみたてNISAの各証券会社の満足度は?
つみたてNISAの各社満足度(5段階評価) |
|
満足度 |
楽天証券 |
3.94 |
SBI証券 |
4.11 |
野村證券 |
3.85 |
SMBC日興証券 |
3.71 |
松井証券 |
4.2 |
大和証券 |
3.2 |
マネックス証券 |
4.33 |
LINE証券 |
3.33 |
auカブコム証券 |
3 |
その他 |
3 |
DMM株 |
3 |
PayPay証券 |
4 |
岡三オンライン証券 |
4 |
みずほ証券 |
4 |
積立NISA(つみたてNISA)とは?
積立NISAの概要
- 定期的に投資する積立方式
- 最大20年まで運用益が非課税
- 金融庁が認めた「投資信託」のみ投資できる
- 積立NISA(つみたてNISA)に対応している金融機関で始められる
定期的に投資する積立方式
積立NISA(つみたてNISA)とは、「毎月」「毎週」「毎日」といった頻度で定期的に積立投資を行う非課税制度のことです。定額購入法(ドル・コスト平均法)を自然に実践できるため、始めるタイミングを過度にこだわる必要はありません。
【定額購入法(ドル・コスト平均法)】
値上がり・値下がりする株式や投資信託の購入単価を下げるために定期的に一定金額ずつ買い付ける方法。購入時期を分散することで価格変動リスクを低減させる効果がある。定期的に一定額を投資すると、株価が安いときは多く、株価が高いときは少ない株数を購入することになり、結果として1株当たりの購入価格は平均化されます。
引用:日本証券業協会定「定額購入法(ドル・コスト平均法)」
最大20年まで運用益が非課税
積立NISA(つみたてNISA)の非課税期間は最長20年間です。(投資可能期間は2018年〜2024年まで)通常、株式や投資信託などへの投資によって得た利益には20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかりますが、非課税期間中に得た分配金や譲渡益はすべて非課税となります。
金融庁が認めた「投資信託」のみ投資できる
積立NISA(つみたてNISA)での買付対象となるのは、金融庁が認めた投資信託および上場株式投資信託(ETF)に限定されています。販売手数料が無料(ノーロード)であることや、運用コスト(信託報酬)が低いことなどが条件であり、長期間の積立、分散に適した商品のみが対象です。
2022年7月21日に金融庁が公表した「つみたてNISA対象商品届出一覧」によると、積立NISA(つみたてNISA)の対象商品は以下の通りです。
- 指定インデックス投資信託:183本
- アクティブ運用投資信託など:23本
- 上場株式投資信託(ETF):7本
合計213本の商品が届出済みで、金融機関によって取り扱う本数は異なり、一般的に、総合証券や銀行よりも「ネット証券」のほうが多い傾向にあります。
積立NISA(つみたてNISA)に対応している金融機関で始められる
積立NISA(つみたてNISA)を始めるには、サービスに対応している金融機関で非課税口座を開設する必要があります。対応の有無は以下のサイトで確認でき、2022年7月時点では596社が対応しています。
金融庁:
つみたてNISA取扱金融機関一覧(全業態・本店等所在地の都道府県別)
積立NISA(つみたてNISA)を始めたほうがいい人
ここでは、積立NISA(つみたてNISA)を始めたほうがいい方について解説します。
積立NISAを始めたほうがいい人
- 投資経験が少ない初心者
- 公的年金だけでは不安な人
- 将来のためにお金を増やしたい人
- 「投資しないリスク」を意識している人
投資経験が少ない初心者
投資経験が少ない方は、売買のタイミングなどを自分で決めるのは難しいかもしれません。しかし、定期的に積み立てを行う積立NISA(つみたてNISA)は、自分で売買のタイミングを決める必要がありません。「定額購入法(ドル・コスト平均法)」を自然に実践することによって、比較的リスクを抑えて投資できます。そのため、積立NISA(つみたてNISA)は投資初心者にも向いている制度といえるでしょう。
公的年金だけでは不安な人
人生100年時代と言われる中、老後生活に備えることの重要性が高まっています。老後の収入源の一つは「年金収入」ですが、国民年金や厚生年金だけでは不安という方もいるでしょう。
実際、少子高齢化を背景に年金財政がひっ迫しており、「将来の年金があてにならない」と考えている方もいるのではないでしょうか。年金以外の備えとして積立NISA(つみたてNISA)を活用するのも一つの方法です。
将来のためにお金を増やしたい人
将来に備えることが目的であれば、なるべくリスクを抑えて投資を行う必要があります。短期間でお金を増やそうとするとリスクも高くなるため、積立NISA(つみたてNISA)のように長期投資を前提とした制度のほうが向いています。
長期的に資産を形成したい方や老後生活に備えたい方など、将来のためにお金を増やしたい方は積立NISA(つみたてNISA)の利用を検討するとよいでしょう。
「投資しないリスク」を意識している人
投資をしなければ、保有商品の値下がりなどによって損をすることはありません。しかし、投資をしないことで生まれるリスクもあり、具体的には「インフレ」や「為替変動」などに起因するリスクなどが挙げられます。
インフレや円安が進むと、さまざまなモノの値段が上昇します。銀行預金金利も低金利の状況が続く中、円預金だけでは物価の高騰に対応できず、購買力が低下する可能性があります。
少しでもインフレや円安の影響を抑えるには、株式や不動産、外貨など、日本円以外の資産を保有しておくことが大切です。積立NISA(つみたてNISA)の商品でも、国内外のさまざまな資産に投資できるため、「投資しないリスク」を意識している方にも向いているといえるでしょう。
積立NISA(つみたてNISA)をやめたほうがいい人の特徴
続いて、積立NISA(つみたてNISA)をやめたほうがいい方の特徴も見ていきましょう。
積立NISAをやめたほうがいい人の特徴
- すぐに利益を出したい人
- 家計に余裕がない人
- 長期運用や積立投資、分散投資という投資方法が嫌な人
- 「投資するリスク」を過度に恐れている人
すぐに利益を出したい人
積立NISA(つみたてNISA)は長期投資を前提とした制度であり、短期的に利益を出したい方には向いていません。積立NISA(つみたてNISA)は少額をコツコツ積み立てることで、長期的に資産を形成する手段であることを認識しましょう。
家計に余裕がない人
家計に余裕がない方は、そもそも投資にお金を回すべきではありません。あくまでも投資は「余裕資金」で行いましょう。ただし、積立NISA(つみたてNISA)は少額からでも始められる制度です。金融機関によっては100円から始められるため、無理のない範囲で積み立てを行うこともできます。
長期運用や積立投資、分散投資という投資方法が嫌な人
そもそも長期運用や積立投資、分散投資という投資方法が嫌な方もいるでしょう。例えば、デイトレーダーのように短期売買を繰り返して利益を積み上げたい方や、個別銘柄に一括で集中投資したい方などは積立NISA(つみたてNISA)に向いていません。
自分で銘柄選択を行える方や売買タイミングを計れる方、リスクを許容できる方などは長期運用や積立投資、分散投資という投資方法が物足りないと感じる可能性もあるでしょう。
「投資するリスク」を過度に恐れている人
積立NISA(つみたてNISA)の対象商品は「投資信託」であり、銀行預金のように元本が保証されている商品ではありません。相場状況によっては保有資産が元本割れする可能性もあるため、「投資するリスク」を過度に恐れている方には向いていないでしょう。
ある程度のリスクを許容できないと、保有商品の値動きに一喜一憂し、場合によっては損切りして資産が目減りしてしまう可能性もあります。リスクを過度に恐れている方はそもそも投資に向いていないので、元本保証の商品を選びましょう。
積立NISA(つみたてNISA)で損しないための注意点
積立NISA(つみたてNISA)で損しないために、以下の注意点を押さえておきましょう。
積立NISAで損しないための注意点
- 狼狽売りをしてはいけない
- 投資する商品は吟味する
- 投資非課税枠は大切に使う
- NISA口座は1人につき1つまで
- 積立NISAのサービスが充実した金融機関で始める
狼狽売りをしてはいけない
狼狽売りとは、相場状況が急変した際などに保有資産を慌てて売ってしまうことを指します。損切りは悪いことではありませんが、なるべく感情的にならず、冷静に判断することが大切です。
そもそも、積立NISA(つみたてNISA)では定期的に一定額の投資信託を購入する「定額購入法(ドル・コスト平均法)」により取得価額が平均化されて価格変動リスクが抑えられています。また、積立金額はいつでも変更でき、値下がりした際に多めに積み立て、平均取得価格を引き下げることも可能です。なるべく狼狽売りはしないように心がけましょう。
投資する商品は吟味する
投資する商品を選ぶ際は、投資対象となる地域や資産の他、運用コストなどもよく調べておく必要があります。商品によってリスク度合いやパフォーマンスが異なるため、自身の投資方針に合った商品を選びましょう。
後から別の商品に乗り換えることもできますが、非課税枠の消耗につながる点には注意が必要です。
投資非課税枠は大切に使う
積立NISA(つみたてNISA)の非課税枠は、年間40万円(20年間で最大800万円)が上限です。仮に積み立てた資産を途中で売却しても、その分の非課税枠は復活しません。
例えば、40万円ずつ10年間積み立てた資産をすべて売却してしまうと、残りの10年間で400万円分しか非課税枠を使用できません。運用途中でまとまった資金が必要となるケースも考えられますが、売却しなければ非課税で運用を続けられるため、売却は慎重に行いましょう。
NISA口座は1人につき1つまで
NISA口座は1人につき1口座しか開設できません。また、一般NISAと積立NISA(つみたてNISA)は選択制であり、併用することもできません。それぞれの特徴を把握し、自分に合った制度を選びましょう。一般NISAと積立NISA(つみたてNISA)の違いを以下の表にまとめます。
| 一般NISA | つみたてNISA |
非課税期間 | 5年間 | 20年間 |
年間非課税枠 | 120万円 | 40万円 |
投資可能商品 | 上場株式・ETF・公募投資信託・REITなど | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
買付方法 | 通常買付・積立投資 | 累積投資契約に基づく積立投資のみ |
つみたてNISA口座の開設方法がわかる記事はこちら
積立NISA(つみたてNISA)のサービスが充実した金融機関で始める
積立NISA(つみたてNISA)を始める際は、サービスが充実した金融機関を選びましょう。選ぶ基準は人それぞれですが、例えば以下のようなポイントを基準に選ぶとよいでしょう。
選ぶポイント | 理由 |
取扱銘柄数が豊富 | 豊富な銘柄から自分の投資スタンスに合った商品を選択できる。分散投資の自由度が増す。 |
最低購入金額が低い | 無理のない範囲で始められる |
積立頻度が選べる | 積立頻度が細かいほど時間分散の効果が高まる |
ポイントサービスがある | ポイントサービスでお得に投資できる |
積立NISA(つみたてNISA)のメリット
積立NISA(つみたてNISA)の主なメリットは以下の通りです。
メリット
- お金が4~6%増える可能性が最も高かった
- 金融リテラシーもあがる
- 投資しないリスクを避けられる
お金が4~6%増える可能性が最も高かった
金融庁が過去の実績を基に作成した資料によると、資産や地域を分散して20年間積立投資を行った場合、年率4~6%の運用成果を得られるケースが最も多いとされています。あくまでも過去の実績であり、今後の運用成果も同様であるとは限りませんが、積立投資を長期間続けることにより、安定した運用成果を得られる可能性が高いといえるでしょう。
参照 : 金融庁「
つみたてNISA早わかりガイドブック」
一方、途中で売却した場合や積み立てをやめた場合など、投資期間が短いと元本割れするリスクが高まることも分かっています。安定した運用成果を得られる可能性が高い一方で、あくまでも長期間続けることが前提であることを頭に入れておきましょう。
金融リテラシーもあがる
投資を始めることで、それまで気にならなかったニュースなどにも興味を持つようになります。特に、保有資産に関する情報などを見聞きする機会が多くなるでしょう。さまざまな情報に触れることで、金融リテラシーがあがる点も積立NISA(つみたてNISA)を始めるメリットです。
投資しないリスクを避けられる
積立NISA(つみたてNISA)を始めることで、インフレや円安などに起因する「投資しないリスク」をある程度避けられるのもメリットです。経済状況や保有資産などによっては値上がりの恩恵を享受できるのも魅力でしょう。
積立NISA(つみたてNISA)のデメリット
一方、積立NISA(つみたてNISA)には以下のようなデメリットもあります。
デメリット
- 投資方法が限定されている
- 年に40万円が上限
- 非課税で得するのは利益が出た時だけ
- 元本保証はされていない
投資方法が限定されている
積立NISA(つみたてNISA)の買付方法は「積立投資」に限られており、対象商品は金融庁に届出済みの「投資信託および上場株式投資信託(ETF)」のみです。投資方法が限定されていることにより、物足りないと感じる方もいるでしょう。
年に40万円が上限
積立NISA(つみたてNISA)の非課税枠は年間40万円であり、最高でも月に33,333円(金融機関によっては33,000円)しか積み立てられません。さらに大きな金額で投資したい場合は課税扱いとなる点に注意が必要です。
一方、まとまった資金を運用していのであれば、非課税期間は短くなりますが、年間の非課税枠が120万円である一般NISAを利用するのも一つの方法です。
非課税で得するのは利益が出た時だけ
NISA口座で損失を出してしまうと、損失はないものとして扱われるため、損益通算や繰越控除を行うことはできません。このため、利益が出ないと非課税の恩恵を全く受けられないことがデメリットです。これに対して、一般口座や特定口座で損失が出た場合は他口座との損益通算が可能で、3年間の繰越控除も利用できます。
元本保証はされていない
積立NISA(つみたてNISA)の対象商品は「投資信託および上場株式投資信託(ETF)」であり、銀行預金のように元本が保証されている商品ではありません。相場状況によっては元本割れする可能性もある点に注意が必要です。
積立NISA(つみたてNISA)以外の選択肢
積立NISA(つみたてNISA)以外の選択肢として、iDeCoや一般NISA、ジュニアNISAなどが挙げられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。
積立NISA以外の選択肢
- 老後資金の準備のためならiDeCoがある
- 非課税で色々な商品に投資したいなら一般NISA
- 子どもの教育費を用意するならジュニアNISAもある
- そもそも投資したくないなら貯金+国民年金
老後資金の準備のためならiDeCoがある
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、毎月掛金を拠出して運用を行い、原則60歳以降に年金または一時金として受け取る私的年金制度のことです。積立NISA(つみたてNISA)と同様に、長期間の分散・積立を前提とした制度です。iDeCoと積立NISA(つみたてNISA)の違いを以下の表にまとめます。
| iDeCo | つみたてNISA |
年間投資額 | 第1号被保険者 | 81.6万円 | 40万円 |
第2号被保険者 | 14.4~27.6万円 (勤務先の企業年金などによって異なる) |
第3号被保険者 | 27.6万円 |
運用期間 | 加入から65歳まで(75歳まで延長可) | 20年 |
税制優遇 | 拠出時:掛金が全額所得控除 運用時:運用益が非課税 受取時:公的年金等控除、退職所得控除 | 運用益が非課税 |
途中換金 | 原則不可 | 可能 |
運用商品 | 定期預金・保険商品・投資信託 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 |
最低投資金額 | 5,000円 | 100円 (証券会社によって異なる) |
【第1号被保険者】
日本国内にお住まいの20歳以上60歳未満の自営業者、農業・漁業者、学生および無職の方とその配偶者の方(厚生年金保険や共済組合等に加入しておらず、第3号被保険者でない方)。
【第3号被保険者】
第2号被保険者(※)に扶養されている配偶者の方で、原則として年収が130万円未満の20歳以上60歳未満の方。(年収130万円未満であっても、厚生年金保険の加入要件にあてはまる方は、厚生年金保険および健康保険に加入することになるため、第3号被保険者には該当しません。)
※第2号被保険者
厚生年金保険や共済組合等に加入している会社員や公務員の方。
ただし、65歳以上の老齢基礎年金などを受ける権利を有している方は除きます。
(引用:日本年金機構「Q「第1号被保険者」、「第3号被保険者」とは何ですか。」)
積立NISA(つみたてNISA)と比較すると、iDeCoには以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
・掛金が全額所得控除の対象となる ・受取時も税制面で優遇される ・元本保証型の商品も選べる | ・原則として途中換金ができない ・掛金は最低5,000円以上 ・職業や加入する年金制度によっては投資上限額が少ない |
非課税で色々な商品に投資したいなら一般NISA
一般NISAで投資可能な商品は、上場株式や投資信託、ETF(上場株式投資信託)、REIT(不動産投資信託)などが挙げられます。積立NISA(つみたてNISA)と比べて商品の選択肢が豊富なため、色々な商品に投資したい方は一般NISAの利用を検討するとよいでしょう。
積立NISA(つみたてNISA)と比較すると、一般NISAには以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
・1年間に使える非課税枠が120万円 ・投資可能な商品が豊富 ・大きな利益も狙える | ・非課税期間が5年と短い(ロールオーバーは可能) ・初心者には銘柄選択が難しい ・リスクが高い |
【ロールオーバー(非課税期間終了時)】
非課税期間が終了した際には、NISA口座・ジュニアNISAで保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移行(移管)することができます。この移管のことを「ロールオーバー」と呼んでいます。なお、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が非課税投資枠を超過している場合も、そのすべてを翌年の非課税投資枠に移すことができます。
(引用:金融庁「用語集」)
子どもの教育費を用意するならジュニアNISAもある
ジュニアNISAは、未成年者を対象にした非課税制度です。非課税枠は年間80万円、非課税期間は最長5年間で、最大で400万円分の投資が可能です。ただし、18歳になるまでは払い出し制限があり、18歳未満の状態で引き出すと運用益が非課税になりません(災害などのやむを得ない場合を除く)。
積立NISA(つみたてNISA)と比較すると、ジュニアNISAには以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
・1年間に使える非課税枠が80万円 ・投資可能な商品が豊富 ・大きな利益も狙える | ・払い出し制限がある ・非課税期間が5年と短い(ロールオーバーは可能) ・初心者には銘柄選択が難しい |
なお、NISA制度の見直しにより、ジュニアNISAは2023年末で終了します。2024年以降は新規の口座開設ができません。
そもそも投資したくないなら貯金+国民年金
そもそも投資をしたくないという方は、預貯金などの元本保証商品に加えて、「国民年金」で備えることになるでしょう。ただし、公的年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって運用されています。間接的ではあるものの、国内外の株式や債券に投資されていることを頭に入れておきましょう。
積立NISA(つみたてNISA)と比較すると、「貯金+公的年金」には以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
・元本が保証されている ・投資による資産減少のリスクがない | ・銀行預金金利が低い ・好景気などによる資産価値上昇の恩恵をほとんど受けられない ・インフレに弱い |
つみたてNISAに関するよくある質問
積立NISAを始めるなら、銀行と証券会社のどっちがお得?
つみたてNISAを始めるなら証券会社の方がお得です。その理由は以下の3つです。
- 取扱銘柄数が多い
- より少額から始められる(最低100円から)
- 積立頻度が毎週や毎日を選択することができて自由度が高い
積立NISAの証券会社は、後からも変更できる?
NISA口座を開設する金融機関は、年単位で変更することが可能です。例えば、2023年1月にNISA口座開設をして、1度も買い付け(積み立て)を行っていない場合には、2023年9月30日までに変更の手続きを行えば、2023年分のNISA口座を開設する金融機関を変更することができます。ただし、変更前の金融機関で積み立てていた資産を変更後の金融機関に移管することはできません。
NISA口座だけ別の証券会社で開設することはできる?
普段取引をしているのとは別の証券会社で、NISA口座を開設することも可能です。なお、これまで取引をしていない証券会社で、NISA口座を開設するにあたっては、「総合取引口座」を同時に開設する必要があります。この口座は、買い付けるためのお金の管理や、金融商品の売買、保管をするために必要です。
iDeCoとつみたてNISAは同じ証券会社で始めるべき?
同じ証券会社でiDeCoとつみたてNISAを行う方が、資産残高の推移を金融機関のマイページやアプリで確認できるなど、口座管理がしやすいというメリットがあるのでおすすめです。一方で、無理に同じ証券会社である必要もありません。例えば、他の証券会社にしかご自身のニーズに合致する商品がない場合は、別々の証券会社で加入した方がいいでしょう。
複数の証券会社でNISA口座を保有することはできる?
はじめてNISA口座を開設する場合、その申し込みは1つの金融機関にしかできません。万が一、複数の金融機関で口座を開設し、買い付けを行ってしまった場合には、後から開設した金融機関で買い付けを行った分は非課税にならないため注意が必要です。なお、金融機関を年単位で変更することは可能です。したがって、金融機関を変更後には複数の証券会社でNISA口座を保有することになりますが、同一年に複数の金融機関のNISA口座で買い付けを行うことができない点は変わりません。
証券会社がもし破綻したら積立NISAはどうなる?
金融商品取引法では、証券会社に対して、顧客から預かっているお金や投資信託などの有価証券を、証券会社の資産とは区別して管理することを義務付けています。したがって、もし証券会社が破綻してしまった場合でも、NISAで積み立ててきた資産は戻ってきます。各証券会社では、分別管理の状況を公表していますので、そちらも確認してみるといいでしょう。なお、万が一、証券会社が分別管理を怠っており、資産が返還されない場合には、投資者保護基金が一人あたり1,000万円までの補償を行うことになっています。
証券会社にて約8年間勤務し、株式や投資信託、生命保険などの販売に携わる。退職後は金融ライター兼個人投資家として活動。保有資格は2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種、生命保険募集人など。金融ジャンルの記事を中心に執筆しつつ、日々のマーケット動向も注視している。
その他の執筆記事・プロフィール一覧へ
慶應義塾大学商学部会計ゼミにて会計を学んだ後、東京海上日動火災保険株式会社に就職。企業が事業活動を行ううえでの自然災害や訴訟に対するリスク分析・保険提案を3年間行う。
1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を活かし、取引先従業員に対するNISAやふるさと納税に関するセミナーの実施経験有。現在は、フリーランスとして保険や投資、税金などのお金に関する記事の執筆や個別相談・ライフプランニングの作成・実行支援を行っている。
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関西学院大学で会計修士(専門職)を取得後、2016年から2019年までNTT西日本グループの財務部門で決算や内部統制、DXに従事。マレーシアでの留学経験を経て、2022年10月FP事務所ライフホーカーを開業し、現在に至る。NISAや確定拠出年金(企業型・個人型)を活用した資産形成を中心にコンサルティング、記事執筆、講演等を展開中。
保有資格に、1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)、AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、ジェネラルCFO(日本CFO協会認定)など多数。その他の執筆記事・プロフィール一覧へ
SBI証券はSBIホールディングス傘下の主要なネット証券会社です。顧客預かり資産残高が20兆円を超え、ネット証券ではトップの額となるなど、日本国内トップクラスのネット証券会社です。
国内株式は業界内大手最安水準、投資信託取扱数2705本、外国株式は9か国に投資可能であり、その他にも、債券、FX、先物、CFD、金銀プラチナ、NISA口座、iDeCoなどなど、様々なサービスを展開する総合証券会社です。
つみたてNISAではクレジットカード決済の積立投資でポイントを得ることができます。iDeCoのセレクトプランは国内最安値水準のインデックスファンドに投資が可能です。
米国株式は最低取引手数料0円~と業界内最安水準です。また、住信SBIネット銀行では外貨購入の為替手数料が6銭、外貨積立では3銭の低コストであり、さらにSBI証券との外貨入出金が0円で可能です。米国株の取扱銘柄も多く、米国投資をする上では有力な候補となりうる証券会社です。
総合的にサービスの水準が高く、これから投資を始める人はまず最初に口座開設を検討したい証券会社の一つです。