人口減少、少子高齢化が顕在化し、日本の国力低下が危惧されているなか、東京は「一人勝ち」の様相を呈しています。そのような状況において、東京にオフィスを構える企業にメリットはあるのでしょうか?今回は、東京にオフィスを構えることの中長期的なメリットについて考えてみます。
人口も経済規模も拡大する東京圏
日本がすでに人口減少時代に突入していることは、誰もが知るところでしょう。一方で、東京への一極集中は進み、東京の人口は増え続け、経済的繁栄が続いています。東京都の発表によれば、東京都の総人口は2025年まで伸び続け(1,417.1万人に達する見通し)、一般世帯数は2035年の723.7万世帯まで増加し続けると予想されています。
2018年の時点で、東京都に神奈川県、埼玉県、千葉県を加えた東京圏の人口は約3,647万人と、日本の全人口の28.31%を占めています。また、少し古いデータにはなりますが、アメリカのブルッキングス研究所が発表した2014年度の世界各国都市別GDPでは、東京圏のGDPは1兆6,239億ドルで世界1位とされています。
このようなデータからも、多面的な都市としての東京の魅力は世界的に見てもトップクラスといえるでしょう。実際、森記念財団都市戦略研究所が毎年行っている「世界の都市総合力ランキング(GPCI)」の2018年版では、ロンドン、ニューヨークについで世界第3位に輝いています。
このGPCIは、世界の主要都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で複眼的に評価し、順位付けしているそうです。日本は、2016年に世界第3位の座を得てから3年連続でその地位を保っています。
2018年版GPCIの中では、『総労働時間の短さ』での改善が評価され、居住分野でトップ10入りとなりました。『GDP成長率』が上がったことなどにより、経済分野でも3位に上昇している」と指摘されています。
国際比較では抑制的な東京の不動産価格
2019年3月19日に国土交通省が発表した地価公示によれば、東京の商業地の地価は昨年比6.8%増、6年連続上昇となり、地価上昇基調は強まっています。
こうした事実から、一部では東京の地価に対する「高値警戒感」も囁かれていますが、国際的な水準では、東京の不動産価格はまだまだ抑えられているといえるでしょう。なお、一般財団法人日本不動産研究所の調べによると、マンション/高級住宅(ハイエンドクラス)の価格水準比較で、東京を100とした場合の各都市との比較指数では、香港が212.8、ロンドンが197.4、上海が125.3となっています。
(参照:日本不動産研究所 第12回 国際不動産価格賃料指数(2019 年 4 月現在))
国際都市・東京に自社オフィスを構えるということ
国際都市・東京にオフィスを構えることは、その企業にとって大変なステータスであり、ブランディング効果も非常に高いといえます。それと同時に、東京の将来的な成長性を見据えたとき、先高感のあるマーケットに自社オフィスという資産を持つ判断は充分「中長期的なメリット」になり得るといえるのではないでしょうか。
ただし、東京でのオフィス移転や新規開設は、機能的側面、資金的側面、ブランド価値的側面など多面的に検討していく必要があります。企業価値の向上も視野に入れながら不動産を有効活用していく「CRE(企業不動産)戦略」をしっかりと組み込んだ上で、自社ビルの保有を検討してみてはいかがでしょうか。(提供:自社ビルのススメ)
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