不動産管理会社を探しているけど「どんな管理会社が良いのかがさっぱり分からない」「業界に伝手もないので一体全体、どこにお願いしたらいいのかが分からない」など悩んでいる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は管理会社に関して以下の5大ポイントをまとめました。

  1. 管理会社の4大業務
  2. 管理会社の3タイプ
  3. 管理会社の費用目安と参考情報
  4. 管理会社選びでチェックすべき5大ポイント
  5. 管理会社の乗り換え方法

全て読むことで不動産の管理会社全般に対してのリテラシーを高めることができるでしょう。また新しいタイプの管理方法や将来を見越した不動産管理の仕方なども含めて総合的にどのような管理会社との付き合いをするべきなのかも分かります。

読者の中にはオフィスの管理会社をお探しの方もおられることでしょう。そうした方でも「一般的な管理会社とはどういったものか」を知っておくことはとても有用です。ご自身がお住まいのマンションで生かせる面もありますし、自社のオフィスを賃貸に出す場合に生かせる面もあります。オフィス管理会社との折衝で参考になる情報もありますので、ぜひ最後までお読みください。

管理会社選び,ポイント
(画像=pormezz/stock.adobe.com)
<目次>
1.管理会社の4大業務
1-1.一般的な物件管理3つ
(1)入居管理代行
(2)金銭管理代行
(3)建物管理代行(ビルメンテナンス)
1-2.資産に関した管理

【column 1】区分所有オーナーも経営代行(プロパティマネジメント)ができる

2.管理会社の3タイプ
2-1.タイプ1 管理専門タイプ
2-2.タイプ2 仲介と管理タイプ
(1)仲介メイン
(2)管理メイン
(3)仲介、管理、資産形成までを包括管理するタイプ
2-3.タイプ3 建設会社系タイプ

3.管理会社の費用目安と参考情報
3-1.費用目安
(1)費用相場は賃料〇%形式
(2)業務範囲によってプランが違う
3-2.費用の参考になる情報

4.管理会社選びでチェックすべき5大ポイント
4-1.CheckPoint1 資格などの有無
4-2.CheckPoint2 担当者の管理物件数
4-3.CheckPoint3 修繕計画などを提案しているか
4-4.CheckPoint4 トラブルの芽を早期に摘めるか
4-5.CheckPoint5 取り立てがちゃんとできるのか

【column 2】修繕費負担増を軽減して収益を守る

5.管理会社の乗り換え方法
5-1.個別オーナーの場合
5-2.管理組合と管理会社が契約している場合

6.相性の良い管理会社を見極めよう

1.管理会社の4大業務

管理会社選び,ポイント
(画像=dilok/stock.adobe.com)

管理会社によってさまざまな契約プランがありますが主に以下の4つのことをオーナーに代わって行なってくれます。

1-1.一般的な物件管理3つ

委託された物件に対して入居者・お金・建物にまつわることを管理します。一般的な物件管理は大きく分けると以下の3つです。

(1)入居管理代行

・募集
新規の入居者を募集(客付け)します。そのための広告掲載や営業、物件案内なども含まれます。

・契約、更新
入居者の契約や更新に関した業務を代行します。

・立ち合い
募集時の立ち合い以外にも、例えば「台風でガラス戸に亀裂がある気がする」「建物のどこかで騒音がする」など入居者以外に目視や現場確認が必要な場合があります。その場合、オーナーに代わって現場での立ち合いを行いオーナーの指示に従って必要な対処をするのも仕事の一つです。

・クレーム対応
日常に起きるさまざまなクレーム対応も行ってくれます。例えば「エントランスがチラシで汚れている」「鍵が開かない」「鍵をなくした」などのクレームを管理会社が代表して受けて対応してくれます。必要な場合はオーナーに確認をします。

(2)金銭管理代行

・賃料集金
毎月の家賃を管理会社宛てに振り込んでもらい管理手数料を差し引いた金額をオーナーに振り込む業務です。バラバラの場所に複数物件がある場合でも管理会社で支払日を作成し一括管理できるようにします。

・滞納督促
入居者の支払いが遅れた場合、督促を代行します。滞納が続く場合は、連帯保証人に連絡を取るなどをして支払いを促すことも役目です。管理会社によっては1~2ヵ月の支払い保証サービスがある場合があります。

(3)建物管理代行(ビルメンテナンス)

管理会社によって建物管理代行まで「一括で請け負う」「外注する」といった2パターンがあります。外注の場合は、委託費(外注費)が発生するので注意しましょう。

・修繕管理
建物の汚れや破損などを修繕管理します。

・清掃
エントランス周りや周辺道路、廊下、エスカレーター、階段、ゴミ置き場など入居者が日常的に利用する共有部分を定期的に清掃して美化の維持。ごみに関しては各地区にごみ収集日に合わせて管理会社が人を手配しています。

・維持管理
管理費などに相当する建物の維持管理も重要な業務の一つです。躯体の一部や塗装、配管などをメンテナンスする以外にも10~15年のタイミングで大規模メンテナンスをします。これらはオーナー以外に建物の入居者による管理組合が関わってくることがあるため、管理会社には普段から管理組合員との円滑なコミュニケーションがあることが大切です。
(参照:国土交通省「マンション大規模修繕工事に関する実態調査について」)

1-2.資産に関した管理

一般管理に加えて「不動産経営そのものもアウトソーシングする」「経営管理代行(プロパティマネジメント)をする」という管理会社もあるでしょう。不動産経営のプロが、物件の資産価値を高めるための経営戦略を提案し不動産の価値を継続的に上げるためのサポートをします。経営管理代行(1棟・区分のプロパティマネジメント)は、具体的に以下のような内容をオーナーの代わりに考えて提案するのが仕事です。

  • 物件をどのように利用すべきか
  • 物件をどのように改善すべきか
  • どのようなターゲットにすべきか
  • どのような手を加えればより不動産価値を維持、向上できるのか

また物件の市場価値と不動産価値そのものを最大化して最も収益が長期に取れる物件へと成長させるためのサポートも行います。

【column 1】区分所有オーナーも経営代行(プロパティマネジメント)ができる

実は、経営代行(プロパティマネジメント)は、区分所有の1物件からでも申し込みができます。一般的管理に経営代行(プロパティマネジメント)が加わると以下の2つの要素も検討することが必要です。

・マーケティング要素
プロによる精密なマーケティングに基づいた不動産のあり方を提案する

・資産形成要素
プロの目で見た資産形成計画により、継続的に人気があるオフィスとして高額賃料が期待できる方法などの収益の提案などが加わります。そのためより一層戦略的な不動産運用が可能です。その結果、保有物件の資産価値が総合的に上がり、保有物件をより長く健全経営していくことが期待できるため、会社資産が強固になります。

このような不動産経営は、従前は膨大な資金力のある大企業が取り入れた経営スタイルでした。そのため、多くの人は不動産の経営代行というと「そんなのは1棟ビジネスビルオーナーの話では?」と感じる人もいるかもしれません。しかし最近は、区分所有のマンションにも経営代行(プロパティマネジメント)をするという考え方が主流です。

そのため規模がまだ小さい会社でも、資産としてオフィスを区分所有して使います。将来的に会社が成長し移転をした場合には、区分所有オフィスを賃貸に出して会社の不動産事業として収益化していくのです。「会社の資産形成をする」という堅実な会社経営の方法として、小規模~大企業の経営者に見直されています。

このような経営代行(プロパティマネジメント)を得意とする管理会社も増加傾向です。不動産の「購入→管理→資産最大化→賃貸→売却」といった工程がワンストップで行える管理方式のため、オーナーは本業に専念しながら会社の資産を着実に増やすことができるビジネスモデルとして注目されています。

2.管理会社の3タイプ

管理会社選び,ポイント
(画像=ademka/stock.adobe.com)

管理会社のタイプは大きく分けると以下の3タイプあります。管理会社選びの参考にしましょう。

  • タイプ1 管理専門タイプ
  • タイプ2 仲介と管理タイプ
  • タイプ3 建設会社系タイプ

2-1.タイプ1 管理専門タイプ

一般管理のうち主に共用部分の清掃・点検立ち合いなどを行います。物件数が少ないうちはオーナー自身が管理することもあるでしょう(自主管理)。また管理組合のメンバーが担当制で行い一部の業務を管理会社に委託するケースもあります。

2-2.タイプ2 仲介と管理タイプ

集客と一般管理全体をするタイプです。一般的にイメージされる「街の不動産屋さん」はここに属します。管理会社の経営スタイルによって特徴が少し異なるのが特徴です。

(1)仲介メイン

物件数が多くサイト掲載なども迅速で掲載漏れが少ない傾向です。広告を含んだ営業活動全般が得意なため、募集~入居契約までの期間が早い傾向にあります。

(2)管理メイン

管理を得意とする管理会社には、管理業務を長くやっているベテラン社員が多く物件のことを積極的に理解してオーナーと入居者の間を円滑にするのが得意です。

このような地道な活動によりクレームやトラブルを未然に防ぐことも業務の一つです。万が一の場合でも互いにわだかまりが残らないように交渉するのにも長けています。引き継ぎや教育もしっかりとしているため、若い社員でも丁寧な対応が期待できるのも特徴です。

(3)仲介、管理、資産形成までを包括管理するタイプ

比較的新しい管理会社のスタイルです。一般管理に加えて物件全体の数十年後までを見据えた不動産経営戦略を行いオーナーと共に歩んでいきます。新築物件は翌年に10%程度下落、その後はおおむね築年10年ごとに大きく資産価値がシフトする傾向です。このような不動産の一般トレンドと日本の経済状況や建物周辺の不動産マーケット状況を含め以下のような備えを提案します。

  • どのタイミングで手を加えるべきか
  • 価格相場に対してどのように資産価値を維持するか

物件価値の維持と時代・市場ニーズに合った資産形成方法をオーナーと共に考えて伴走していくタイプの管理会社といえるでしょう。

2-3.タイプ3 建設会社系タイプ

大手デベロッパーや大企業建設会社などが建物を建築しそのまま同系の管理会社に管理をさせているタイプです。大手企業ならではのスケールメリットにより以下のようなメリットが享受できます。

  • 対応できる支店、人員が多い
  • ハイレベルな企業サイトを持っている
  • 集客に困らない
  • 建物部品などの在庫が一律にそろっている

自分の保有する物件が大手建設会社系の場合は、自動的に建設会社系タイプの管理会社になっていることがあります。

3.管理会社の費用目安と参考情報

管理会社選び,ポイント
(画像=taa22/stock.adobe.com)

管理会社に支払う費用は、管理会社と選択したプランによってさまざまです。以下では、管理会社の費用に関する情報をまとめてみました。

3-1.費用目安

(1)費用相場は賃料〇%形式

管理料の相場は集金した賃料の合計に対して〇%というケースが主流です。プランにより3~7%、多いところは10%と管理会社によって異なります。定義されているものではありませんが、一般的には5~10%程度です。

例えば、合計賃料が50万円で、管理料が賃料全体の5%という契約の場合、以下のような計算になります。

50万円:合計月額賃料 × 5% = 2万5,000円:月額管理料

(2)業務範囲によってプランが違う

管理業務全般には以下のような内容があります。

  • 仲介
  • 一般の管理(入居管理代行・クレーム対応代行・金銭管理代行・建物管理代行)
  • もう少し踏み込んだ管理(滞納保証・建物全体の定期整備点検ほか)
  • 出向対応(台風後の被害状況確認のために、オーナーの代わりに現場に赴くなど)

これらを組み合わせたプランにより月額管理料の負担費用割合が異なります。プラン内容をよく確認して希望に沿ったものを契約しましょう。

3-2.費用の参考になる情報

・相見積もりをする
管理料は管理会社により差があります。契約前には必ず資料請求を行ったうえで同じ条件で相見積もりを取り比較検討することが大切です。

・資料請求後の対面相談はするべき
管理会社に資料請求をした際、なるべく対面説明を希望して管理会社の人と直接会いましょう。対面することにより契約後に物件の賃借人への対応などが予想できます。また対面・会社訪問ともに断ってくるところは、たとえ安価であっても対象外にしておきましょう。

・管理物件を見せてもらう
ある程度、契約する管理会社が絞り込めてきたら管理会社が現在管理している管理物件を見せてもらえるか聞いてみましょう。もし建物の中には入れない場合でも外観や周辺までの案内くらいまでは大丈夫な場合が多い傾向です。例えば清掃管理まで依頼する予定の場合は、管理会社が管理している物件を見れば仕事内容やレベルがおおむね把握ができます。

・「実施して欲しいこと」「できること」の境界をしっかりと理解する
オーナーとして自分の代わりに作業をしてくれるのが管理会社の役目です。そのため自分が実施して欲しいことを確実に行ってくれる会社を選びましょう。管理会社に実施して欲しいことはすべて紙に書き出し内容を現実に対応してくれるプランを持つ管理会社が正解です。最も起きやすい契約後のトラブルは「このくらい、やってくれると思っていた」「全部、管理会社に任せているから大丈夫」などのオーナー側の思い込みによるケースです。

管理会社は基本的に契約した内容しか遂行しません。「近所だから」「大手だから」という理由で契約するのではなく、実施して欲しいことが実現できる管理会社選びをしましょう。

・オプションプランがあるかを確認する
一般管理の内容以外は、突発的に発生することが多いため、オーナー自身の忙しさも考慮に入れて管理会社を選びます。プランに含まれない出来事が発生した場合、会社員オーナーの場合はすぐに対応できないことが多い傾向です。そのため必要な作業が発生したときだけ対応を頼めるオプション支払いがあるかを確認しましょう。

オプションがないと契約プラン内容以外の出来事が起きた場合は、すべてオーナーが自分で対応することになります(プランがない場合でも契約条項に新規に盛り込むことは可能)。

4.管理会社選びでチェックすべき5大ポイント

管理会社選び,ポイント
(画像=naka/stock.adobe.com)

「これから管理会社を探す」「管理会社を乗り換える」といったオーナーが知っておきたいチェックポイントを5つ紹介します。

4-1.CheckPoint1 資格などの有無

管理会社に国家資格「管理業務主任者」を保有する人が何人いるかをチェックします。点検・報告は誰かが現場を見回れば「行った」ことにはなりますが、本当に必要なことがチェックされているかどうかは、点検した人の経験と知識に大きく左右されるため注意が必要です。
(参照:一般社団法人マンション管理業協会「管理業務主任者とは」)

4-2.CheckPoint2 担当者の管理物件数

担当者(営業パーソン)の抱えている物件数に注意をしておきましょう。担当者が動ける時間は労働時間内のため、一人の担当者が10数件以上の物件を抱えている場合、どうしても1件あたりの対応が手薄になります。事務作業以外の事柄がプランに含まれている場合、対応が手薄だとトラブル発見が遅れ対処が後手にまわりやすくなりかねません。

何かあった場合に社内連携で即時対応ができるだけの人員確保ができているかをチェックします。対面時に「担当の○○さんは、担当物件はいくつくらいあるのですか?」と質問するだけで答えてくれるでしょう。契約後、担当者が気に入らない場合は、その理由が明確であれば担当者の変更も依頼できます。

4-3.CheckPoint3 修繕計画などを提案しているか

修繕や点検が契約プランに含まれている場合は、オーナーや管理組合に対して必要な修繕計画などを提案してくれるのかもチェックします。多くの場合、管理組合では修繕費(管理費)として積立金を用意していますが、過去に算出した修繕計画に沿ったものでしかありません。変化する自然災害の規模、入居者の変化により建造物に手を入れる必要性が出てきた際に「明確な修繕計画を提案してくれるか」は非常に大切です。

たとえ管理しているのが建物の一部であっても、気が付いたことは適宜に指摘・提案してくれる管理会社は信用できます。不動産管理のあり方は常に変化しているため、従前の計画のまま放置するような管理会社かどうかは見極めておくことが必要です。
(参照:国土交通省「マンション標準管理委託契約書等 新旧対照表」)

4-4.CheckPoint4 トラブルの芽を早期に摘めるか

管理会社には、契約プランによってはオーナーへ「会計報告」や「事務報告」の業務があります。

(1)会計報告(契約プランによる)
・毎月の収支報告
・仲介の際の収支報告
・その他 会計にまつわる報告(支払い遅延・追加料金の発生など)

(2)事務報告(契約プランによる)
・点検報告
・修繕報告(修繕履歴の蓄積)
・クレーム報告

修繕履歴・業務履歴(またはオーナーへのメール・電話報告)がしっかりしていれば大きなトラブルに発展する前に芽を摘むことができます。入居者・オーナーの間に立つ存在として両者と良好な関係作りができているのかは、とても大切です。

4-5.CheckPoint5 取り立てがちゃんとできるのか

遅延・滞納は「賃料」「管理費(修繕積立)」のどちらにも発生の可能性があるでしょう。その際は管理会社が取り立て、または督促を行い必要な場合は連帯保証人に交渉をします。賃料の場合は未払いが続いた時点で立ち退いてもらい、次の賃借人を探せば早期解決が期待できるでしょう。しかし管理費(修繕積立)のみを未払いで入居し続けられると建物の修繕計画自体が進行できなくなる可能性もあります。

仮に修繕計画が進行した場合でも金額負担をしない入居者が金額負担をした人と同等の利益を得ることになるため、入居者間トラブルの元になりかねません。このようなトラブルの可能性があるため、遅延と滞納には早急な対処が必須です。これらを踏まえると取り立てと回収ノウハウの実績がある会社を選ぶことが無難でしょう。

法的な申し立てなどができる体制が整っているかどうかは、対応実績を聞くことで判断できます。

【column 2】修繕費負担増を軽減して収益を守る

不動産オーナーにとって予想外の修繕費の発生は大きな負担になりかねません。突発的な修繕費発生によるオーナー負担を軽減するための「5つの仕組」を用意し、万全のサポートを行っているのがボルテックスです。

1.バリューアップ工事の施工
土地柄やトレンドを考慮して必要なスペックとマーケットに合わせた価値基準となるように工事をしてから紹介・販売をします。最新のデザイン・水回りや空調施設などが完備した状態での引き渡しになるため、突発的なトラブルが起きにくい、質の良い不動産経営のスタートが期待できるでしょう。

2.一級建築士による長期修繕計画
一級建築士が立てた長期の修繕計画に則ってオーナーの資産を30年先まで見据えて大切に守ります。修繕計画は従来型の守りに加えて、経年しても市場で最大の価値を引き出せるような攻めの計画も提案。計画的で確実な修繕プランにより築年が経過しても資産価値を高値で維持し続けることができます。

3.組合管理設立後、ボルテックス負担で修繕積立基金口を拠出
オフィスビルであってもボルテックス主導で管理組合を設立し、所属メンバー全員で保有オフィスの資産価値の維持に努めます。オフィス棟でも1棟分譲マンションのように快適で安全な建物として管理するため、修繕積立基金口に数千万円~1億円程度までをボルテックスが拠出。そのため特定の組合員に多くの負担がかかることがないため、安心して管理組合に参加できます。

4.突発的な修繕に対応
自然災害やトラブルのほか現状に即した急ぎの修繕が必要になった場合でも3の修繕費用の積立基金があるため、安心して最善の修繕対応ができます。

5.2年間の整備メンテナンスサービス保証
引き渡し日より2年間、整備メンテナンスサービスをボルテックスが保証します。新築一戸建てなどについている保証プランに準じており、引き渡しから2年以内に起きた修繕が必要な個所に対して修理と交換をします。保証対象の金額は購入金額の10%を上限とします。
例)2億円の物件なら2,000万円まで保証

このように不動産経営をするうえで最も大きな心配ごとになる突発的な修繕費用が発生しにくいボルテックスの仕組みは、経営代行(プロパティマネジメント)という新しい管理会社のあり方として注目されています。
(参照:ボルテックス「突発的な修繕費による負担増を軽減させる5つの仕組」)

5.管理会社の乗り換え方法

管理会社選び,ポイント
(画像=evkaz/stock.adobe.com)

現行で契約している管理会社に不満があれば管理会社の変更はいつでも可能です。本章では管理会社を新しくする場合の乗り換え方法をまとめました。

5-1.個別オーナーの場合

・現行管理会社で納得がいかない部分を箇条書きにしておく
新しい管理会社が今の管理会社と同じでは意味がありません。今までのデメリットをカバーしてもらえるように希望する管理内容をまとめておきます。

・新しい管理会社を探しておく
現行の管理会社のデメリットをカバーできるような管理会社を探して管理委託を検討している旨を伝え詳細などを確認しておきます(3章参照)。

・現行の管理会社に解約の意思を伝える
まずはメールなどで解約意思があることを伝えます。担当者を変更するだけで問題解決する場合もあるため、まずはデメリットに感じていることを素直に伝えて改善を要求しましょう。

・賃借人に新しい管理会社に変更する旨を伝える
新しい管理会社に変更することが決定したら賃借人に管理会社変更のお知らせをします。これは現行の管理会社が行い諸業務の引き継ぎは、管理会社同士で行うのが一般的です。

・新規管理会社から契約書などを送ってもらう
新規管理会社から賃借人に新規契約書を送付してもらいオーナーは管理委託契約を開始します。

・注意点
管理会社はよく吟味しあまりコロコロと変えないように注意しましょう。賃借人の立場からすると毎月の賃料の振り込み先が変わってしまうため、多少のわずらわしさがあります。また契約書へのサインの手間なども含めて賃借人の更新などのタイミングに合わせるなどの配慮が必要です。

5-2.管理組合と管理会社が契約している場合

・現行管理会社の問題点洗い出し
現行の管理会社の問題点を管理組合のミーティングで洗い出し議題として提案しましょう。最終的には総会での多数決になるため、争点になる部分をしっかり説明する必要があります。

・新規管理会社募集
管理組合から候補の管理会社に対して打診をします。その際、管理組合で補完している建物の仕様書などを添付して現状の建物と入居者状況などを総合的に判断してもらうことが必要です。

・現地調査と仕様説明
募集に対して応募があった場合、管理会社が現地調査として建物にきます。その際に仕様書に沿って説明が必要です。調査後、管理会社から提案書などが届き内容によって管理会社候補が絞られます。これらの代表者は理事会とその他委員選出などで決めましょう。

・総会で審議~決定
ここまでの経緯を説明のうえ総会で候補から管理会社を選出します。オーナーによる投票(普通決議)が多いですが理事会に一任している場合もあり形式はさまざまです。賃貸人に決議権はありませんが総会で決まったことには従う義務があるため、総会に参加して意見を述べる権利はあります。管理会社を決める際の資料としては決まりがありませんが以下のような方法があるでしょう。

  • 管理会社にプレゼンテーション形式で説明してもらう
  • もらっているPPTなどを理事会員が説明する
  • PPTをデジタル配信する
  • 資料を全員で読む

審議は数回に及ぶことがありこれも総会で進行方法を合議します。審議内容にはかなり具体的な内容が含まれていることが必要です。例えば以下のような入居者またはオーナーの意見がここで反映されます。

  • 管理人室には小学生高学年の下校時間までは待機して欲しい
  • 自分たちでの清掃を強化する代わりに、週4日の清掃を週3日にして委託費を軽減したい
  • 宅配ボックスの設置をして欲しい

契約前に最終審議として重要事項説明などを含めた臨時総会が開かれ決議されます。基本的に議決権は1戸に対して1ですが、1人で数戸の専有部分を所有している場合、議決権は1と数えます。例えば1人で10室を所有するオーナーの議決権は1となります。
(参照:e-Gov区分所有法第39条第1項

・解約通知と引き継ぎ
1社に決定したら契約・解約通知などをします。解約通知は原則新規契約をする3ヵ月前までに行います。引き継ぎは管理組合の理事会立ち合いの元に行います。
(参照:国土交通省「マンション標準管理委託契約書等 新旧対照表」)

・注意点
多くの人の参加が必要となり時間エネルギーとも大きく使います。ただし管理の質が向上して必要な修繕ができるなど恩恵もあるため、今までの管理会社に疑問を感じていた人が多い場合は積極的に検討しましょう。懸念点は、オーナーよりも長く入居している人たち(占有者)が今までと様式が変わることに対して心理的な不安を抱きやすい点です。

特に長期にわたり同じ管理会社が管理していた場合は、契約書に記載がなくてもその建物の慣習として行われていた部分などがカットされてしまうため、住人には必ず戸惑いがあります。段階的な変更告知などで心理負担を取り除いてあげる配慮は必要です。

6.相性の良い管理会社を見極めよう

管理会社の業務といっても思った以上に幅広い役割があることが理解できたのではないでしょうか。管理会社に関して以下のようにまとめました。

  1. 管理会社の4大業務
  2. 管理会社の3タイプ
  3. 管理会社の費用目安と参考情報
  4. 管理会社選びでチェックすべき5大ポイント
  5. 管理会社の乗り換え方法

この記事を参照することでオーナーとして必要な管理会社のタイプがおおむねつかめるでしょう。すでにオーナーの人だけでなく、これからオーナーになることを検討されている人も最適な管理会社との出会いが不動産投資における成功の秘訣です。ポイントをしっかりと押さえたうえで相性の良いパートナーを探しましょう。(提供:自社ビルのススメ


【オススメ記事 自社ビルのススメ】
「都心にオフィスを持つ」を実現するには
資産としてのオフィスを所有し戦略的に活用するには
今の時代は「オープンフロア・オフィス」そこから生まれるイノベーションへの期待
自社ビルのメリット・デメリット
CRE戦略としての自社ビル