「プロパティマネジメントというサービスの存在は知っているが、それが自社の今後にとって必要かどうかの判断がつかない」
「今ある不動産、これから購入していく予定の不動産などを含め、オーナーとしてプロパティマネジメントをお願いしたら、今後はどういう展開になるのかを知りたい」

と、プロパティマネジメントについての詳しい情報をお探しでしょうか?今回は、プロパティマネジメントに関して以下3つの内容をまとめました。

  1. プロパティマネジメントとは
  2. プロパティマネジメント導入のメリット・デメリット
  3. ボルテックスのプロパティマネジメント

最後までお付き合いいただければ、プロパティマネジメントの全体像がつかめるだけでなく、自社にとって必要なサービスかどうかの判断が可能となるでしょう。また、導入した際に起きるメリットデメリットについても理解できますので、的確な経営判断のヒントになるはずです。

プロパティマネジメント
(画像=nespix/stock.adobe.com)
<目次>
1.プロパティマネジメントとは
2.プロパティマネジメント導入のメリットデメリット
3.ボルテックスのプロパティマネジメント
4.まとめ

1.プロパティマネジメントとは

プロパティマネジメント
(画像=mind-and-i/stock.adobe.com)

プロパティマネジメントとは、オーナーに代わって不動産に付加価値を与え、オーナーの利益最大化を図るマネジメント業務全般を指します。

マネジメント内容は大きく分けると以下の3つです。

(1)経営代行(運用)

オーナーに代わり、不動産経営業務全般を代行し、物件稼働率を上げて収益向上を目指し、運用コストの管理をします。具体的には以下の4つになるでしょう。

・テナントの誘致
テナントのリサーチ・審査・入居までの一連業務。適切なテナントを見極め、必要な場合は周辺オフィスや市街との連携をとった誘致提案をします。

・賃貸業務全般
オフィス・テナントなどを含めた、建物全体の賃貸業務管理(募集・案内・審査・入居・退去・施設管理ほか)をします。

・一般管理
建物と入居者の管理(美化清掃・安全管理と点検・緊急時対応・クレーム処理ほか)を行います。

・マーケティング
不動産の募集や誘致に関わる適切なデータを得るための調査や、賃料設定・運用コスト低減のための調査を行います。

(2)会計管理

不動産についての経理・会計に関わる業務全般を代行します。以下に具体的な業務内容を説明しています。

・賃料の入出金確認作業
入居者の賃料確認と滞納・督促などを含めた確認と月次キャッシュフロー管理と報告を行います。

・請求書などの発行事務
請求書・領収書などの事務手続き全般です。

・各種費用の支払い手続き
返金・修繕費などの支払い手続きを代行します。

・会計報告
会計報告として、オーナーに四半期や年度末の報告義務があります。

・税務処理
各種税金の支払いなどを行います。

(3)不動産の資産価値管理

不動産のライフサイクルに合わせた設備投資や、時代に合わせた不動産の運用スタイルの変更といったことをオーナーに提案し、長期間にわたる収益安定化をオーナーに代わってマネジメントします。

・経年劣化による修繕、改修工事の提案
不動産の経年劣化している部分の修繕・改修工事のタイミングを判断し、修繕計画と合わせてオーナーに提案します。

・施工会社選びと工事手配全般
工事に必要な技能を持った施工会社の選定とその与信、工事手配の全般を行います。

・工事管理
工事計画と工事の進行管理全般を行います。

・リニューアルの提案と計画
経年劣化による修繕改修以外の理由で、将来的により良い収益結果を得るために必要なリニューアルの提案と資金計画を提示します。

1-1.アセットマネジメントとの違い

本項では、プロパティマネジメントとアセットマネジメントの違いを簡単に説明します。プロパティマネジメントを検索していると、「アセットマネジメント」という単語が出てきます。説明を読むと似たような表現が多く、金融に詳しくない方だとハッキリした違いがわからないことがあるでしょう。

今回は、非常に大まかな説明になりますが、両者の違いをまとめました。

・プロパティマネジメントとは
不動産オーナの代理人として、個別不動産の収益最大化を追求する業務を指します。プロパティマネジメントの場合、不動産は企業の「財産」とみなされます。

・アセットマネジメントとは
不動産オーナーを含んだ投資家の代理人として、プロパティマネジメントの指示をし、利回り最大化と資産価値の最大化を追求する業務です。アセットマネジメントの場合、不動産は企業の「資産」とみなされます。

保有する不動産が少ない時期はプロパティマネジメントだけでも問題はありませんが、複数の不動産を同時管理するようになった場合、個別物件ごとのキャッシュフローと経営状態を正確に把握するのは難しいでしょう。経営状況の判断が遅れると、適切なタイミングでマネジメントが出来なくなり、不動産所得が黒字でもキャッシュフローが赤字になるといったアンバランスな経営結果になる可能性が増えていきます。

そこで、不動産運営にアセットマネジメントの視点を取り入れると、不動産の組み換えや再投資などの出口戦略までを見据えたトータルなマネジメントが可能になり、自社の資産増大に大きく貢献します。このような背景から、プロパティマネジメント会社を選ぶ場合は、アセットマネジメントまでを含めた管理サポートができる会社と二人三脚で歩くスタイルが理想です。

(参照:株式会社ボルテックスHP「収益効果を最大化するアセットマネジメントサービス」

1-2.一般的なビル管理(ファシリティマネジメント)との違い

本項では、一般的なビル管理(ファシリティマネジメント)とプロパティマネジメントの違いをまとめました。一般的なビル管理(ファシリティマネジメント)とは、不動産とその付帯設備に起きることに対応・対処する管理のことです。例えば、以下のようなケースです。

  • 賃料などの管理
  • 修理点検管理
  • ビルの美化清掃 
  • 非常時(水漏れ・ドアがあかない)などの緊急対処

忙しい不動産オーナーにとって、上記のような「時間や手間のかかる作業」である不動産の一般管理の代行をしてくれます。

これに対し、プロパティマネジメントは不動産の経営代行をしますので、不動産収益の向上を目指しているという違いがあります。多くのプロパティマネジメント会社は、一般的な不動産管理業務も請け負う業務の中に含まれていることが多いでしょう。

2.プロパティマネジメント導入のメリットデメリット

プロパティマネジメント
(画像=freedomz/stock.adobe.com)

本章では、プロパティマネジメントを導入するにあたって発生するメリットとデメリットをまとめました。

2-1.プロパティマネジメント導入のメリット

それでは、具体的な8つのメリットについて見ていきましょう。

(1)物件を保有するだけで良くなる
プロパティマネジメントを導入すると、不動産の保有と経営が分割されるため不動産オーナーは物件を持っているだけで良くなります。特にオフィスビルの場合は管理組合などが存在しないため、アウトソーシングしたとしても管理全般に関する詳細な事柄は最終的にオーナーが関わることになります。 プロパティマネジメント導入によって不動産管理のプロに任せられるようになると、オーナーはただ不動産を保有していれば良いのです。

(2)不動産収益が上がる
プロパティマネジメント導入最大の目的は、収益の最大化です。プロのマーケティングと市場判断による以下のような提案を受けることができます。

  • 空室対策案
  • 優良テナント導入案
  • 既存入居者へのケア

オーナーは担当者と自社の方向性をすり合わせながら判断をするだけで、不動産収益の向上が期待できるようになります。

(3)必要な修繕プランなどを考えてくれる
プロパティマネジメントの保守管理業務によって修繕・改修などの必要性が明らかになった場合、その工事の具体案と計画時期の提案もプロパティマネジメントの担当者が作成してくれます。提案内容は、内外装デザイン・仕様変更・設備変更・耐震補強など多岐にわたり、それぞれの工事がどのタイミングで必要になるかも適切に提案されます。

施工業者の選定は修繕工事の要ですが、プロパティマネジメントの導入により、担当者が施工会社と直接交渉することで適正な工事費用と信頼のおける施工会社の選定ができるようになります。

(4)オーナーが初心者でも大丈夫
初めて不動産オーナーになった人にとって、プロパティマネジメントの導入による担当者の存在は何よりも心強いでしょう。オーナーが経営者または法人である場合、自社の従業員に資格を取らせてプロパティマネジメントを担当させることは出来ますが、まずプロと比べて圧倒的に知識と経験が乏しいことと、万が一その従業員が退社した場合はまたゼロから人を探すことになります。不動産で効率良く収益を最大化するというプロパティマネジメントのゴールそのものから外れてしまいます。

プロパティマネジメントの専門会社であれば、担当者が変わっても適切に引き継ぎがされ、プロフェッショナルなサポートが継続されます。恒常的に担当者が存在していれば、安心して不動産の数を増やしていけ、資産を増大しながら本業にも専念できます。

(5)原状回復をしてくれる
どの不動産でも、テナント退去時には原状回復の必要があります。原状回復工事に関した様々な問題は、プロパティマネジメントの導入によって解決しやすくなります。

プロパティマネジメントの担当者がテナントと工事内容の話し合いを提案してくれるため、オーナーの精神的負担はかなり軽くなります。また、プロパティマネジメント担当者は、原状回復を退去時の問題ととらえず、新規入居者に対しても原状回復に関する詳細説明を行ってくれますので、理解があいまいな部分が減り、退去時に問題が起こりにくくなります。

(参照:国土交通省「原状回復のガイドライン」

(6)空室リスクが減る
プロパティマネジメント導入により、空室リスクは下がるでしょう。空室によるリスクで最も懸念すべきなのは資金繰りです。不動産をローンで購入した場合、賃料から返済するプランが成りたたなくなり、オーナーが困ってしまうのです。

これらの問題は、プロパティマネジメント導入により以下のような対策が取られます。

  • テナント募集をする
  • 問い合わせ対応
  • 物件情報の広報(流通)活動
  • 適切な図面作成

担当者が常に適切な入居者の確保に動き、空室を未然に防ぐように努めます。また、万が一空室が出た場合でも、早期に入居者が決まるよう、迅速な対応をしてくれます。

(7)トラブル対応をしてくれる
入居者やテナントに起因するトラブル全般にも対応してくれます。

  • 滞納家賃と管理費の督促
  • 立ち退き連絡と対応
  • トラブル発生時の対応

不動産運営で起きるさまざまなトラブルへの対応業務を代行してくれますので、オーナーは本業に専念できます。

(8)将来、物件が増えても大丈夫
プロパティマネジメント会社では、どのようなタイプの不動産にも適切で適宜なサービスが提供できるように、マネジメント業務のガイドラインを設定しています。このガイドラインはそのままプロパティマネジメント会社の品質特徴にもなります。

信頼できるプロパティマネジメント会社にお願いしていれば、今後、管理すべき不動産が増えても一元管理でお任せでき、長期的に安定した収益が期待できるようになるでしょう。

2-2.プロパティマネジメント導入のデメリット

次に、プロパティマネジメントを導入することで発生する2つのデメリットについて解説していきます。

(1)プロパティマネジメントの経費が必要
プロパティマネジメント会社に支払う費用が必要になります。相場は取り扱いをお願いする総賃料の3〜9%程度と言われています。例えば、管理をお願いする総賃料が月額100万円の場合は、固定費として月額3~8万円(年間36~96万円)をプロパティマネジメント会社に支払うことになります。

<対策>
割引制度があるか打診しましょう。一般的に、長期契約やビル一棟全てをお願いするほうが、不動産を個別でお願いするよりもパーセンテージが低くなりお得になります。

基本的にプロパティマネジメントの代金は作業全体に対してであり、プランの内容を削らないほうが良いでしょう。また、プランに記載していないことでやって欲しいことがある場合でも、特殊な場合を除いて追加料金は発生しないケースが多いため、契約する前に確認しておきましょう。

(2)会社選びが難しい
プロパティマネジメントは、近年になって需要が伸びてきた不動産業界の新しい役割です。そのため現在、精査できるような専門機関がないのが現状です。会社選びには慎重を期すべきでしょう。

不動産業をするには宅地建物取引士・管理業務主任者・マンション管理士という国家資格保持者と業務経験が必要です。ただ、プロパティマネジメント自体には資格が必要ないので、すでに運営している不動産会社であれば明日からでもプロパティマネジメント業務を開始できます。

そのため、プロパティマネジメントを謳いながら、実際には一般的な不動産管理業務しか出来ないところや、プロパティマネジメントのノウハウを蓄積できていないところも少なくないのが現状です。

<対策>
まずは、プロパティマネジメント会社候補から資料請求をして、一定の運用成績が出せているかを確認しましょう。記載がない場合は、営業担当者に質問し、口頭でも明確な説明ができない会社は除外して良いでしょう。

また、資料請求後は出来るだけ各社が開催するセミナーや勉強会に出て、自分の目と耳でプロパティマネジメント会社の全体像を確認すると良いでしょう。それ以外にも、営業担当者に対面し、出来れば管理物件を数軒確認してから、総合的に判断するのが無難です。

3.ボルテックスのプロパティマネジメント

プロパティマネジメント
(画像=freedomz/stock.adobe.com)

ボルテックスは、都心のオフィスビルを1フロアごとに区分化して販売する「区分所有オフィス®︎」のリーディングカンパニーです。本章では、ボルテックスによる「区分所有オフィス」を活用したプロパティマネジメントの長所をまとめました。

3-1.ビル一棟ではなく区分所有ができる

プロパティマネジメントのことは理解できても、都心のビル一棟は高額で自分では手を出せない……と思う経営者は多いのではないでしょうか。

しかし、オフィスビルは一棟ではなくても保有できる時代になりました。「区分所有オフィス」という方法で、都心のプライムエリアに自社ビルを保有することができます。ボルテックスが提案する「区分所有オフィス」は日本の大手有名企業が本社機能を持つ、東京都心のビジネス街に集中しています。

日本有数の企業の本社が建ち並ぶエリアにオフィスビルを区分所有し、そこに自社オフィスをかまえることができるのです。例えば、大手町にある「区分所有オフィス」に本社機能を持たせれば、名刺やホームページに掲載される本社住所は「東京都千代田区大手町〇丁目〇番地」と使用できますので、企業の信頼度とブランド力が飛躍的に向上するでしょう。

昨今のリモートワーク化により、大きな事務所は必要としないとする企業も出てきています。自社にとって適切な大きさの「区分所有オフィス」を事務所にすることで、経費節減になるだけでなく価値変動率が低く、長期間安定した運用ができる不動産という資産を手に入れられるのです。

また、自社で利用しない場合でも、このような立地の「区分所有オフィス」を賃貸に出せば借り手が見つかりやすいといえるでしょう。「資産」として保有していれば本業以外の収益確保が見込め、経済状況の急激な変化にも柔軟に対応ができます。

何より、区分所有タイプなので、小さな資金から自社ビル不動産を購入でき、プロパティマネジメントによる収益最大化によって自社の資産が向上、全体的な経営状態にも貢献します。

(参照:株式会社ボルテックスHP「区分所有オフィスとは」

3-2.区分ごとに買い足しが出来る

プロパティマネジメントによる資産増計画がある場合は、区分の買い足しも出来ます。東京都心のオフィス街にある「区分所有オフィス」は、賃貸にも適しており、自社のオフィスとしては手狭になったら賃貸オフィスとして貸し出すことができます。

立地が良いので空室リスクは低く、賃料下落もおきにくいため、ローン購入の場合でも比較的早いペースで返済が進み、買い足しの資金計画も立てやすいでしょう。例えば、同じビルの同じフロアを買い足していけば、時間をかけて都心プライムエリアのワンフロアを自社のオフィスにすることも可能です。

その他、さまざまな買い足し、買い増し方法がありますので、自社の経営ビジョンに即したプロパティマネジメント計画を担当者に提案してもらえます。

3-3.売却と資産組み換えにも伴走

「区分所有オフィス」は保有して自社の資産としても良いですし、売却をして利益確保をするのにも向いています。区分であれば一棟よりも流動性は高くなり、急な資金需要にも対応できます。また、ボルテックスのプロパティマネジメントは、不動産経営の出口戦略の一環として、資産の組み換えなど柔軟に対応できます。

経済状況の急激な変化や経営体制の変化により資金の調達が必要になった場合も、不動産を売って現金化するなどの対応が可能です。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。プロパティマネジメントに関して以下のようにまとめました。

  1. プロパティマネジメントとは
  2. プロパティマネジメント導入のメリットデメリット
  3. ボルテックスのプロパティマネジメント

良質なプロパティマネジメント会社との出合いは、長期的に不動産収益を安定させるだけでなく、自社の資産増大にも貢献します。また、将来への明確なビジョンと不動産運用のノウハウを提供してくれる存在として、オーナーと二人三脚で不動産事業展開をしていく、信頼できる不動産経営のパートナーとなる可能性があります。

都心にオフィスを構える第一歩として、区分所有オフィスを検討してみてはいかがでしょうか。

※「区分所有オフィス®」は株式会社ボルテックスの登録商標です(提供:自社ビルのススメ


【オススメ記事 自社ビルのススメ】
「都心にオフィスを持つ」を実現するには
資産としてのオフィスを所有し戦略的に活用するには
今の時代は「オープンフロア・オフィス」そこから生まれるイノベーションへの期待
自社ビルのメリット・デメリット
CRE戦略としての自社ビル