日本は数多くの医療保険が存在しているが保険の内容をしっかりと把握している方は少ない。今回は6つの医療保険を紹介しながら選び方や役割を解説する。自身にあった医療保険を選択するためにも6つの種類を覚えることで医療保険に対する知見を深めていこう。

医療保険の役割とは?

医療保険,種類
(画像=Mushakesa / Shutterstock.com)

そもそも保険の役割は「被保険者に万が一があった場合に保障を受けられるようにする」といった役割をもっている。

被保険者が死亡した場合に保障が下りるという形であれば死亡保険といった具合に場合分けがされており、今回解説していく医療保険は被保険者に何かしらの高額医療が必要になった場合に保障が下りるものだ。

細かい部分では異なるが、がん保険等も医療保険の一種であり、被保険者ががんになった場合に保障してくれる役割を持つ。

ここでいう「保障」というのが「何に備えるか?」という役割の違いによって大きく医療保険のタイプが変わり、将来自分の身に起こる病気に備えるのか、それとも病気に備えながらも貯蓄性の高いものにするといったものだ。

前者のように、将来自分の身に起こる病気において高額な治療費がかかってしまう場合であれば、その費用の為に保険をかけるというのは容易にイメージができるだろう。

しかし貯蓄性の高い医療保険といってもピンとこない人の方が多いのではないだろうか。

通常の貯蓄というと預金や貯金といったケースが考えられるが、その貯蓄だけでは自身の病気にかかるお金を賄えない可能性がある。

このような場合に活躍するのが貯蓄性がある医療保険となり、自身が重い病気にかかってしまった場合は保証金を支払い、病気にならなかったら満期となった医療保険にかかったお金がもらえるといった仕組みだ。

以上のように医療保険には単純に病気に備えるケースと貯蓄をしながら、万が一の場合に備えるケースの二種類があることを覚えておこう。

医療保険は6種類

医療保険には大きく分けて6種類あり、「終身医療保険」、「定期医療保険」、「貯蓄型医療保険」、「女性保険」、「引受基準緩和型医療保険」、「無選択型医療保険」といった形に分類される。

細かい部分は以下で解説していきのだが、「貯蓄型医療保険」に関しては少しちがった毛色となっており、その名の通り「貯蓄性」があうことが特徴だ。

それでは6つの医療保険についてそれぞれ詳しく紹介していく。

終身医療保険

一番最初に紹介するのはオーソドックスな医療保険である「終身医療保険」だ。

CMでも聞き覚えがあるであろう「終身医療保険」は被保険者が亡くなるまで保障が続く医療保険となっており、亡くなるまでといった部分では死亡保険にも通ずるところがある。

「終身医療保険」ではどのような場合に保険金が下りるのかというと、病気やケガによって入院や手術が必要だったり病院に通わないといけなかったりする場合だ。

後述する定期医療保険とは保障される期間が異なるといった場合で自分がば長生きすればするほどお得な医療保険となっている。

「終身医療保険」で注意する点はケガや病気に罹った場合といってもすべての病気やケガに対応しているという訳ではない点だ。

たとえばガンや女性特有の病気、急性心筋梗塞、脳卒中といったものに関しては「終身医療保険」のl区分を超えるといったケースもあるのでさらにお金を請求される場合もある。

以上のことから、「終身医療保険」は自身が死亡するまでの保険が欲しいと感じているのであれば入っておきたい保険の一種といえるだろう。

定期医療保険

「終身医療保険」のように自身が死ぬまでの保障ではなく、一定の期間の保障でよいといった場合は「定期医療保険」がおすすめだ。

「定期医療保険」では一定期間を定めて、保険金を支払うことで一定期間病気やケガがあった場合の入院費用や手術費用が病院に通う費用を保障してもらう制度となる。

定期医療保険でもらえる給付金については様々なケースがあり、手術一回にたいしていくらといったものから、入院や通院に対して一日あたりいくらといったものまで多岐に渡る。

基本的な部分に関していえば「終身医療保険」とほぼ同じではあるのだが、一つ異なるのが一定期間のためそれ以上の保障期間を求めようとすれば更新が必要となってくるのだ。

自動更新されるものもあるが、「定期医療保険」よりも「終身医療保険」の方が保険料が安いといった特徴があるので、もし自分が長く医療保険に入るのであれば「終身医療保険」の方に加入するのがおすすめだ。 また各会社によって異なるのだが、「定期医療保険」の更新が行われると保険料が引き上げられるのが一般的なので長期間、「定期医療保険」を使用していると最終的な保険料が際限なく上がってしまうといったデメリットがある。

総じて自身の収入に不安がある場合や貯蓄が少ないといった場合に一定期間保障が欲しいのであればおすすめの医療保険だ。

貯蓄型医療保険

6つの医療保険の中で毛色が違うものであるのが「貯蓄型医療保険」だ。

「貯蓄型医療保険」は一定期間もうけられた期間内で保険料を納めるタイプと、被保険者が亡くなるまでの終身タイプの二つの種類が存在する。

なぜ「貯蓄型医療保険」といわれるのか?その仕組みは「健康還付金」といった形で各会社が定める年齢までに健康でいられたら還付金を貰うことができるからだ。

これまで紹介した「定期医療保険」や「終身医療保険」よりも掛け捨てでない分、毎月支払う保険料は高くなってしまうのだが、一度「貯蓄型医療保険」に支払ったお金は簡単に引き出せないものとなるので、どうしても貯蓄が出来ないといった人にはおすすめの商品になる。

しかし簡単には引き出すことができないという点から、直近で使用する資金を入れなければいけないほど切迫している場合は、掛け金も高くなることからおすすめできない。

あくまでも余裕がある状態で医療保障と貯蓄がしたい人におすすめの医療保険だ。

女性保険

女性には女性特有の病気があり、乳がんや子宮頸がん、といった病気になってしまった場合に利用したいのが「女性保険」だ。

前述したが「定期医療保険」や「終身医療保険」では女性特有の病気やがんといった特定の病気に関しては満足のいく保険金がおりない可能性がある。

従って通常の病気に関しては大丈夫だが、女性特有の病気にだけは備えておきたいといった方におすすめだ。

「女性保険」にも「一定期間の保障タイプ」と「終身タイプ」に分かれるので自身の保障したい範囲で選択をすることが必要だ。

引受基準緩和型医療保険

通常の医療保険よりも加入時の条件が緩いのが「引受基準緩和型医療保険」だ。通常医療保険に加入しようと考えたら、健康状況や収入状況といったあらあゆる部分を査定される。

従って持病をもっていたり収入面に難があったりする人に関してはなかなか医療保険に入りにくいといった状況もある。 デメリットとしては「引受基準緩和型医療保険」では一定期間は保障が通常の医療保険よりも保険金が少ない。

メリットとデメリットをみて「引受基準緩和型医療保険」を選択することが重要だ。

無選択型医療保険

「無選択型医療保険」は「引受基準緩和型医療保険」と同じく、持病がある方や健康上に問題があっても加入できるのが「無選択型医療保険」だ。

大体の内容やメリット、デメリットは「引受基準緩和型医療保険」を流れを汲んでいるが「引受基準緩和型医療保険」よりも加入しやすいのが特徴だ。

医療保険の選び方

これまで6つの医療保険を紹介していきたが自分にあった医療保険を選択するのにはどうしたら良いのだろうか?

医療保険の選び方は様々なファクターが絡み合うものなので、条件を考えて医療保険を選んでいく必要がある。

定期保険か終身保険か?

まず考えるべきは「定期保険」にするのか「終身保険」にするのかといった「期間」の問題だ。

定期保険の場合は一定期間が終われば自動更新もしくは手動更新となるのだが、基本的に更新する度に保険料が高くなってしまう。

終身保険では被保険者が亡くなるまで保障期間となるので亡くなるまで保証金は一定となるため、定期保険よりも安くなる。

一定期間なのかそれとも終身なのかで最終的に支払う金額が変わってくるため、自分の貯蓄状況や収入状況に合わせて選択するべきだ。

主契約にすべきか?

医療保険の契約は主契約と特約という二つの種類に分類される。

主契約が基本的な医療保険の契約形態になるのだが、もし自分が他の保障も欲しいと感じたときは主契約で他の契約も結ばなければいけない。

特約はどうすればいいのか?

特約は主契約に付随して契約を行うため、主契約を二つや三つ結ぶのではなく特約という形で他の契約を結ぶ。

その為、主契約を多数結ぶといった煩わしさがない分、主契約を解除すると特約も解除されるといったデメリットがある。

主契約を多数契約すれば、どちらか一方を変更できるといった自由度があるが、特約であれば一つの契約で結ぶことができることを主眼においてどちらかを選択しよう。

自分のニーズにあった医療保険選びを!

今回は6つの医療保険を紹介しながら選び方や役割を解説してきた。

一口に医療保険といっても様々な医療保険の種類があることや契約条件から各々によって選択の余地がああるといったことが理解できたのではないだろうか。

自身が貯蓄したいのか、保険としてのみを見るのか、主契約か特約かといった部分から自分にあう医療保険を見出すことができれば余計な保険料を払わずに済むだけでなく、その人にとって最良の医療保険となる。

「無選択型医療保険」は「引受基準緩和型医療保険」に関しては保険料が高いことや一定期間保障額が減額することもあるので基本的には他の4つの医療保険を検討したほうがよい。

自分にあう医療保険を選択して最善の契約を行おう。