(写真=PIXTA)
以前の記事 「がん保険」のメリットとは? いざというとき役に立つ選び方 で、「がん保険」の種類や付加したほうがよい特約などを解説した。ところで、そもそも「がん保険」は医療保険とセットで加入することがよいのだろうか。「がん保険」と「医療保険」の関係はどうなっているのだろうか。
医療保険とがん保険の違い
医療保険とがん保険の違いは、医療保険がすべての疾病に対応しているのに対し、がん保険はがんのみを対象にしている。つまり、医療保険とがん保険は包含関係にある。医療保険に加入していれば、がんで入院したり手術した場合でも保険金が支払われる。逆に医療保険に加入せず、がん保険だけに加入している場合には、がん以外で入院や手術をしても一切保険金はでない。
そうすると医療保険が圧倒的によいのではないかと思うかもしれないが、医療保険はがん保険に比べて保障範囲が広い分保険料が高い。また、がん保険はがんと診断されただけで保険給付がなされたり、通院での給付額も高く設定できるなど、医療保険にはない魅力がある。そのため、医療保険にさえ加入していればがん保険は不要というわけではない。
医療保険に加入できない人でも加入できる
保険は相互扶助を理念として作られており、困った人を助けるものである。ところが、既に病気の人が、お金が必要だからと生命保険に加入してきたらどうだろうか。その病人は必ずお金をもらうことができ、そのお金は他の人が負担することになる。それでは、不測の事態に備えるという保険の趣旨に反するし、なによりアンフェアである。
そのため、生命保険は基本的に病気の人は加入できない。しかし病気になったものの既に完治している人や死に至るような重大な疾病でない場合でも一律に生命保険に加入できないとするのはあまりに硬直すぎる。
そこで、たとえば、胃潰瘍になったことがある人は、胃に関する疾病は不担保(保険金を支払わない)という条件を付けて生命保険の加入を認める扱いをしている。しかし、それでも複数の疾病を抱えているなど、医療保険に加入できないこともある。そんな時でも、がん保険であれば加入できることがある。がん保険は、がんを保障対象としているので、がん以外の疾病は基本的に関係がないからだ。
健康な人は普通保険に入りたいとは思わないものだが、ひとたび病気になって保険の必要性を痛感している人は、何とかして保険に入りたいと思うものである。ましてや医療保険に加入できないとなれば、がん保険でも加入できるのであれば加入したいと考えるのも無理もない。
一方、保険の営業マンは、保険契約のノルマがあり、目の前に保険に加入したい人がいるわけだから、がん保険を勧めて何とか契約を取りたいと考えるわけである。