「一生涯保障」という文言が魅力的なためか、人気が高まっている終身医療保険。テレビCMやインターネット、雑誌広告などで目にする方も多いだろう。

しかし終身医療保険にはあまり知られていない落とし穴が存在するため、その加入には慎重にならなければいけない。これから終身医療保険への加入を考えている方も、現在すでに終身医療保険へ加入している方も、ぜひ保険の見直しを考える上で参考にして頂きたい。

目次

  1. 終身医療保険とは
  2. あまり知られていない落とし穴
    1. 予定危険率下落リスク
    2. 保障内容の陳腐化
  3. かしこく終身医療保険に加入するには
  4. 医療保険の必要性

終身医療保険とは

終身医療保険とは、一言で言うならば「一生保険料が上がらない医療保険」のことだ。最大のメリットは言うまでもなく医療保障が生涯に渡り受けられることであり、老後の精神的不安を大幅に解消してくれることだろう。更新がないため、将来的に負担することになるだろう保険料を見通しやすいというのも選ばれる一因だ。

ちなみに終身医療保険にも「掛け捨て」と「貯蓄型」のものがあり、より人気が高いのは「掛け捨て」タイプ。保険料がまったくの無駄になるのはもったいない、という考えはいまだ根強いが、少なくとも終身医療保険に求められているのは「低負担」かつ「シンプル」。これは顧客ニーズばかりでなく、CMを打ち出す保険会社にとっても売りにするポイントが絞れるため力を入れやすく結果的に良い終身医療保険が掛け捨てタイプに集中しているという現状がある。

まとめると終身医療保険は、「一生涯保証」であり「保険料が一定」で、広告塔にするため「保険料が安い」商品が多い。

では、そのような傾向が強い終身医療保険の落とし穴とは一体いかなるものか解説しよう。

あまり知られていない落とし穴

終身医療保険には落とし穴とも言うべきリスクが2つ存在する。

予定危険率下落リスク

言葉にすると難しく感じるかもしれないが、つまるところ将来的にもっと安い保険が出てくる可能性があるということ。特に日本は死亡率が低下しており長寿化傾向にあるため、その可能性は十二分にあるだろう。終身医療保険は生涯保障という性質上、加入直後は保険料が割高に設定されている。そのまま20年、30年が経過すれば確かに割安な保険料による保証が受けられるが、その間に予定危険率が下落してしまった場合、それまでに支払った割高な保険料は無駄になってしまう。

保障内容の陳腐化

民間医療保険が国内で誕生したのは2001年の自由化からであり、自由化からこれまでの間にも保障内容はたびたび変遷を辿っている。そうした現状にあって、保障内容を固定してしまう終身医療保障は陳腐化のリスクが高い。実際一昔前の医療保険を見直すと使い物にならない保障内容も多く、今後さらなる新商品の開発に伴い現在の医療保険が機能しなくなる可能性は無視できない。

大きなリスクは以上2点だが、このほかにも保険あるいは保険会社そのものが破たんする可能性、いわば信用リスクなどが存在する。これは医療保険に限った話ではないが、保険が破たんすると保険料などが見直されるためこちらにとって不利になることも考えられる。

かしこく終身医療保険に加入するには

説明した通り、終身医療保険がお得なのはあくまでも保障制度や医療体制が現行のまま推移した場合に限った話である。

無論、その可能性も大いにあり得る。ただし、安易に低価格な保険料に飛びつくことだけは避けるべきだ。そもそも終身医療保険が安価なのは保障内容がそこまで手厚くないからであり、少なくとも「終身医療保険に入っていれば老後も安心」といった考え方が適した保険とは言い難い。あくまでも万が一のお守りと割り切って加入するのがもっともコンセプトに合っており、より良い保険が開発された際には執着せず切り替えを検討する、といった向き合い方がもっとも賢いのではないだろうか。

医療保険の必要性

終身医療保険に限らず、医療保険はその必要性が問われることも多い。それは医療保険そのものの構造的な問題もさることながら、顧客側が医療保険に対して過剰に信頼しすぎていることが原因でもある。医療保険は民間のものばかりでなく、国民健康保険をはじめとして公的医療保険も充実しているのだから、それらの制度、保障範囲を正しく理解し、自分がどういったケースに対する保険を必要としているのか、まずはこれを見極めなければいけない。

自分ひとりで検討することが難しいと考えるならば、無料保険相談サービスを利用してみるという手段もある。あるいはファイナンシャルプランナーなどの専門家の話を聞いてもよい。

いずれにせよ大切なのは、一方的な話に耳を貸すべきではないということ。何人か、あるいは何社かの話を比較し、内容次第では医療保険に加入しないという選択肢があることも忘れさえしなければ、きっと後悔しない良い保険選びができるはずだ。

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