医療保険がいらないって本当?理由や必要な人を紹介!
( 画像=ZUUonline編集部)

医療保険の必要性は人によって異なります。

人は年齢を重ねるにつれて病気やケガのリスクが高まるため、家族のために医療保険に加入するのも1つの方法です。この記事では、医療保険がいらないといわれる理由医療保険に入る必要性必要性の高い人の特徴などを紹介します。また、年齢別やケース別に必要な医療保険の保障もまとめています。

医療保険がいらないといわれている理由

医療保険がいらないといわれている理由は、以下のとおりです。

医療保険は「公的医療保険」と「民間の医療保険」に分かれています。公的医療保険は国の社会保険制度の1つです。病院の窓口で医療費の1割~3割を支払うことで、病気やケガの治療を受けられます。ただし、公的医療保険制度の適用外となる場合もあります。医療保険に入る必要性も後述しています。

理由①公的医療保険制度が充実しているから

公的医療保険制度が充実していることが、医療保険がいらないといわれる理由の1つです。日本では国民皆保険制度があり、ほとんどの人が公的医療保険に加入しています。国内で受けられる入院や手術、投薬などの治療が、公的医療保険に加入することで、誰でも一定の負担割合(1割~3割*)で医療を受けられる仕組みです。例えば、皮膚科の受診時に1万円かかっていた場合、実際に支払う費用は3,000円で済みます。

*義務教育就学前は原則2割、70歳以上75歳未満は原則2割、75歳以上は原則1割、それ以外は原則3割

保障内容は、図表1の医療給付と現金給付の2つに分けられます。

【図表1-1】

医療給付現金給付
・療養の給付
・入院時食事療養費
・入院時生活療養費(65歳~)
・高額医療費(自己負担限度額)
・傷病手当金
・出産育児一時金
・出産手当金
・埋葬料

図表1-1には、注意点が以下の3つあります。

  • 医療給付の対象となるのは保険適用の治療まで
  • 先進医療の技術料や自由診療など一定水準以上の医療を求める場合には、保険適用外のため全額自己負担となる
  • 個室希望時の差額ベッド代や入院中の食事代、医療機関までの交通費は実費

公的医療保険制度により自己負担額は抑えられています。しかし、1回に支払う医療費が高額な場合は、3割負担でも家計を圧迫してしまいかねません。そのようなときにも、後述する高額療養費制度の利用で負担を軽減できます。

理由②高額療養費制度も利用できるから

医療保険がいらないといわれるもう1つの理由は、高額療養費制度が利用できることです。高額療養費制度では、1カ月あたりの保険適用の医療費が自己負担額の上限を超えた場合、支払った医療費のうち超過分が払い戻されます。自己負担額の上限は所得に応じて異なります(※出典:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ、PDF内更新日:2018年8月時点)。

高額療養費制度によって、重い病気やケガをした場合でも、一定の負担額を超えることで負担が軽減されるのです。

例えば、がんの治療費に100万円かかったとします。保険適用内であれば3割負担のため、窓口負担額の30万円を支払う必要がありますが、標準報酬月額が28万円~50万円の人の場合、約9万円を超える部分は高額療養費制度の利用が可能です。つまり、実際の負担額は約9万円を超えない額になります。

ただし、収入が増えると自己負担限度額も増加することや、治療や入院が長期化するとそのぶん負担も大きくなることに注意です

理由③貯蓄があればカバーできるから

医療保険がいらないといわれる最後の理由は、貯蓄があればカバーできる点です。万が一に備えて公的医療保険の自己負担分を払えるだけの貯蓄をしておくことで、医療保険に頼らずに対応できる場合があります。

貯蓄に必要な金額は、個人の生活費やライフステージによって異なります。そのため、一概にいくら貯蓄があれば足りるとは言い切れません。

しかし、目安として生涯医療費は2,700万円程度といわれています(※出典:厚生労働省 生涯医療費 令和2年度)。具体的には69歳までで約50%、70歳以降で残り約50%を使い切る計算です。

公的医療保険が適用されるため、実際には2,700万円の3割に相当する810万円が自己負担額になります。若い世代のうちから、年間数万円程度の医療費がかかる予想です。

つまり、810万円を上回る貯蓄があり、医療費を支払っても家計を圧迫しない人は医療保険の必要性は低いといえます。ただし、貯蓄には限度がありますし、予算とする医療費を把握するのは困難です。

重い病気やケガによる長期間の入院や手術など、高額な医療費がかかる場合は貯蓄だけでは十分カバーできないかもしれません。その点も考慮して判断しましょう。

医療保険の加入率

医療保険の加入率を「民間の医療保険の加入率」と「年代別の加入率」に分けた場合の結果は、以下のとおりです。

  • 民間の医療保険の加入率は、世帯ベースで93.6%
  • 年代別の加入率は、「29歳以下」から「75歳~79歳」および「85歳~89歳」で9割を超えている

医療保険の加入率は、基本的に9割を超えていることが分かりました。ここでは、表を使ってより具体的に紹介します。

民間の医療保険の加入率

民間の医療保険の加入率は、世帯ベースで93.6%です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査)。世帯員別に見ると、世帯主は88.7%、配偶者は65.8%になっています。参考までに、2009年からの医療保険や医療特約の加入率(民保加入世帯ベース)を図表1-2にまとめています。

【図表1-2】

(単位:%)

世帯世帯主配偶者
2021年 93.6 88.7 65.8
2018年 88.5 82.5 68.2
2015年 91.7 85.1 69.6
2012年 92.4 85.2 70.8
2009年 92.8 86.6 69.0
※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査より筆者作成
※民保(かんぽ生命を除く)に加入している世帯が対象
※病気やケガで入院したり所定の手術を受けたりしたときに給付金が受け取れる生命保険、あるいは特約が付加された生命保険であり、損害保険は含まれない

図表1-2から、世帯全体で5.1ポイント、世帯主で6.2ポイント増加し、配偶者で2.4ポイント減少していることが分かります。

年代別の加入率

次に、医療保険や医療特約の世帯加入率を世帯主年齢別に見ると、「29歳以下」から「75歳~79歳」および「85歳~89歳」で9割を超えていることが分かりました(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査)。

参考までに、29歳以下から90歳以上の加入率を図表2にまとめています。

【図表2】

(単位:%)

年齢別医療保険・医療特約の世帯加入率
29歳以下 90.8
30歳~34歳 94.2
35歳~39歳 92.6
40歳~44歳 94.6
45歳~49歳 95.4
50歳~54歳 96.2
55歳~59歳 94.7
60歳~64歳 94.2
65歳~69歳 94.0
70歳~74歳 92.2
75歳~79歳 91.8
80歳~84歳 85.3
85歳~89歳 92.9
90歳以上 83.3
※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査より筆者作成
b※民保(かんぽ生命を除く)に加入している世帯が対象
※90歳以上はサンプルが30未満

世帯ベースや年齢別で見る医療保険の加入率は、基本的に9割を超えていることが分かりました。多くの人が、病気やケガをしたときの経済的な負担に対して、医療保険の必要性を感じている人が多いのではないかということが感じられます。

医療保険に入る必要性

入院や治療費を賄える分だけの貯蓄がなければ、医療保険に入る必要があります。なぜなら、一般的に病気やケガで入院、手術をすると、まとまったお金が必要になるからです。

病気やケガの治療に専念するために個室ベッドを希望する際は、別途入院日数分の差額ベッド代がかかります。また、入院や手術後は通院や投薬を継続して行う場合が多く、単月の治療で終わらないこともあるでしょう。

実際に入院や治療にいくらかかるのかを把握するために、まずは入院時の入院日数を見てみましょう。

直近の入院時の入院日数(年代別)を図表3にまとめました。

【図表3】

(単位:%)

  N=人数 5日未満 5日~7日 8日~14日 15日~30日 31日~60日 61日以上 平均(日)
全体 797 19.8 27.5 24.1 17.8 6.8 4.0 17.7
20代 44 20.5 38.6 15.9 13.6 6.8 4.5 18.0
30代 57 22.8 40.4 19.3 10.5 5.3 1.8 12.1
40代 98 19.4 35.7 26.5 12.2 2.0 4.1 15.1
50代 128 24.2 28.9 21.9 18.8 4.7 1.6 14.7
60代 180 21.1 23.9 25.6 18.3 5.6 5.6 18.8
70代 287 16.4 21.6 25.8 21.3 10.5 4.5 20.5
※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査より筆者作成
※集計ベース:過去5年間に入院した人

図表3によると、20代~60代の平均入日数は12日~20日程度であることが分かりました。

次に、治療にいくらかかるのかを知るために、直近の入院時の自己負担費用を図表4にまとめています。

【図表4】

(単位:%)

N=人数5万円
未満
5万円~10万円
未満
10万円~20万円
未満
20万円~30万円
未満
30万円~50万円
未満
50万円~100万円
未満
100万円
以上
平均
(万円)
全体5739.426.533.711.510.15.83.019.8
5日未満11625.938.826.76.01.70.90.08.7
5日~7日1626.836.434.011.18.61.91.215.2
8日~14日1326.823.544.712.19.12.31.516.4
15日~30日1102.711.836.414.518.212.73.628.4
31日~60日333.09.118.224.224.215.26.130.9
61日以上140.00.014.37.114.335.728.675.9
※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査より筆者作成
※治療代や食事代、差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品などを含む
※高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

図表4から、直近の入院時の入院日数別に自己負担費用を見ると、入院日数が長くなるほど自己負担費用が高くなっていることが分かります。入院が長期化した場合の自己負担額は、31日以上で平均30万9,000円、61日以上で平均75万9,000円です。

図表3の直近の入院時の入院日数(年代別)から、20代~60代の平均入日数は12日~20日程度という結果が出ていたので、自己負担額は16万円~28万円程度になります。

そのため、急に20万円程度のお金が必要になったときに、家計を圧迫してしまうのであれば、医療保険で備えることも検討したほうがよいでしょう

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医療保険が必要な人の特徴

一般的に病気やケガで入院や手術をすると、まとまったお金が必要になります。そのため、以下の特徴にあてはまる方は、医療保険に加入しておいたほうがいいかもしれません。

それぞれ解説します。

病気やケガの治療費を支払うと家計への負担が大きくなる人

医療保険が必要な人の特徴1つ目は、病気やケガの治療費を支払うと家計への負担が大きくなる人です。貯蓄が少ない場合には、公的医療保険制度があっても先進医療や自由診療などの治療を受けたい場合、医療費が貯蓄を超えてしまう可能性があるからです。

先進医療とは?

先進医療とは、特定の大学病院などで研究や開発が行われ、実施されている先端医療のうち、厚生労働大臣の承認を受けた医療です。この先進医療の技術料は、全額自己負担になります。診察料や検査料、投薬料や入院料などは公的医療保険が適用され、この部分については高額療養費制度の対象です。

自由診療とは?

自由診療とは、厚生労働省が承認していない治療や薬を使用する方法です。先進医療とは異なり、治療費をはじめ診察料や検査料、投薬料や入院料なども含めて全額自己負担となります。

例えば、下記の方ががんになった場合に想定される医療費と家計への圧迫具合を紹介します。

  • 45歳男性
  • 年収400万円

がんはさまざまな部位での発症があり、進行度によって治療費は異なるものです。一般的にがんの場合、1回の入院で医療費に約100万円程度(入院代や食事代を含む。2019年時点)かかるとされているため、それをもとに計算します。

医療費に100万円かかった場合の負担額は、公的医療保険制度の利用により、窓口負担で30万円です。さらに、高額療養費制度があるため年収400万円であれば、実際の負担額は約9万円になります。

しかし、がんになった場合、公的医療保険の対象外の治療方法がたくさんあり、こういった治療を受けるにはまとまったお金が必要です。

例えば、海外ではがん治療に有効だと認められている抗がん剤でも、日本では未承認で、自由診療となるものもあります。がんの治療を行う際には、自由診療での治療が有効とされることもあります。

日本では未承認ですが、自由診療で使用される抗がん剤の1つに、エルダフィチニブがあります。エルダフィチニブの治療を受ける場合は、1カ月あたり約290万円必要です(※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 国内で薬機法上未承認・適応外である医薬品・適応のリスト(2022年10月31日時点のデータ)(承認年月日順))。

このように自由診療や先進医療など公的医療保険の対象外の治療方法を受けたいときに医療保険に加入していた場合、がん診断一時金で100万円、治療給付金で月に1回10万円が支給されるため、家計への負担が大幅に減少します(※加入する保険の保障内容による)。公的医療保険の対象外の治療への選択肢を広げるためにも医療保険はあったほうがいいでしょう。

健康状態に不安がある人

医療保険が必要な人の特徴2つ目は、健康状態に不安がある人です。健康状態に不安があるとは、がんや脳卒中、うつ病などの既往歴があったり、家族に糖尿病やアレルギーなどの遺伝的な疾患が多かったりすることを指します。このような人々は、将来の医療費の負担や、病気による収入の喪失に対する不安があるのではないでしょうか。

がんや脳卒中の治療には、3割負担で30万円~100万円程度の費用がかかることがあり、その負担を軽減するためにも医療保険で備えておく必要性が高いといえます。

健康状態に問題がないうちに保険に加入することで、保険料を安く抑えることが可能です。医療保険に加入する際は、現在の健康状態や過去の病歴など事実をありのままに告げる「告知義務」があります。万が一告知義務に不正があった場合は、これまで支払ってきた保険料は戻ることなく、保険金も受け取れません。つまり、健康状態に不安のある人ほど、健康なうちに備えておく必要があるのです。

自営業やフリーランスの人

医療保険が必要な人の特徴の最後は、自営業やフリーランスの人です。自営業やフリーランスの人に医療保険が必要な理由は、傷病手当金がないからです。傷病手当金とは、病気やケガにより働けなくなった場合、被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。一方、会社員や公務員の場合は、病気やケガが原因で連続して4日以上働けなくなった場合、給料の3分の2が最大1年6カ月支給されます。

しかし、自営業やフリーランスの人には、このような福利厚生はありません。突然の病気やケガで働けなくなった場合、収入の喪失や医療費の負担が大きくなります。つまり、普通の人よりも医療保険に入るメリットは大きいといえるでしょう。

例えば、自営業のAさんが病気やケガによって働けなくなった場合、事業の継続が難しくなります。このような状況下では、傷病手当金がないために収入が途絶え、生活費や医療費の負担が大きくなってしまうでしょう。しかし、医療保険に加入していれば入院給付金や手術給付金が支給されるため、会社員が支給される傷病手当金と同じくらい、プランによってはそれ以上の金額をカバーできます。

1カ月あたりの傷病手当金と医療保険の給付金を簡単に比較した計算イメージは、以下のとおりです。

傷病手当金の金額は、およそ月給の3分の2です。月給が30万円だとすると支給額は20万円になります。

医療保険の入院給付金は1日あたりの相場8,700円といわれているので、1カ月(30日)入院した場合、8,700円×1カ月(30日)=約26万1,000円が支給されます。医療保険の手術給付金の相場は会社によって異なりますが、5万円とすると、合計31万円1,000円が受給額です。

つまり、傷病手当金以上の保険金を受け取れます

以上のことから、傷病手当金のない自営業やフリーランスの人にとって、医療保険に加入するメリットは大きいといえます。

年代別!必要な医療保険の保障を紹介

ここでは、20代~50代の年代別に必要な医療保険の保障を紹介します。「医療保険を用意したいけれど、自分にどのような保障が必要なのか分からない」という人は、参考にしてください。

【図表9】

年代別必要な医療保険の保障
20代・入院一時金保障
・がん特約(女性)
30代・入院一時金保障
・死亡特約
・がん特約(女性)
40代・入院一時金保障
・入院日額保障
・3大疾病保障
50代・入院日額保障
・入院一時金保障
・3大疾病保障
年代別!必要な医療保険の保障を紹介
  1. 20代
  2. 30代
  3. 40代
  4. 50代

20代

20代に必要な医療保険の保障は、以下の2つです。

  • 入院一時金保障
  • がん特約(女性)

20代が医療保険に加入する場合は、入院一時金保障がついている保険をおすすめします。なぜなら、若い世代の入院日数は比較的短いため、日額保障では十分な保険金を受け取れない場合があるからです。

【入院一時金保障と日額保障の違い】

入院一時金保障とは?

入院一時金保障は、契約時にあらかじめ決めた給付金(入院一時金)が入院すると支給されます。入院日数に関係なく給付金を受け取ることができ、近年の入院日数の短期化に対応しているのが特徴です。

日額保障とは?

日額保障は、入院した日数に応じて給付金が支払われるタイプです。1日5,000円や1万円など、選択して契約します。入院日数が長いほど受け取るお金は増えますが、60日や120日などと1入院あたりの支払限度日数が設けられている場合がほとんどです。

要は、入院一時金保障は入院日数に関係なく決められた金額が支払われて、日額保障は入院日数に応じて給付金が支払われるということです。

20代の平均入院日数は18日です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。その場合にかかる治療費は平均28万4,000円とされています。

例えば、日額保障の1日5,000円タイプの生命保険に入った場合、9万円しか給付金はもらえませんが、入院一時金保障の場合は20万円などと最初に契約者が決めた金額をまとめて受け取れるので、十分保険金を受け取ることができます。

入院が必要になった場合、治療費や入院費用がかかることがありますが、入院一時金保障があればその費用を保障してくれます。初めて1人暮らしを始める人や社会人になったばかりの人にとって、病気やケガに対するリスクは高まる可能性もあります。入院一時金保障は、思わぬ出費に備えるために役立つ保障です。

また、特に女性はがんの発症リスクが高いため、がん特約は注目すべき保障内容です。がん特約は、がんに罹患した場合に一時金が支給されるものや、通院治療のみでも支給されるものもあり、治療費や生活費の補填に役立つ保障です。20歳~39歳までのがん患者の約8割は女性であり、年齢にともない増えていくことが分かっています(※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 院内がん登録小児・AYA世代がん集計について(2019年10月18日))。

若年性のがんに不安を感じている人は、がん特約の追加を検討してみるといいでしょう。

30代

30代に必要な医療保険の保障は、以下の3つです。

  • 入院一時金保障
  • 死亡特約
  • がん特約(女性)

30代にとっても、入院一時金保障は重要です。30代の平均入院日数は、12.1日です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。

そのため、20代同様に日額保障だと十分な保険金を受け取れません。30代は、仕事や家庭の責任が増え、健康管理に十分な時間を取ることが難しくなるでしょう。万が一入院が必要になった場合、入院一時金保障があれば、入院費用や生活費の保障が受けられます。安心して治療に専念したい人におすすめです。

また、死亡保険に加入していない人は、死亡特約の用意をおすすめします。結婚して家族がいるケースの多い30代は、世帯主が万が一死亡したとき、残された家族が生活できるように備えておいたほうが安心です。死亡特約とは、被保険者が死亡したときに保険金が支払われる特約です。万一の場合に備えて死亡特約があれば、亡くなった後に家族に一定の金額が支給されます。

30代女性は、がん特約の用意をおすすめします。20代に比べて、乳がんや子宮頸がんなどの女性特有のがんの発症リスクが約20%高まるからです(※出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス 小児・AYA世代のがん罹患。2018年5月30日時点)。

40代

40代に必要な医療保険の保障は、以下の3つです。

  • 入院一時金保障
  • 入院日額保障
  • 3大疾病保障

40代は、入院一時金保障があると安心です。なぜなら、40代は高血圧症や糖尿病などさまざまな病気やケガによる入院のリスクが高まっていくからです(※出典:全国健康保険協会 生活習慣病の罹患状況調べ(平成28年度))。

病気やケガのリスクについては記事後半で紹介しているので参考にしてください。

入院一時金保障があれば、入院にともなう医療費や生活費の負担を軽減することができます。特に40代は、健康面でのトラブルが増える可能性があるため、入院一時金保障は備えておくべき保障といえるでしょう。

また、40代の平均入院日数は15.1日です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。40代は入院期間が長くなることも考えられるため、入院日額保障も用意しておくことをおすすめします。入院日額保障は、入院期間中に一定の日額が支給される保障です。入院によって仕事を休む必要が生じた場合などに家計の支えとなるため、経済的な安心感を与えてくれます。

さらに、3大疾病保障を追加することをおすすめします。なぜなら、年齢が上がるにつれて、がんや心筋梗塞、脳卒中などの3大疾病のリスクも増えるからです(※出典:厚生労働省 令和2年(2020)患者調査)。

3大疾病保障とは?

3大疾病保障とは、がんや心筋梗塞、脳卒中といった3大疾病にかかった場合に一時金を受け取れる保障です。心筋梗塞だけでなく心疾患全体、脳卒中だけでなく脳血管疾患全体を保障している保険商品もあります。

【図表8】

(単位:日)

がん(悪性新生物) 心疾患(高血圧性のものを除く) 脳卒中(脳血管疾患)
0歳~14歳 22.5 23.8 31.3
15歳~34歳 16.1 17.1 61.7
35歳~64歳 14.7 12.6 51.8
65歳以上 21.4 27.6 83.6

3大疾病保障は、これらの疾病に罹患した場合に一定の保険金が支払われる保障です。医療費や治療にかかる費用だけでなく、生活費の補填にも役立ちます。40代にとって、将来の健康リスクに備えて3大疾病保障を選ぶことは重要です。

50代

50代に必要な医療保険の保障は、以下の3つです。

  • 入院日額保障
  • 入院一時金保障
  • 3大疾病保障

50代にとって、入院日額保障は重要な保障です。なぜなら、入院のリスクが一層高まるだけでなく、入院期間が長くなることも考慮する必要があるからです。

また、体力の衰えや慢性疾患のリスクが高まるため、万が一の入院に備えて入院一時金保障も必要性が高いといえます(※出典:厚生労働省 令和2年(2020)患者調査)。入院日額保障も入院一時金保障も、入院費用や生活費の補填に役立ちます。

50代は子どもが大学に進学する人や、独立する人がいらっしゃる世代です。子どもが独立すると必要な生活費は減るため、保障金額の見直しをおすすめします。大学進学を控えている子どもがいる場合は、必要な生活費がこれまで以上に増える可能性があるため、手厚い保障を用意しておくといいでしょう。

さらに、50代は3大疾病のリスクが高まるため、3大疾病保障の用意をおすすめします(※出典:厚生労働省 令和3年(2021)人口動態統計)。

ケース別!必要な医療保険の保障を紹介

ここでは、定年後や公務員などケース別に必要な医療保険の保障を紹介します。「医療保険を用意したいけれど、自分のケースにあてはめて必要な保障を知りたい」という人は、参考にしてください。

【図表10】

年代別必要な医療保険の保障
定年後・入院一時金保障
公務員・入院一時金保障
・先進医療特約
専業主婦(主夫)・入院一時金保障
・がん特約
シングルマザー(ファーザー)・入院日額保障
・がん特約
ケース別!必要な医療保険の保障を紹介
  1. 定年後
  2. 公務員
  3. 専業主婦(夫)
  4. シングルマザー

定年後

定年後も医療保険は必要であり、おすすめの保障は入院一時金保障です。理由は以下のとおりです。

  • 自己負担額の割合が1割しかない
  • 病気のリスクが高まる
  • 収入減少により貯蓄もなくなる

一般的に日本の定年退職年齢は、60歳~65歳とされています(※出典:厚生労働省 令和4年就労条件総合調査の概況)。老後の医療費は1割負担で済みますが、定年後すぐに1割負担になるのではなく、75歳からの適用です(※出典:厚生労働省 医療費の一部負担(自己負担)割合について)。つまり、定年後から75歳になるまでは、現役時代ほどの収入がないのにも関わらず、3割あるいは2割の医療費を負担しなければなりません

また、年齢を重ねるにつれてさまざまな病気やケガによる入院のリスクが高まります(※出典:全国健康保険協会 生活習慣病の罹患状況調べ(平成28年度))。入院日数に関しても長期化する傾向にあり、35歳~64歳の入院日数が24.4日なのに対して、65歳以上は40.3日と約2倍の差があります(※出典:厚生労働省 令和2年(2020)患者調査)。

そのようなときに医療保険の入院一時金保障があれば、入院にともなう医療費や生活費の負担を軽減することができるため、加入したほうがいいかもしれません。

公務員

公務員に必要な医療保険の保障は、以下の2つです。

  • 入院一時金保障
  • 先進医療特約

公務員は、契約時にあらかじめ決めた給付金(入院一時金)が受け取れる入院一時金保障がおすすめです。なぜなら、公務員は福利厚生や公的保険が充実しているため、最低限の保障である入院一時金保障で医療費の自己負担や収入の減少を賄えるからです。特に若い世代であれば入院日数は比較的短いため、日額保障では十分な保険金を受け取れない可能性があります。

また、先進医療に関して診察や入院、治療費などは公的医療保険制度の適用範囲外のため、先進医療特約の検討もおすすめです。先進医療とは、厚生労働大臣が定めた高度な医療技術を用いた治療です。例えば、がんの治療に用いられる「重粒子線治療」の費用は約300万円です(※出典:一般社団法人粒子線治療推進研究会 重粒子線治療ガイド)。

このような多額の費用がかかる先進医療に備えられるのは、民間の医療保険の先進医療特約です。先進医療の費用は、公務員であっても全額自己負担になるため、先進医療を受けたい人は医療保険で備えておくとよいでしょう

専業主婦(夫)

専業主婦に必要な医療保険の保障は、次の2つです。

  • 入院一時金保障
  • がん特約

専業主婦(夫)は、最低限の保障である入院一時金保障がおすすめです。なぜなら、公的医療保険や世帯主の稼ぎが充実している場合は、最低限の保障で足りるからです。

例えば、下記の方が入院することになった場合に想定される医療費と家計への圧迫具合を紹介します。

  • 保険加入者:専業主婦42歳
  • 家族構成:夫45歳男性(世帯主)、子ども1人15歳
  • 世帯主年収:500万円

40代の平均入院日数は15.1日です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。そのため、治療にかかる自己負担額は約28万4,000円になります(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。

入院一時金保障の契約内容によりますが、相場は約20万円です。また、世帯主の年収が500万円の場合、1カ月で約40万円の収入があることになります。

専業主婦の方が入院することになり28万4,000円が必要な場合でも、入院一時金保障の20万円を利用して、そこから差し引いた残りの8万4,000円を世帯主の収入である40万円から賄うことが可能です。

また、生活費の補填や家事代行を外部に依頼する場合にも、世帯主の収入をサポートする形で入院一時金の保障が役立ちます。自分の健康を守り、家族全体の安定に貢献するために、入院一時金保障の加入を検討してみてもいいでしょう。

また、女性は30代以降のがんを発症するリスクが高いため、がん特約に備えておくことをおすすめします(※出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス 小児・AYA世代のがん罹患)。

シングルマザー

シングルマザーに必要な医療保険の保障は、次の2つです。

  • 入院日額保障
  • がん特約

シングルマザーは、公的医療保険制度や手当を活用しながら、生活を圧迫しない範囲で民間の医療保険に加入するのも1つの方法です。

シングルマザーは、働けなくなったときに収入がなくなってしまうため、入院日額保障をつけることをおすすめします。なぜなら、万が一入院が長期化した場合の生活費や子育て資金において、経済的なダメージが大きくなるからです。

例えば、子ども1人15歳を育てる母子家庭で、40歳のシングルマザーが入院したときの医療費と家計への圧迫具合を紹介します。

40代の平均入院日数は15.1日です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。そのため、治療にかかる自己負担額は平均28万4,000円になります(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。

次にシングルマザーの平均年収を見てみましょう。母自身の平均年収は272万円、世帯全員の平均年収は373万円となっています(※出典:厚生労働省 令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告

母子家庭の月収を23万円(272万円÷12カ月)とすると、手取りは約19万円です。母子家庭の消費支出は19万6,379円のため、貯蓄さえ難しい状況といえます(※出典:総務省 2019年全国家計構造調査)。

入院日額保障であれば、万が一入院した際や、入院が長期化した際にも1日あたり5,000円~1万円の保険金が受け取れるため、負担を軽減できます(※加入する保険の保障内容による)。また、外部に子どもの世話を頼む場合の足しになるでしょう。

専業主婦(夫)でも説明しましたが、女性は30代以降のがん発症リスクが高いため、がん特約に備えておくことがおすすめです(※出典:国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス 小児・AYA世代のがん罹患)。

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医療保険の選び方

医療保険の選び方で押さえておきたい軸は、以下の3つです。

  • 保険期間
  • 入院時の保障
  • 手術時の保障

保険期間は、定期タイプと終身タイプの2種類です。

定期タイプは、5年、10年と保障される期間が定まっており、保険期間が終了しても更新により同じ保障で加入を続けられます。ただし、更新時の年齢に応じて保険料が高くなるのが一般的です。メリットは、ライフステージに合わせた見直しができる点が挙げられます。

終身タイプは、保障が一生涯続きます。20代のうちに加入しておくことで、50代や60代以降の保険料を抑えられる点がメリットです。

次に、入院時の保障です。入院時の保障は、病気やケガで入院した場合、1日あたりに決められた給付金が支給されます。入院給付金日額は、1日あたり5,000円や1万円など契約時に加入者が設定した金額の受取りが可能です。ちなみに、1日あたりの差額ベッド代は6,527円のため、入院給付金日額を5,000円に設定すると1,527円不足してしまいます(※出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会令和3年9月データ)。また、治療費や食事代、差額ベッド代や交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)、衣類代や日用品代などを含めた入院時1日あたりの自己負担額は、平均2万700円です(※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査)。

公的医療保険の適用外の出費を全額保険でカバーしたい場合は、入院給付金日額を上記のデータをもとに設定しましょう。

最後に、手術時の保障です。手術給付金は入院のない外来手術であっても給付金を受け取れます。しかし、ほとんどの保険会社では入院をともなう手術と外来手術とで、別々の給付条件を設定して給付をしているため、事前に確認しましょう。

医療保険を選ぶ際は、どのようなことに備えたいのかという目的の明確化が大切です。保障内容は手厚いほど安心ですが、そのぶん保険料も高くなります。

自分に最適な医療保険を選びたい人は、お金に関する知識を持った専門科にまとめて相談するのも1つの手です。ZUU Advisorsではそのような資産アドバイザーと個人をマッチングするサービスを行っており、複数の専門家から無料で提案を受けることが可能です。まずは、申し込みフォームから気軽に申し込んでみてください。

病気やケガのリスク

ここでは、以下のケース別に病気やケガのリスクを紹介します。実際にどのくらいの疾患リスクがあるのか知りたい人は、参考にしてください。

入院のリスク

ここでは、年代別入院日数(年代別)の推移を図表3にまとめています。

【図表3】

(単位:%)

  N=人数 5日未満 5日~7日 8日~14日 15日~30日 31日~60日 61日以上 平均(日)
全体 797 19.8 27.5 24.1 17.8 6.8 4.0 17.7
20代 44 20.5 38.6 15.9 13.6 6.8 4.5 18.0
30代 57 22.8 40.4 19.3 10.5 5.3 1.8 12.1
40代 98 19.4 35.7 26.5 12.2 2.0 4.1 15.1
50代 128 24.2 28.9 21.9 18.8 4.7 1.6 14.7
60代 180 21.1 23.9 25.6 18.3 5.6 5.6 18.8
70代 287 16.4 21.6 25.8 21.3 10.5 4.5 20.5
※出典:公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査より筆者作成
※集計ベース:過去5年間に入院した人

また、2020年の厚生労働省の調査をもとに傷病別に細かく分けられた年齢階級別平均在院日数を図表6にまとめています。

【図表6】

(単位:日)

主な傷病 総数 0歳~14歳 15歳~34歳 35歳~64歳 65歳以上 70歳以上
全体 32.3 8.9 12.2 24.4 40.3 41.7
結核 59.5 3.2 36.6 38.7 66.8 66.0
ウイルス性肝炎 13.8 4.3 10.4 8.9 20.5 22.7
胃の悪性新生物 22.3 7.8 14.2 19.4 22.9 23.1
結腸および直腸の悪性新生物 16.4 9.5 9.8 12.7 17.6 18.5
肝および肝内胆管の悪性新生物 20.8 8.6 22.8 16.5 21.5 22.8
気管、気管支および肺の悪性新生物 21.1 11.2 17.5 16.1 22.3 24.3
糖尿病 30.6 16.7 11.5 15.6 40.7 44.8
血管性および詳細不明の認知症 312.0 109.0 271.0 313.7 312.1
統合失調症等 570.6 60.3 153.3 334.4 1,147.7 1,255.1
気分(感情)障害 137.4 42.5 40.1 116.7 193.5 205.0
アルツハイマー病 273.0 159.7 190.1 274.6 275.7
高血圧性疾患 47.6 6.3 25.2 10.7 53.4 55.1
心疾患 24.6 23.8 17.1 12.6 27.6 29.7
脳血管疾患 77.4 31.3 61.7 51.8 83.6 86.9
肺炎 38.0 7.0 15.5 21.9 41.0 42.1
肝疾患 23.4 7.7 10.1 16.4 28.6 30.6
骨折 38.5 5.5 10.6 21.3 46.2 47.7
※出典:厚生労働省 令和2年(2020)患者調査より筆者作成
※2020年9月1日~2020年9月30日に退院した者を対象としたもの
※総数には、年齢不詳を含む
※統合失調症には、統合失調症型障害と妄想性障害を含む
※気分(感情)障害には、躁うつ病を含む
※心疾患は高血圧性のものを除く

がんの発症リスク(女性)

女性はがんの発症リスクが男性よりも高いとされています。下の画像を見てみると、20歳~39歳までのがん患者の約8割は女性であり、年齢にともない増えていくことが分かります(※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター 院内がん登録小児・AYA世代がん集計について)。

次に、女性のがんを年代別・部位別で紹介します。30代までは子宮頸がんや乳がんの割合が多数を占めており、女性特有のがんでは若い世代でも注意を払う必要があるということを示しています。

【図表10】

1位2位3位4位5位
0歳~14歳
(小児)
白血病
[38%]
脳腫瘍
[16%]
リンパ腫
[9%]
胚細胞腫瘍・
性腺腫瘍
[8%]
神経芽腫
[7%]
15歳~19歳白血病
[24%]
胚細胞腫瘍・
性腺腫瘍
[17%]
リンパ腫
[13%]
脳腫瘍
[10%]
骨腫瘍
[9%]
20歳~29歳胚細胞腫瘍・
性腺腫瘍
[16%]
甲状腺がん
[12%]
白血病
[11%]
リンパ腫
[10%]
子宮頸がん
[9%]
30歳~39歳女性乳がん
[22%]
子宮頸がん
[13%]
胚細胞腫瘍・
性腺腫瘍
[8%]
甲状腺がん
[8%]
大腸がん
[8%]

病気やケガのリスク

年齢を重ねるにつれて、病気やケガのリスクは高まります。図表7には、年齢別に見た入院人数をまとめています(※出典:厚生労働省 令和2年(2020)患者調査)。

【図表7】

(単位:千人)

年齢階級 入院
総数 病院 一般診療所
総数 1,211.3 1,177.7 33.6
0歳 8.9 8.4 0.5
1歳~4歳 5.0 5.0 0.0
5歳~9歳 3.7 3.7
10歳~14歳 5.3 5.3 0.0
15歳~19歳 7.0 6.8 0.2
20歳~24歳 8.9 8.5 0.4
25歳~29歳 12.7 11.6 1.1
30歳~34歳 16.5 14.9 1.6
35歳~39歳 19.3 18.2 1.1
40歳~44歳 23.1 22.6 0.5
45歳~49歳 34.0 33.6 0.4
50歳~54歳 41.8 41.3 0.5
55歳~59歳 52.7 52.0 0.7
60歳~64歳 66.6 65.7 0.9
65歳~69歳 99.4 97.3 2.1
70歳~74歳 141.9 139.2 2.7
75歳~79歳 155.7 151.8 3.9
80歳~84歳 174.7 169.9 4.8
85歳~89歳 173.4 168.0 5.4
90歳以上 159.8 153.1 6.7
不詳 0.8 0.8 0.0

図表7を見ると、高齢になるほど入院者数が増えており、疾患リスクが高まっていることが分かります。40歳~44歳から2万3,100人と入院者数が増え始め、60歳~64歳では6万6,600人と2倍以上に増加しています。

次に、全国健康保険協会(徳島支部)が調査した、年齢階層別 生活習慣病10疾患有病者数のデータを掲載します(※出典:全国健康保険協会 生活習慣病の罹患状況調べ(平成28年度))。

上の画像を見ると、40代から徐々に有病者数が増え始め、60歳~64歳で最多であることが分かりました。

以上のデータから、高齢になるほど病気やケガのリスクが上昇するといえます。

3大疾病のリスクの年代別の推移

がん(悪性新生物)、心疾患(急性心筋梗塞)、脳卒中(脳血管疾患)といった3大疾病は、日本人の死亡原因の上位を占めており、日本人の死因の48.7%がこの3大疾病によるものです(※出典:厚生労働省 令和3年(2021)人口動態統計の概況)。

3大疾病は年齢を重ねるほど、疾患率が上がるといわれています。3大疾病の年齢別の平均入院日数を年代別に図表8にまとめました。

【図表8】

(単位:日)

がん(悪性新生物) 心疾患(高血圧性のものを除く) 脳卒中(脳血管疾患)
0歳~14歳 22.5 23.8 31.3
15歳~34歳 16.1 17.1 61.7
35歳~64歳 14.7 12.6 51.8
65歳以上 21.4 27.6 83.6

よくある質問

最後に、よくある質問とそれに対する回答を紹介します。

医療保険に入らなくていい理由は何ですか?

医療保険に入らなくていい理由はさまざまですが、「病気やケガをしたことがない」「独身で生計をともにする家族がいない」「保険料を支払うことが負担になる」という声が多く聞かれます。実際、医療保険の加入率は、病気のリスクが低い20代以下、世帯年収300万円の人などは、5割台~5割未満と低い傾向にあります。

生命保険に入らなくても大丈夫なのでしょうか?

生命保険は、病気やケガ、死亡した場合に保険金や給付金を受け取れる仕組みのため、日頃から必要な備えをしていれば、加入の必要性は高くありません。しかし、いざというときには、予想以上に出費がかさむこともあります。生命保険の必要性を検討する際には、十分な資産を築いているかどうかを慎重に検討する必要があります。

いくら貯金があれば保険はいらないのでしょうか?

貯蓄に必要な金額は、個人の生活費やライフステージによって異なりますが、400万円~800万円ほどあれば保険の必要性は低いといえます。なぜなら、公的医療保険である程度は賄えるからです。ただし、貯蓄には限度がありますし、予算とする医療費を把握するのは困難なため、不安な人は加入したほうがいいでしょう。また、若い世代は比較的健康状態が良好ですが、年間数万円程度の医療費はかかると思って貯蓄や保険を備えておくべきです。

保険に入らなくてもいい人はどういう人ですか?

保険に入らなくてもいい人は、自分に万が一のことがあった場合でも、家族に十分な資産を残せる人、病気やケガで入院や手術が必要になった場合でも治療費に困ることがない人などです。十分な資産がある場合は、保険に加入しなくても問題は起きにくいと考えられます。個人でも十分にリスクに備えられる場合は、生命保険は必ずしも必要ではないといえるでしょう。

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