生命保険の見直しの注意点は?見直し方やタイミングについても解説

50代で生命保険を見直すときのポイントは、50代なりの「ライフスタイルの変化」に合わせて保障の内容や保険料を調整することです。時間の経過とともに、子どもが成長したり、親の介護が必要になったりと、保険に加入したときとは生活環境とともに経済状況も大きく変わっているでしょう。 また、50代になれば、退職の時期や老後について意識する人もいるでしょう。加入している生命保険がライフスタイルに合った保障内容になっているかどうかを確認し、必要に応じて見直していきましょう。この記事では、50代の生命保険の見直し方法を解説します。

50代で生命保険を見直す必要性

50代で生命保険を見直す必要性はどんなところにあるのでしょうか。

50代は、子どもの学費、住宅ローンの返済、老後の資金準備などが必要になる人も多い年代です。また、親の介護が始まったり、自身の病気が発覚したり、突発的に大きな出費が発生する人も少なくありません。以下のとおり、それぞれ多額のお金がかかる可能性があります。



ライフイベント 平均費用
子どもの大学進学 約136万円(私立大学の初年度学生納付金)※1
住宅ローン返済額 年139万4,000円(月換算で約11万6,000円、全国平均)※2
入院時の自己負担額と逸失収入の総額 平均26万8,000円※3
介護費用 一時的な費用:平均74万円
月々の費用:平均8万3,000円
平均介護期間:5年1カ月※4

このように、もし亡くなったり入院したりしたときに必要な金額が多い人、経済面で家庭を支えている人、いざというときに動かせるお金が少ない人は、生命保険で備えることを検討したほうがよいでしょう。

また、子どもの独立や退職金の受け取りなどで、保険を減らしても問題ない状況に変わる人もいます。払う必要のない金額を払いすぎないためにも生命保険の見直しをしてみましょう。

50代の生命保険の見直し方・選び方

50代の人が生命保険を見直す場合、どんな点に気を付けてどのようにして選べばいいのでしょうか。保険の種類ごとに見ていきましょう。

死亡保険の見直し方・選び方

死亡保険は、万が一のことがあったときの保障です。50代以降は多額の死亡保障を必要としない代わりに何が必要になるのかという視点で、死亡保険を見直す時期や見直し方、そして選び方について紹介します。

子どもが独立したあとは死亡保障を減らす

子どもが独立したら死亡保険の見直しをして、死亡保障を減らすことをおすすめします。

子どもが大学を卒業して一人前になるまでは親の責任を果たしたい、という思いで死亡保険に加入してきた方も多いでしょう。しかし、子どもが独立したら老後に夫婦で使える資金を増やす方法を考えることが大切です。

例えば、今まで死亡保険に払っていた保険料を老後の資金にあてます。おすすめするのは変額年金保険のような投資商品です。変額年金保険は、契約者から預かった保険料を保険会社が株や債券などで運用します。

株や債券を運用するので必ず増えるという保証はありませんが、過去の例を見ると20年以上運用した場合、元金が減ったことはありません。リーマンショックのような世界的な株価下落があっても、長期で見ると増えています。

また、変額年金保険は株式投資とは違い、保険商品ですのでベースに保険があるのがポイントです。具体的に試算をしてみましょう。

50歳男性:変額年金保険満期年齢 80歳
基本保険金額:300万円(運用実績が悪くても減額されません)
保険料月額:11,229円(死亡保障もあるため全額が運用されるわけではありません)

上記の場合、80歳まで(30年払込)に払い込む保険料総額は約400万円です。これを30年間運用し続けると、以下のようになります。

運用実績2.75%の場合:積立金額約450万円
運用実績5.5%の場合:積立金額約750万円

このように80歳時点で約350万円も増えます。ただしこの運用実績はひとつの例であり確約できるものではありません。運用実績がマイナスであれば積立金額は減ります。

80歳で払い終えた変額年金保険は、その後10年間年金として受け取ります。80歳まで待てないという方は、前倒しで受け取ることも可能です。ただし変額年金保険は最低でも15年は掛け続ける必要があるので、受け取れるのは早くても65歳からです。

また、変額保険は、一時金で受け取ったり介護保障付き終身保険に変更したりもできるので、選択肢が広く老後の生活を長く支えられます。

注意点は、変額年金保険を10年以内に解約すると解約控除が発生することです。運用結果に一喜一憂しないといった注意点もあるので、加入する際にはしっかり確認をしましょう。

子どもが独立し親としての責任を果たしたら、死亡保障を減らして自分たちの老後を真剣に考えることをおすすめします。

更新日が来る前に内容を見直す

更新型の死亡保険に加入している場合は、ライフスタイルの変化に合わせて更新日を待たずに内容を見直しましょう

ライフステージが変わっても、必要がない保障がそのままになっている場合があります。特に更新型保険の場合は、うっかり解約を忘れると高い保険料を払い続け、家計を圧迫することにもなりかねません。

更新型保険とは、10年程度(5年や15年の場合もあります)で自動更新される保険を指します。25歳で加入した場合、35歳、45歳、55歳と10年ごとに更新される仕組みです。契約者から更新しない旨の連絡がない限り更新され、その都度保険料が上がります。

例えば、男性が保険金額1,000万円を10年更新で契約した場合の保険料の推移(保険料は年額)は以下の通りです。

男性が保険金額3,000万円を10年更新で契約した場合の月額保険料の推移


25歳 35歳 45歳 55歳
7,290円 12,240円 21,870円 55,170円

ライフステージが変わったならば、更新日を待たずに少しでも早く保険を見直しましょう。更新型の保険は定期保険ですので、解約をしても解約返戻金はありません。あってもごくわずかです。

解約をした場合、解約返戻金はないものの今後は保険料の払込もなくなります。支払っていた保険料を変額保険のようなこれから先の生活資金に役立つ保険や金融商品にあてましょう。

子どもが独立したら更新型の死亡保険は、更新日を待たずに見直すのがポイントです。

終身保険を解約する場合は解約返戻金がいくらもらえるのかを確認

終身保険を解約する場合は、解約返戻金がいくらになるかを確認しましょう。解約返戻金が支払われるのは、貯蓄性のある保険です。定期保険のように掛捨て型の保険は基本的に解約返戻金がなく、あってもごくわずかです。

実際に支払われる解約返戻金は、保険の種類や契約期間などによって変わります。契約してからの期間が短ければ、解約返戻金はほとんどありません。具体的な金額は、保険会社に確認しましょう

解約のタイミングで気をつけたいのが、低解約返戻金型終身保険の場合です。低解約返戻金型終身保険とは、払込期間中の解約返戻金を抑えることで保険料を安くしている終身保険です。払込終了まで解約しないことを前提としているため、途中で解約すると解約返戻金は払込保険料よりも少なくなります。

例えば、契約年齢が30歳の男性が保険金額1,000万円、保険期間終身で60歳払込満了の低解約返戻金型終身保険に加入していた場合、55歳で解約すると払込保険料総額758万1,000円に対し解約返戻金は524万9,000円で解約返礼率は69.2%です。

60歳で払込満了時には払込保険料総額は909万7,200円で解約返戻金は914万4,000円となり、解約返礼率は100.5%で払込保険料総額程度が返戻されます。

まもなく払込満了を迎えるような場合は、払込を終えてから解約をしましょう。

まとまった資金がある場合は一時払い保険や保険料の全期前納を検討してみる

生命保険の解約や退職金などでまとまった資金がある場合は、一時払い保険保険料の全期前納を検討してみましょう。

払込方法による比較表


月払い 一時払い 全期前納
メリット まとまった資金が必要ない 受け取る保険金を支払った保険料を上回ることが多い 途中解約した場合残りの保険料が戻る
支払い方法 契約者が毎月払い込む 1回で全額払い込む 預かった保険料を保険会社が毎年払い込む
生命保険料控除 保険料を支払っている期間中毎年 一回のみ 保険料を支払っている期間中毎年
保険料
保険金額1,000万円の低解約返戻金型終身保険の場合
6万940円
払込満了:65歳
総額:1,096万9,200円
904万400円 922万591円
5年払込の場合
※保険料は50歳男性:月払いと一時払い保険料は日本生命保険相互会社の試算より
※全期前納の保険料は住友生命保険相互会社の試算より

上の表では、50歳男性が保険金額1,000万円の低解約返戻金型終身保険の保険料を支払い方法別で例を挙げました。

一時払い保険は、1回で保険料の全額を支払う保険です。受け取れる保険金額は1,000万円ですが、払込保険料総額を比較すると月払いより一時払いの方が約200万円安く済みます。月払いは保険金額よりも払込保険料総額の方が多く、一時払いは保険金額よりも払込保険料総額の方が少なくお得です。

一時払い保険は、月払いや年払いよりも総額の保険料が安いのがメリットで、ほとんどの場合、支払った保険料よりも受け取る保険金の方が多くなります。

また、現金で残すと相続税がかかりますが、生命保険ならば「500万円×法定相続人の数」までは非課税のため、相続税対策として利用することもできます。

ただし、保険料を一時払いすると生命保険料控除は1回しか受けられません。また、早期に解約すると支払った保険料より解約返戻金の方が少ないといったデメリットもあるので注意しましょう。

一方、全期前納は保険料を一度に支払う点では一時払いと同じですが、保険会社での扱い方が違います。全期前納の場合は、預かった保険料から毎月あるいは毎年、保険会社が保険料を払い込む仕組みです。そのため、途中で解約した場合は残りの保険料が返還されます。

全期前納にした場合に途中解約するといくら返還されるか、例を挙げてみてみます。

契約者は50歳男性、低解約返戻金型終身保険で基本保険金額は1,000万円、払込期間が5年の保険です。前納保険料(保険会社に預けるお金)は887万2,914円、そこから年に1回177万6,715円を払い込みます。



1年経過後 3年経過後
前納保険料-払込保険料(残りの保険料)*1 710.0 355.2
解約返戻金*2 111.2 358.3
解約時に受け取れる金額(*1+*2) 821.2 713.5
単位:万円
住友生命保険相互会社の商品を参考

途中解約すると前納保険料から払い込んだ保険料を引いた残りと解約返戻金をあわせた金額を受け取れます。

一時払いと異なるのは、全期前納は保険料を支払っている期間中は生命保険料控除を受けられることです。そして、上の払込方法による比較表から分かる通り、保険料の面で月払いよりも全期前納の保険料総額約が174万円安く済みます。

まとまった資金がある場合、貯金をするのも一つの方法です。しかし、利息がほとんど付かない現状では、一時払いや全期前納を考えるのも良いでしょう。

医療保険の見直し方

医療保険を見直す場合に必要なのが、これから先の健康リスクを考えることです。50代は入院やがんの発症が増える時期でもあり、年齢が高まるほど健康リスクが高まります。今加入している保険でカバーできる期間はいつまでか、今の保障額で十分かなどを確認しながら見直しましょう。

50代で高まる健康リスクを考えて保障内容を再検討する

50代で医療保険の保障内容を再検討する場合に参考になる、実際の入院に関する統計を見てみましょう。

<表-1>年齢階級別に見た入院数 (単位:千人)

年齢階級 入院総数
総数 1211.3
20~24 8.9
25~29 12.7
30~34 16.5
35~39 19.3
40~44 23.1
45~49 34.0
50~54 41.8
55~59 52.7
60~64 66.6
64~69 99.4
70~74 141.9
75~79 155.7
80~84 174.7
85~89 173.4
※出典: 厚生労働省 「令和2年 患者調査」より(2020年10月時)

<表-1>からも分かるように、入院数が45~49歳は3万4,000人だったのに対し、50代前半になると、4万1,800人、50代後半になると5万3,700人と増えていきます。

また<表-2>からも分かる通り、実際に入院した場合の入院日数についても、年齢が高くなるほど入院日数が長くなる傾向です。

<表-2>直近の入院時の入院日数(年齢別)(単位:%)

人数(人) 5日未満 5~7日 8~14日 15~30日 31~60日 60日以上 平均(日)
全体 797 19.8 24.1 24.1 17.8 6.8 4.0 17.7
20歳代 44 20.5 15.9 15.9 13.6 6.8 4.5 18.0
30歳代 57 22.8 19.3 19.3 10.5 5.3 1.8 12.1
40歳代 98 19.4 26.5 26.5 12.2 2.0 4.1 15.1
50歳代 128 24.2 21.9 21.9 18.8 4.7 1.6 14.7
60歳代 180 21.1 25.6 25.6 18.3 5.6 5.6 18.8
70歳代 287 16.4 25.8 25.8 21.3 10.5 4.5 20.5
※出典: 生命保険文化センター:2022年(令和4)年度 生活保障に関する調査
*集計ベース:過去5年間に入院した人

入院日数が多くなると、おのずと入院にかかる費用も増加します。

<表-3>直近の入院時の自己負担費用〔直近の入院時の入院日数別〕(単位:%)

人数(人) 5万円未満 5~10万円未満 10~20万円未満 20~30万円未満 30~50万円未満 50~100万円未満 100万円以上 平均(万円)
全体 573 9.4 26.5 33.7 11.5 10.1 5.8 3.0 19.8
5日未満 116 25.9 38.8 26.7 6.0 1.7 0.9 0.0 8.7
5~7日 162 6.8 36.4 34.0 11.1 8.6 1.9 1.2 15.2
8~14日 132 6.8 23.5 44.7 12.1 9.1 2.3 1.5 16.4
15~30日 110 2.7 11.8 36.4 14.5 18.2 12.7 3.6 28.4
31~60日 33 3.0 9.1 18.2 24.2 24.2 15.2 6.1 30.9
61日以上 14 0.0 0.0 14.3 7.1 14.3 35.7 28.6 75.9
※出典: 生命保険文化センター:2022年(令和4)年度 生活保障に関する調査
*集計ベース:過去5年間に入院し、入院費用を自己負担した人
(高額療養費制度を利用した人+利用しなかった人(適用外含む))

<表-3>では入院日数が長くなるほど入院にかかる費用が増えていくことを示しています。

例えば、50歳の平均入院日数14.7日間入院をした場合にかかる自己負担金額は、16.4万円~28.4万円です。公的医療保険を適用してもまとまった金額を負担しなければなりません。万が一の場合に備えて平均的な自己負担金額である20万円程度は用意しておくとよいでしょう。

では、実際にどのような理由で入院をしているのでしょうか?

<表-4>総患者数が多い病気・怪我(男女別)

35~64歳
総数 男性 女性
第1位 消化器系の疾患
6,279
循環器系の疾患
2,796
消化器系の疾患
3,769
第2位 循環器系の疾患
4,840
消化器系の疾患
2,510
循環器系の疾患
2,045
第3位 内分泌,栄養及び代謝疾患
1,987
内分泌,栄養及び代謝疾患
1,944
内分泌,栄養及び代謝疾患
1,905
第4位 筋骨格系及び結合組織の疾患
1,383
精神及び行動の障害
1,032
筋骨格系及び結合組織の疾患
1,478
第5位 精神及び行動の障害
1,731
筋骨格系及び結合組織の疾患
906
眼及び付属器の疾患
1,397
※出典:厚生労働省「令和2年 患者調査, 総患者数(2017年:新推計(案)),性・年齢階級,傷病大分類別」
※総患者数:推計入院患者数+推計初診外来患者数+(推計再来外来患者数×平均診療間隔※×調整係数(6/7)
※前回診療日から調査日までの日数が31日以上のものは除外する。)(引用:厚生労働省「患者調査における「平均診療間隔」及び「総患者数」の算出方法等の見直しについて」

<表-4>を見ると、35歳~64歳では、「消化器系の疾患 」、「循環器系の疾患」、「内分泌,栄養及び代謝疾患 」の順に患者数が多い傾向です。「消化器系の疾患」には、歯肉炎及び歯周疾患や胃炎などがあります。

「循環器系の疾患」は、心疾患(高血圧性のものを除く)や脳血管疾患などの三大疾患の1つが含まれており、「内分泌,栄養及び代謝疾患 」は糖尿病などの生活習慣病を含む疾患です。

次に、50代の死亡原因をみていきましょう。

<表-5-1>50~54歳 

第一位 第二位 第三位 第四位 第五位
死因 がん 心疾患 自殺 脳血管疾患 不慮の事故
死亡数 9084 2791 2763 2047 1099
割合(%) 40.0 12.3 12.2 9.0 4.8

<表-5-2>55~59歳 

第一位 第二位 第三位 第四位 第五位
死因 がん 心疾患 脳血管疾患 自殺 不慮の事故
死亡数 19036 5050 3501 3325 1748
割合(%) 45.4 12.0 8.3 7.9 4.2

50代の死因は、がん、心疾患、脳血管疾患の三大成人病が上位を占めています。

このように50代になると健康のリスクが高まり、その費用も入院日数が長くなればなるほど増えるので、健康リスクを考えて自分に必要な保障を再検討するとよいでしょう。

がん保険は治療費を知った上で加入を検討する

<表-5-1><表-5-2>からも分かるように、50代の死亡原因は「がん」が最多です。がん保険への加入を考えたとき、参考になる平均入院日数、自己負担額、自由診療などのデータを紹介します。

がんによる入院件数と日数(2020年)
件数:3,152,982件
日数:36,881,549日
平均入院日数:11.7日

*出典:厚生労働省入院給付実態調査

がんによる平均入院日数は11.7日ですが、再発を重ねるたびに入院日数が長くなる傾向があることを覚えておくとよいでしょう。

がんに罹患して医療機関で診察や検査を受けると、健康保険が適用され2~3割の窓口負担で済みます。窓口負担分が高額になると、高額療養費制度の適用が可能です。しかし、自由診療や先進医療を受けた場合は高額療養制度の対象外のため、全額自己負担しなければなりません。

自由診療と先進医療の治療費用の目安を紹介します。

<表-6>自由診療                  

NK細胞療法 1回 22万円~29万7,000円(税込)
樹状細胞 1回 41万8,000円~55万円(税込)
※出典:がん相談窓口

<表-7>先進医療

先進医療技術 技術料(1件当たり平均額 平均入院期間 年間実施件数
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 30万857円 10.2日 105件
陽子線治療 264万9,978円 15.7日 1,285件
重粒子線治療 318万6,609円 5.2日 683件

高額な自由診療や先進医療を受けたときの負担をカバーするのが、がん保険の特定治療や先進医療特約です。保険会社によって支払限度額が違いますが、1,000万円から1億円程度まで支払われます。

特約の保険期間の期限切れに注意する

保険の契約には主契約と特約があり、特約は期間が限られていることが多いので期限切れに注意が必要です。

例えば、主契約に医療特約や障害特約、介護特約や三大疾病特約などさまざまな特約が付いていることが多く、10年程度で自動更新になったり、60歳や70歳で終了になったりします。

つまり、医療やがん、介護など将来必要になる可能性の多い保障が期限切れで使えなくなるのです。

確認方法は、保険契約申込書の特約の部分で確認できます。

主契約:終身保障
特約:定期保障特約10年
医療保障特約80歳
先進医療特約10年
介護保障特約70歳
三大疾病特約60歳

定期保障特約や先進医療特約のように10年とあれば、10年ごとに更新されます。医療保障特約のように80歳と年齢が記載されている場合は、その年齢で保障は終了です。介護保障特約も三大疾病特約も年齢が記載されているので、その年齢で保障が終了します。

このように保証期間が一定の期間(年)で記載されているか年齢で記載されているかにより期限が異なります。年で記載されている場合は自動で更新され、保険料が変わるものの保障は継続します(最終は80歳程度が多い)が、年齢で記載されているとその年齢で保障は終了です。

自分が契約している保険の特約の期限はいつなのか、その年齢までの保障で大丈夫かを確認しましょう。

健康状態に不安がある人は引受緩和型を検討してみる

生命保険に加入する際に必要なのが健康告知です。健康状態に不安がある人は引受緩和型を検討してみましょう。

生命保険は多くの人の相互扶助の精神で成り立っています。多くの人が少しずつお金を出し合って、死亡や入院などの状態の人やその家族を助ける仕組みです。

その公平さを保つために健康告知があります。健康で保険のお世話になることがほぼない人と、持病があって頻繁に入院する人と同じ保険料では不公平だからです。そのために健康告知が必要であり、危険度が高い人は保険に入れない場合もあります。

しかし、病院に通院していたり薬を飲んだりしていても、全く保険に入れないわけではありません。少し危険度が高い人のために、保険料を割増して払えば加入できる引受緩和型の保険があります。

実際どのような病気の場合引受緩和型になるのかを紹介します。

肥満:BMI40以上
狭心症・心筋梗塞
糖尿病
高脂血症:中性脂肪400mg/dl以上

これらの病気がある場合、従来型の死亡保険や医療保険への加入は難しいのが一般的です。しかし、引受緩和型の保険は直近(1年以内程度)の入院や手術がなければ加入できるでしょう。ただし、発症直後の加入は難しいので、症状が安定していることが必要です。

また、がんや肝硬変、統合失調症、アルコール依存症、認知症などの場合でも、完治から5年以上経過していると加入できます。

実際に、従来型と引受緩和型でどのくらい保険料が違うのか、例を挙げて紹介します。

保険料試算:50歳男性:入院1日につき5,000円:月額 終身保障 終身払い
従来型:1,949円
引受緩和型:2,700円

*出典:チューリッヒ生命の試算より

上記の例以外の病気でも、従来型では入れない病気がありますが、引受緩和型であれば入れる可能があります。持病があっても保険の加入を諦める必要はありません。引受緩和型の加入を検討しましょう。

老後の資産形成に向けて保険を活用する

生命保険は、病気やケガなどの出費に備えたり、死亡した場合の家族の生活を支えたりするだけではありません。老後の資産形成に向けて活用することもできます。家族のための保障だけでなく、将来の自分のための保険活用も考えるとよいでしょう。

老後資金準備のため貯蓄性の高さで選ぶ

老後資金の準備のために貯蓄性の高い保険を選ぶのも一つの方法です。

従来、保険といえば入院や手術などの出費に備えたり、万が一の場合に家族に残したりするという考え方がメインでした。

しかし近年では、家族のためではなく自分のための保障を考える方が増えています。将来、自分が使うための資産形成として保険を活用するのです。

資産形成として候補となる保険としては、養老保険、年金保険、変額個人年金保険があります。養老保険は10年程度の期限を決めて、積立貯金のように毎月一定額を積み立てる保険です。積み立てている間に死亡や高度障害になった場合、保険金が支払われる点が積み立て貯金とは異なります。

例えば、養老保険10年満期で500万円の保険に入ったとします。毎月一定額を積み立てて10年後に500万円が支払われる保険です。この10年の間に万が一のことがあった場合、受取人に500万円が支払われます。積み立てを始めてから1年しか経過していなくても500万円が支払われるのです。

万が一の場合は家族に残すことができ、無事10年積み立てることができれば自分のために使えるのが養老保険です。

年金保険や変額個人年金保険は、一定期間積み立ててその後年金形式で毎年保険金を受け取ります。年金保険と変額個人年金保険の違いは、最低保証の有無です。

年金保険の場合は、決められた金額が必ず受け取れます。しかし、変額個人年金保険は運用次第で保険金額が変わるため、大きく増える可能性があるものの元本割れする可能性もゼロではありません。

生命保険は保障だけでなく、資産運用としても活用できます。将来の自分のために、積極的に資産を運用するための保険の活用を考えてみましょう。

長寿に対する保障である介護保険も視野に入れる

近年注目を浴びている保険が介護保険です。

日本人の平均寿命は男性で81.41歳、女性で87.45歳です。しかし、健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳で、平均寿命とは男性で8.73年、女性で12.06年の開きがあります(2019年:厚生労働省調べ)。

この差は年々開く傾向にあり、健康なときだけでなく健康を損なってからの期間をどう生きるかが大切です。介護保険はこの期間を金銭的に支えます。

公的介護保険で受けられるのは現金による給付ではなく、介護サービスの提供です。1~3割の自己負担で、介護度にあったサービスを受けられます。しかし、家族や親族が介護した場合、公的介護保険の対象にはなりません。

自己負担部分のカバーや、介護をする家族や親族の負担を減らすために必要なのが民間保険会社による介護年金保険です。

介護年金保険の試算例を紹介します。

50歳男性
主契約:介護年金年額50万円
保険期間:終身/保険料払込期間:終身
年金支払期間:10年/健康祝金特則 付加
認知症一時金特約 付加:100万円
介護一時金特約 付加:100万円)
保険料:月額7,340円

出典:東京海上日動あんしん生命

介護年金保険は、身近なリスクである介護への備えです。介護年金を受け取らなかった場合保険料が戻ってくるタイプの保険もあります。

長寿に対する備えとして、介護年金保険を視野に入れるとよいでしょう。

相続対策としての保険を選ぶ

相続財産が多く相続税が心配な方は、生命保険の非課税枠を活用することがおすすめです。

相続が発生した場合、基礎控除があるため、財産の全てに税金がかかるわけではありません。控除額を超えた部分に税金がかかりますが、なるべく納める税金は少なくしたいものです。

死亡保険には相続人(受取人)1人あたり500万円までの非課税枠があります。相続税対策として保険を活用する場合は、持ち合わせの現金を一時払いで保険に加入しましょう。退職金などがあった場合、現金として残すと相続税が発生しますが、保険であれば控除枠があります。

例として、法定相続人が妻と子供2人の場合にそれぞれが法定相続割合で相続した場合を考えてみましょう。

相続税の税額は計算が複雑なため具体的なものは省きますが、相続財産のうち不動産や現金などの合計が6,000万円の場合、相続税の目安は60万円です。しかし、6,000万円のうち現金1,500万円を一時払い終身保険にしていた場合、相続税はほとんどかかりません。

このように、生命保険には税金を抑える効果もあるのです。現金で持つよりも、相続対策に活用する方法として保険を考えるのもよいでしょう。

所得税控除のメリットを得られる生命保険を選ぶ

生命保険には所得税や住民税の控除が得られるメリットがあります。

2012年1月1日以降に保険の契約(新制度で契約)をした場合、3種類の控除があります。一般生命保険料控除は、死亡保険や医療保険、がん保険などが対象です。その他に介護保険、個人年金保険(変額保険を含む)の保険料が控除されます。

例えば、一般生命保険だけに加入していた場合、支払う保険料がどんなに多くても控除は所得税で4万円、住民税で2万8,000円です。

必要な保障や考え方は人それぞれなので一概には言えませんが、一般生命保険だけでなく介護保険や個人年金保険にもバランスよく入ると、控除額は所得税で12万円、住民税で7万円まで増えます。

所得税の控除対象になる商品を選び、毎年出ていく税金を抑えるために活用するのもおすすめです。

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50代の生命保険の選び方

50代で生命保険を選ぶ時は、今後のライフスタイルや将来にかかるお金などを考えて加入します。これから先、誰とどのような暮らしをするのか、そのためにはどの程度お金が必要かなどです。

また、高齢になるほど入院や介護のリスクが増えるため、それらに備えた保障も視野に入れて生命保険を選びましょう。

自分のライフスタイルと将来かかるお金を計算する

50代になると、そろそろ老後を考える時期にさしかかります。自分のライフスタイルと将来にかかるお金を計算してみましょう。

これから先に起こることとして考えられるのは、退職後の生活設計、親の介護や葬儀、遺産や相続の問題もあるかもしれません。具体的に考えられるものは数字で考えましょう。

退職後の生活設計を考えるときに出てくるのがお金の問題です。老後生活資金としてどのくらい必要かを計算してみましょう。

妻は夫より3歳年下、子供は独立しているものとします。 夫は65歳で定年退職を迎え、夫婦ともに平均余命(ある年齢の人が、あと何年生きることができるのか)の年数を生きるとします。

現在の月間生活費は35万円

夫婦の老後生活資金(定年退職後から夫が死亡するまで)
35万円×0.7×12ヵ月×20年(65歳男性の平均余命)=5,880万円

        

妻の老後生活資金(夫死亡後の妻の生活費)
35万円×0.5×12ヵ月×10年(82歳女性の平均余命)=2,100万円

合計:7,980万円

*平均余命は厚生労働省簡易生命表より

夫婦2人が平均余命の年数を生きるとすると、必要なお金は7,980万円です。その他に、葬儀代や相続の問題も発生するかもしれません。

50代は健康に対する不安が大きくなる時期でもあり、医療や介護への備えなども考えながら将来にかかるお金の計算をすると良いでしょう。

保障にあった生命保険を選ぶ

50代は加入していた保険が満期を迎えたり、高額保障期間が終了したりする時期でもあります。この時期に保険を見直す場合、これから必要な保障にあった保険を選ぶことが大切です。

すでに平均余命まで生きるとして、どのくらいの生活費がかかるかを「自分のライフスタイルと将来かかるお金を計算する」の章で計算しました。公的年金で賄える分もありますが、不足分は個人年金や貯蓄性の高い養老保険などで準備をするとよいでしょう。

医療費や介護資金も備えがあると安心です。入院や介護が必要になった場合、3割程度の自己負担分以外の費用がかかることにも注意しましょう。

葬儀代や相続に関する費用は、終身保険で賄うことができます。貯蓄性のある終身保険は、解約返戻金の一定範囲内で契約者貸付を利用することができるので、緊急時の予備資金としても有用です。

公的な社会保障もあるため、保険に入りすぎてお金を無駄にすることがないよう、自分に必要な保障にあった生命保険を選びましょう。

保険料、保険期間、支払い方法を選ぶ

50代で医療保険を見直す場合、気をつけたいのが保険料や保険期間、支払い方法の選び方です。

■保険料

まだ仕事をしている50代は、支払いに余裕があるかもしれません。しかし、仕事から離れて年金や貯蓄などで生活する場合、最後まで支払える保険料かどうかを考えましょう。保険料は高くなりますが、60歳や65歳など働いているうちに支払いを完了するのも一つの方法です。

ただし、取り扱いのない保険会社もあります。

■保険期間

医療保険の場合、保険期間は終身で考えましょう。平均寿命が延び、高齢化が進むにつれて老後の健康への不安が増しており、年齢が高くなるほど医療保険の必要性は高まります。

医療保険に加入している場合は、保険期間が10年や有期(80歳までなど)の可能性があるので、終身への見直しがおすすめです。

■支払い方法

ボーナスをあてにして年払いや半年払いにしている人は、支払い方法の変更も考えましょう。また、企業内の団体保険や団体扱いで加入しているような場合、退職をすると支払い方法の変更が必要です。そもそも、退職すると保険が継続できない場合もあるので確認しておきましょう。

年金生活になっても支払いを継続するためには、口座振替の月払い契約がおすすめです。年金の受け取り口座を指定しておくと支払いの手間が省けます。

また、保険料には払込猶予期間があるため、一度口座から引き落としができなかったとしても、すぐに契約の効力がなくなるわけではありません。年金が支給される2ヵ月に一度、2ヵ月分ずつ保険料が引き落とされれば契約は継続されます。

損をしないためにも保険の見直しはプロに相談するのがおすすめ

保険を見直す際は病気へのリスクや老後の資産形成、家族のことなどさまざまな視点から考える必要があります。そのため、1人で考えるには難しいことだと感じる方もいるでしょう。そこで、保険や税金、さらに資産運用まで含めたお金の問題については、横断的な知識を持ったプロにまとめて相談するのも1つの手です。

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