近年、仮想通貨やメルカリなどフリマアプリの流行に伴い、それらで得た収入を雑所得として確定申告をしなければならない人が増加している。この記事は雑所得の確定申告について一般的な内容から手続までを詳しく説明していく。

雑所得の確定申告に関するQ&A

雑所得,確定申告
(画像=PIXTA)
Q


雑所得とはどのような所得か?

雑所得とは、所得税法で分類される所得区分のうち、どの所得にも該当しない所得をいう。主にサラリーマンが会社から得る所得は給与所得、フリーランスなどが事業で得る所得は事業所得と区分されるが、雑所得はこの区分のどれにも当てはまらない所得となる。

雑所得とは、所得税法で分類される所得区分のうち、どの所得にも該当しない所得をいう。主にサラリーマンが会社から得る所得は給与所得、フリーランスなどが事業で得る所得は事業所得と区分されるが、雑所得はこの区分のどれにも当てはまらない所得となる。


Q


雑所得は確定申告をする必要があるのか?

原則として、給与所得のみのサラリーマンで年末調整をしている人は年間の雑所得の金額が20万円以下であれば確定申告をする必要はない。しかし年末調整をしていない場合や、ほかの事業所得などがある場合は確定申告をしなければならない。

原則として、給与所得のみのサラリーマンで年末調整をしている人は年間の雑所得の金額が20万円以下であれば確定申告をする必要はない。しかし年末調整をしていない場合や、ほかの事業所得などがある場合は確定申告をしなければならない。


Q


雑所得と雑収入の違いとは?

「雑所得」と「雑収入」は、一見すると似た言葉だが、分類場所が違う。雑所得は、所得税法で定められている10種類の所得のうちの1つだ。一方、雑収入は、10種類の所得の1つの事業所得の中の売上以外の収入を指している。

「雑所得」と「雑収入」は、一見すると似た言葉だが、分類場所が違う。雑所得は、所得税法で定められている10種類の所得のうちの1つだ。一方、雑収入は、10種類の所得の1つの事業所得の中の売上以外の収入を指している。

雑所得とは?

雑所得は「公的年金等の雑所得」と「公的年金等以外の雑所得」に大きく分類される。分類される理由は、税金の計算が大きく異なるからである。

●公的年金等の雑所得について

「公的年金等」とは、以下のものが挙げられる。

(1)国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
(2)過去の勤務により会社などから支払われる年金
(3)外国の法令に基づく保険又は共済に関する規定で(1)に掲げる法律に規定する社会保険又は共済制度に類するもの

・計算方法

公的年金等に係る雑所得=公的年金等に係る収入金額-公的年金等控除額【※】

※公的年金等控除額については、国税庁ホームページに記載の「公的年金等に係る雑所得の速算表」より算出することができる。
出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

・計算例(国税庁ホームページの例を記載)

例えば65歳以上の人で、「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が」500万円、「公的年金等の収入金額の合計額」が350万円の場合、公的年金等に係る雑所得の金額は次のようになる。

計算式:350万円×75%-27万5,000円=235万円

●公的年金等以外の雑所得について

公的年金等以外の雑所得とは、所得税法で規定する所得区分のうちどれにも当てはまらない所得で、公的年金等以外でどこにも属しない所得を一括りに「公的年金等以外の雑所得」として表現している。

・計算方法

公的年金等以外の雑所得=総収入金額-必要経費

これは、事業所得などの所得を一般的に計算するときの計算方法であり、収入から経費を差し引いた残りを所得(利益)として税金を計算する。

●事業所得と雑所得の違い

事業所得と雑所得は、それぞれ経済活動をして得た収入にかかる所得には変わりないが、営業実態によって事業所得と雑所得にそれぞれ区分される。

一番区別がわかりやすいのは「開業届出」を提出しているかどうかだろう。「開業届出」を提出して事業を行っているのであれば、それに伴う収入は事業所得となる。同じような活動実態であっても「開業届出」を提出していなければ雑所得として認められてしまう。

しかし、「開業届出」が認められるためには、その事業が商売として継続的に営業活動を行っていなければならない。税務署に「開業届出」が認められない場合は、その活動から得る収入は雑所得として区分されてしまう。

また、事業所得として認められれば、大きなメリットとして以下の2点が挙げられる。

① 事業所得の計算上損失が発生した場合、給与所得など他の所得と損益通算することができる。

② ①の損益通算で控除しきれなかった損失の金額について、最大3年間の繰り越しをすることができる。

これらのメリットは、雑所得については認められておらず、事業所得と雑所得で大きく異なる点である。 

●給与所得と雑所得の違い

一般的にサラリーマンやアルバイトが、会社などから支払いを受ける収入については、給与所得として所得税・住民税が課税され、その会社を通じて年末調整をすることで個人としての納税は完結する。給与収入が年間2000万円を超えるなど一定の場合に該当するときを除き、確定申告をする必要はない。

これに対して雑所得については、基本的に事業所得と同じで、得た収入については確定申告をする必要がある。この点で給与所得と雑所得は異なる。

●確定申告が必要となる雑所得の種類

確定申告が必要となる雑所得とは、以下の2点だ。

① 公的年金等(ただし、公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となり、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合を除く。)
② 公的年金等以外の雑所得(雑所得金額が年間20万円以下の場合を除く。)

原則として、雑所得は確定申告が必要だと考えておいたほうがよいが、以下に挙げられるものは非課税とされている。

・傷病者や遺族などの受ける恩給、年金など
・文化功労者年金など
・心身扶養共済制度に基づく年金など

確定申告が必要でない場合でも、医療費控除や扶養控除を受けようとする際に確定申告をすることで税金が還付されるケースがある。年度の状況によって判断が難しい場合は最寄りの税務署に相談しよう。

●身近な雑所得とは?

近年、仮想通貨やメルカリなどのフリマアプリの流行に伴い、多種多様な収入を得ている人が増えている。これらの収入は確定申告をしたほうがいいのか? また、いくらまでだったら確定申告をするべきか? 経費として認められる範囲は? など疑問を持つ人も多いだろう。

最近、注目されている身近な雑所得は以下のものが挙げられる。

・仮想通貨の売却による収入
・メルカリやヤフオク!などの転売に伴う収入
・作家以外の個人による原稿の収入
・講演料
・FX取引による収入

これらは、上述したように開業届出を提出せずに個人でも収入を得ることができるため、確定申告を忘れてしまう可能性がある。申告期限を過ぎてから税務署に指摘されると、延滞税などが賦課され、本来納付すべき税額より多くの税金を取られる可能性がある。そのため、自分が得ている収入が雑所得に該当するかどうかをしっかりと理解しておく必要がある。

雑所得の確定申告方法

●期限

原則として、当該年度の2月16日から3月15日(曜日の関係で変動あり)までの間に確定申告をする必要がある。よって、2020年分の雑所得について確定申告をする場合は、2021年2月16日から3月15日までとなるが、2021年は緊急事態宣言発令を受けて4月15日まで延長となった。

医療費控除を受けようとする場合など、所得税の還付申告を行う場合は、同様に1月1日以降であれば申告を行うことができる。

●手続方法

確定申告の手続方法は何通りかあり、状況に応じて選択する必要がある。

①会計事務所に依頼する

申告手数料は発生するが、領収書の整理や税金の計算、申告までの一連の業務を請け負ってくれるため、手間を省くことができる。また、税理士に依頼することで税金計算の大きなミスを防げることから、延滞税など税金が追徴されるリスクを軽減することにもつながる。

②税務署の確定申告サポート会場で手続きする

毎年確定申告時期になると、各税務署に確定申告の手続きサポート会場が開設される。ここに必要書類を持って行けば、税務署スタッフが申告のサポートをしてくれる。

会計事務所に比べ、申告手数料は発生しないが、相談や手続きの時間にも制限がある。税務署職員ではなくアルバイトが担当する可能性もあるので、サービスをより手堅く受けたい人にはオススメしない。

③自分で確定申告をする場合

簡単な雑所得の確定申告については、自分でパソコンやスマートフォンを使用し、国税庁の確定申告書等作成コーナーにて作成をすることが可能である。

●公的年金等の雑所得で必要となる書類

・公的年金等の源泉徴収票

●公的年金等以外の雑所得で必要となる書類

・総収入金額を集計するための請求書、明細書、通帳など
・必要経費を集計するための請求書、領収書、通帳など

メルカリなどでの転売や、仮想通貨の売却など実態は異なるものの、収入と経費がわかる資料をすべて収集する必要がある。

●確定申告は自分でできるか?

確定申告の手続方法③で述べたように、確定申告は自分ですることができる。自分で行う場合は、以下の国税庁の確定申告書等作成コーナーで手順に従って入力をすると、確定申告をすることができる。

国税庁ホームページ:確定申告書等作成コーナー

●納税額をより少なくするには?

確定申告による納税額をより少なくするためには、税金の計算の基となる所得金額をより少なくする必要がある。

所得金額は、(総収入金額)-(必要経費)で計算されるため、総収入金額を少なくするか、必要経費を多くするかの2通りしかない。   また、同じ収入や経費でも、雑所得ではなく事業所得として申告することで、事業所得としての特例やメリットがある。事業所得として認められるように活動実態を変更することも納税額を少なくする方法の1つだ。

雑所得は雑収入と何が違う?

雑収入とは、所得税法で定められている所得区分のうち「事業所得」に分類される、売上以外の収入をさす。

雑収入には、主に事業活動で発生した現金過不足や損害賠償金、作業くずやこれらに付随するものの売却収入などが挙げられる。雑収入は所得区分のうち事業所得に該当するのだ。これらの相違点については、前述の「●事業所得と雑所得のちがい」で説明しているとおりだ。